タナベ Research Memo(3):顧客企業の約75%以上が1年以上の継続顧客
■事業概要
2. 収益成長モデル
タナベコンサルティンググループ<9644>のビジネスモデルの特徴は、長期契約型のサービスを成長基盤とし、これらサービスの新規顧客を積み上げながらスポット型の商品・サービスを加えることで持続的成長を実現していることにある。顧客企業の約45%が5年以上の長期継続顧客で、1年以上まで広げると継続顧客は約75%を占める。「ビジネスドクター」として、トップマネジメントアプローチ(経営層への戦略的かつ経営的課題を解決していくチームコンサルティングメソッドの提供)を志向していることが、高い継続率につながっていると考えられる。なお、チームコンサルティングの売上構成比率は2024年3月期第2四半期累計で74%を占めている。
顧客創造モデルは、既存顧客や提携先金融機関(350社以上)からの紹介だけでなく、デジタルマーケティングや大型無料Web説明会の開催などで新規顧客と接点を持ち、チームコンサルティングサービスのほか業種別・経営テーマ別の経営研究会や階層別人材育成セミナーなど継続的にサービスを提供することにより、顧客生涯価値(LTV)を高めていく流れである。チームコンサルティングサービスの新規顧客のうち約6割がこれら研究会や各種セミナーに参加した企業で占められている。さらに2022年3月期からはグループ全体のデジタルマーケティング戦略として、経営コンサルティング領域別専門サイトを順次開設し、リード(見込み顧客)の獲得を進めており、同サイトを通じてチームコンサルティング契約に結び付くケースも増加傾向にある。経営コンサルティング領域別サイトについてはグループ会社のリーディング・ソリューションが開発を担当し、コンテンツについてはジェイスリーが一部担当するなどグループシナジーも生かされている。そのほか、グループ会社との共催セミナーも積極的に推進している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ