貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8801 三井不動産

東証P
1,239.5円
前日比
+3.5
+0.28%
PTS
1,236.7円
23:43 12/18
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.6 1.09 2.42 11.54
時価総額 34,485億円
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【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─主要企業の決算が本格化、エヌビディアの動向にも注目


「主要企業の決算が本格化、エヌビディアの動向にも注目」

●米金利にピークアウト感が兆すかが焦点

 5月の東京株式市場は米長期金利の動向と国内の決算発表を睨み、上値の重い展開が想定される。日経平均株価の予想レンジは3万6500円~3万9500円。

 米国では強い経済指標を受けて、利下げ期待が逃げ水のように遠のいている。4月下旬には10年債利回りは4.7%台にまで上昇し、株式の魅力が相対的に低下している。今月の主要スケジュールは3日に雇用統計、ISM非製造業景気指数、15日に消費者物価指数(CPI)、小売売上高、23日にFOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨などとなっている。一連の指標を受けて金利のピークアウト感が出るのかどうかが最大のポイントとなる。

 日米金利差の拡大でドル高・円安も進行している。円安は必ずしも株高にはつながらず、こちらも警戒要因になりつつある。為替介入の効果も限定的となりそうだ。

 国内では3月期決算発表がピークを迎える。4月末までの序盤戦は業績予想に慎重姿勢が見られ、株価のサポートになりにくい状況にある。5月1日現在の日経平均株価の1株利益は2270円、PERは16.8倍。今年は決算発表が15日まで数多くある。企業が今期予想を見極めるために発表を延ばしている可能性もある。なお、ここ数年は、期初予想は慎重でも期を追うごとに増額される傾向にある。

 ゴールデンウイーク明け後の主要企業の決算発表は、7日に任天堂 <7974> [東証P]、8日にトヨタ自動車 <7203> [東証P]、伊藤忠商事 <8001> [東証P]、三菱重工業 <7011> [東証P]、日本郵船 <9101> [東証P]、9日に日本製鉄 <5401> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]、ダイキン工業 <6367> [東証P]、10日にホンダ <7267> [東証P]、三井不動産 <8801> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、13日にソフトバンクグループ <9984> [東証P]、14日に三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]、15日に三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]をはじめメガバンク各社などとなっている。

●トヨタ決算の行方や株主還元の強化に関心

 時価総額首位のトヨタは5月8日に決算を発表する。トヨタの第3四半期時点での2024年3月期の営業利益予想は4兆9000億円(前の期比79.8%増)。24年1月以降の為替前提レートは1ドル=140円。年間では同143円。Quickコンセンサス(4月22日時点)の営業利益予想は5兆969億円で、25年3月期は5兆3046億円となっている。

 グループで既に決算を発表したデンソー <6902> [東証P]は25年3月期の為替前提が1ドル=145円で、営業利益予想は7140億円(前期比87.6%増)、豊田自動織機 <6201> [東証P]も同じ為替前提で営業利益2500億円(同24.7%増)を見込んでいる。トヨタが同様とはいえないが、参考にはなりそうだ。

 株主還元姿勢も注目される。富士通 <6702> [東証P]、野村総合研究所 <4307> [東証P]、コマツ <6301> [東証P]などは決算発表時に自社株買いや増配を公表している。日立製作所 <6501> [東証P]、ソフトバンク <9434> [東証P]は大幅株式分割を発表した。東証の資本効率化推進の動きもあり、この流れが続く期待感がある。例えばPBRが1倍を下回っている三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]などの金融株、ホンダ <7267> [東証P]、日本製鉄 <5401> [東証P]といった銘柄の動向は関心を払っておきたい。

 米国決算で注目されるのは中旬付近とみられるAI(人工知能)半導体大手のエヌビディア<NVDA>の2-4月期決算だ。22年11月に生成AI「チャットGPT」が登場し、その後約半年後に発表された23年2-4月期のエヌビディアの決算はサプライズとなり、株価は1日で24%もの上昇となった。この1年間で需要が急拡大しており、これが反映される今回の決算への関心は高い。エヌビディアの株価は調整気味で、かつてほど期待値は高まっていないともいえる。その分、再評価の余地が高まっているかもしれない。

 AI半導体では性能を高めるため「後工程」の重要性が増している。取引先で検査装置のアドバンテスト <6857> [東証P]のほか、「切る」「削る」「磨く」装置でシェアトップのディスコ <6146> [東証P]、後工程装置のTOWA <6315> [東証P]、後工程材料で世界首位のレゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]などが注目される。

(5月1日 記/次回は6月2日配信予定)

■和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。


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