貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9984 ソフトバンクグループ

東証P
8,844円
前日比
-30
-0.34%
PTS
8,820円
23:54 11/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.19 0.50 10.69
時価総額 136億円
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新たな成長ステージへGO! 24年3月期「最高益復活」6銘柄リスト <株探トップ特集>


―長いブランクを経て最高益見通しへ上方修正、いま飛び立つ銘柄はこれだ―

 驚異的な上昇相場にマーケットが沸いている。4日の東京株式市場で日経平均株価は前週末比198円高の4万109円で取引を終えた。日経平均は2月22日に34年ぶりに史上最高値を塗り替えたが、その余韻冷めやらぬなか今度は4万円大台の突破を果たした。次のターゲットは東証株価指数(TOPIX)の最高値更新となる。これまでの急騰相場は主力のハイテク株が牽引してきたが、先週は東証グロース市場250指数が昨年8月以来の高値をつけるなど、物色の裾野が広がりつつある。こうしたなか、今回の株探トップ特集では足もとの業績が好調な中小型株にスポットを当ててみた。

 24年3月期第3四半期の決算発表シーズンでは、製造業を中心に通期予想を上方修正する企業が相次いだ。上期時点では世界的なインフレによる景気後退などの懸念が拭えず先行きに慎重な姿勢が目立ったが、好調な業績や値上げの浸透、円安の継続によって、利益確保に一定のメドがついたことで上方修正に踏み切る企業が多くみられた。上期の決算発表が一巡した昨年12月以降、全体のおよそ2割が通期の利益予想を引き上げている。ここでは上方修正企業のうち、数年ぶりに過去最高益を塗り替える見通しを示した“大復活”銘柄に注目。長い低迷や雌伏期間を経て、新たな成長ステージを走り出す中小型株を追った。

●10-12月期は脱コロナや値上げ浸透で6割が増益

 3月期決算で前年同期と比較可能な2254社を集計したところ、直近3ヵ月実績である10-12月期の経常利益(米国会計基準と国際会計基準は税引き前利益)の合計額は前年同期と比べ33%増加した。投資先の株高が追い風となったソフトバンクグループ <9984> [東証P]が1兆円を超える利益(前年同期は5826億円の赤字)を叩き出した影響が大きいものの、同社を除いても20%増益と直前の7-9月期に続いて大幅な増益を達成した。社数ベースでも全体の6割近くが前年同期比プラスとなっている。

 業種別では、コロナ禍の行動制限解除で利用客が戻った鉄道やレジャー関連のほか、燃料調達価格の期ずれ影響で電力会社の利益が急改善するなど、内需関連の回復が顕著だ。また、製造業では半導体不足の解消で生産が回復した自動車関連、値上げ効果や原材料価格の落ち着きで採算が向上した食品メーカーなどに増益を確保するものが目立つ。一方、中国経済の減速が重荷となった電気機器や化学、運賃下落が響いた海運などは減益決算を強いられた。

●数年ぶり最高益見通しにサプライズ修正

 最高益更新の間隔期数が大きい企業は、利益成長が長期停滞を脱した企業といえ、成長路線回帰への期待感から株価に大きなインパクトをもたらすケースがみられる。2月14日に決算を発表したサンリオ <8136> [東証P]は、テーマパークやグッズ販売などキャラクタービジネスの好調を反映し、通期の営業利益を10期ぶりの最高益見通しに大幅上方修正した。同時に配当増額と株式分割を発表したことも刺激材料となり、株価は約33年半ぶりの高値圏を舞う展開となっている。

 以下では、昨年12月以降に24年3月期通期の利益予想を引き上げた企業群から、上方修正によって8年以上ぶりに最高益を更新する見込みとなった6銘柄を紹介していく。

●中国塗は好業績と株主還元強化で青空圏まい進

 中国塗料 <4617> [東証P]は船舶用塗料というニッチ分野で国内シェア6割、世界でも屈指の実績を有する塗料メーカー。足もとの業績は販売価格の適正化や高付加価値製品の拡大に、原材料価格の安定推移や円安の効果が加わり、利益水準が大きく改善している。昨年12月には通期の経常利益予想を8期ぶり最高益となる115億円(前期比2.6倍)に上方修正した。同社は株主還元に前向きで、配当は前期まで22年連続で減配なしと抜群の安定感を誇る。今期は年68円(前期比33円増)と大幅増配する計画だ。株価は上場来高値街道を突き進む展開が続いていたが、目先は利益確定売りに押される形で調整含みにある。予想PER12倍台、配当利回り3%超と指標面に割高感はなく押し目買い候補として注視したい。

●化工機はエンジニアリングの受注豊富で成長持続に期待

 プラントや環境設備機器を展開する三菱化工機 <6331> [東証P]の24年3月期業績は、エンジニアリング事業で前期に発生した無償工事の影響がなくなるうえ、産業機械のメンテナンス工事や部品販売の増加などによって、売上高営業利益率8.25%(前期は5.65%)と収益力が大幅に高まる計画だ。第3四半期決算の発表時に通期の経常利益予想を41億5000万円(前期比45.1%増)に上方修正し、15期ぶりに最高益を塗り替える見通しを示した。配当は政策保有株の縮減を進めるなか、年100円と前期比20円増配を計画する。ただ、配当性向は目標とする25%を下回る水準で一段の増額に含みを持たせる。今期は国内のケミカルプラントや排水処理設備の大型案件を獲得するなど受注高を大きく伸ばしており、来期の成長持続にも期待が膨らむ。

●三社電機は高付加価値化で16期ぶり最高益見通し

 三社電機製作所 <6882> [東証S]は高効率電力変換技術を強みに多種多様な電源機器とパワー半導体を展開する専門メーカー。24年3月期は主力の電源機器事業で大型のパワーコンディショナー評価用電源や高精度の金属表面処理用電源など高付加価値製品の販売が進んでおり、四半期業績は前年同期実績を大幅に上回る好調な推移が続く。第3四半期決算の発表時には今期2度目の上方修正に踏み切り、営業利益30億円(前期比84.1%増)と08年3月期に記録した過去最高益を16期ぶりに更新する計画を打ち出した。配当も年50円(従来比10円増)と過去最高水準に増額修正し、配当利回りは3%近辺で推移している。予想PER9倍前後、PBR0.9倍台は評価不足とみていいだろう。

●三桜工は大幅増額修正で指標面に割安感

 三櫻工業 <6584> [東証P]は独立系の自動車部品メーカーでブレーキ配管などの世界大手。重要保安部品の製造で培われた高い技術力を武器に、全固体電池や窒化ガリウム(GaN)基板半導体、新型熱電発電素子など新たな分野への投資にも積極的だ。4-12月期業績は半導体不足の解消に伴う自動車生産の回復や為替の円安継続が追い風となる一方、値上げやコスト削減も進み、経常利益は51億2200万円(前年同期比15.6倍)と急改善をみせた。あわせて、通期の同利益を13期ぶり最高益見通しとなる70億円に大幅上方修正するとともに、配当も増額修正している。株価は昨年来高値圏に浮上したものの、予想PER9倍台、PBR0.9倍近辺と割安感が強く一段の上値が期待される。

●東亜建は28期ぶりの最高益を奪還へ

 海上土木大手の東亜建設工業 <1885> [東証P]は足もとの業績が絶好調だ。4-12月期は国内土木の大型案件や物流施設の手持ち工事が順調に進捗したうえ、高採算工事なども寄与し、売上高2065億5200万円(前年同期比39.2%増)、経常利益128億4000万円(同4.3倍)と業績高変化を遂げた。あわせて、設計変更の獲得や海外大型工事の採算改善も反映する形で、通期の同利益見通しを28期ぶりの最高益となる151億円(従来予想は117億円)に上方修正。また、期末一括配当を従来比40円増の150円に増額修正するとともに、3月末に1株から4株へ株式分割することも明らかにした。需給妙味も高まるなか、株価は約26年8ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開となっている。

●寺崎電気は減益予想から一転して8期ぶり最高益へ

 寺崎電気産業 <6637> [東証S]は電気エネルギー制御技術をベースにシステム製品やブレーカー、医療機器などをグローバル展開している。なかでも船舶用配電制御システムは世界トップクラスのシェアを誇る主力製品だ。今期は期初段階で経常利益24億5000万円(前期比29.6%減)と減益予想だったが、2度の上方修正を経て44億8000万円と一転して8期ぶりの最高益復帰を目指す。主要顧客である造船業界で新造船受注が増加傾向にあるなか、豊富な船舶用システムの手持ち案件の出荷を進めるほか、低圧遮断機やメンテナンスサービスの引き合いも強い。株価は上値追いで07年7月につけた上場来高値2575円が目前に迫る一方、PBRは0.7倍台と依然として割安で水準訂正余地は大きいとみられる。

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