貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9501 東電HD

東証P
496.6円
前日比
-9.9
-1.95%
PTS
502円
08:38 12/12
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.21 33.28
時価総額 7,980億円
比較される銘柄
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【植木靖男の相場展望】 ─平成バブルの経験からみる今後の展望


「平成バブルの経験からみる今後の展望」

●“雀の踊り場”を経て史上最高値に挑戦へ

 日経平均株価は3万8000円の大台を固め、いよいよ1989年の史上最高値3万8915円(終値ベース)に迫ってきた。

 では、ここから一気に3万9000円を超えて4万円の大台に乗せるのか。最高値を超えるにあたって考えられる道筋は2つ。すなわち、一気に飛び越えるパターンと、一休止し買いエネルギーを蓄えた後に突破するパターンである。今回はどちらであろう。

 振り返ると、ここ数日、いわゆる「雀の踊り場」を経て上昇している。つまり、ちょんちょんと短い小休止を入れながらの上昇である。昔の市場関係者は苛酷な市場と向き合うなかで、こうした展開を文学的、かつ叙情的に表現した。

 25日移動平均線とのカイリ率は16日に一時6.7%に達している。要警戒であるが、雀の踊り場を経ての上昇だけに、このまま素直に史上最高値を更新する可能性が高いとみている。むしろ、このときメディアの報道が過熱すると高値警戒感が強まり、下落に転じることもあり得る。

 昨今、政治資金問題やGDPの世界4位転落といった暗い話題が多いだけに、株価の歴史的高値突破は格好のニュースとなりやすい。最高値更新に身構えるメディアだけでなく、政府・自民党もこのニュースを最大限に利用することだろう。

 急騰する株式市場に対してはバブル論も浮上している。だが、バブル(泡)は弾けて初めてバブルであると判断される。弾けなければバブルとはいえない。したがって、いまは誰も答えを持ち合わせていない状況なのだ。

 平成バブルのとき、現在の植田和男日銀総裁は東京大学の経済学部助教授であった。当時の植田氏が日本経済新聞の取材に答えている。「最近の株高はいつ崩壊してもおかしくない」と。けだし名言であるが、泡が弾けたのはそれから半年後である。実に泡の弾ける時期を予想するのは難しいのだ。

●バブル相場とブラックマンデーが残した教訓

 ところで、平成バブル高値へと駆け上がっていく途上において大きな暴落があった。1987年10月のブラックマンデーである。日経平均株価は1日で14%も急落している。いまなら単純に当てはめると5000~6000円の下げ幅となる。まさにちゃぶ台返しである。この暴落を乗り越えて上昇していく過程で、物色される銘柄、買い手が大きく変化したことを忘れないでほしい。大型株の上昇、個人投資家から大企業・機関投資家の手に市場は委ねられることになったのだ。筆者は今後、こうした洗礼を受けるとみている。

 そういう意味で、テック株の去就、買い手の変化には目配りが必要である。特に米国で大人気の「MnM」、つまりマイクロソフト<MSFT>、エヌビディア<NVDA>、メタ・プラットフォームズ<META>の動きは要注目であろう。

 逆に言えば、そうした急落があるまでは、テック株主流の展開が続く。結果として東京市場でもテック株の人気が維持されるのではないか。

 さて、史上最高値更新を前に物色対象はどうみたらよいだろうか。

 まずは金融から三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]を筆頭に、第一生命ホールディングス <8750> [東証P]だ。次いで電力・ガスから東京電力ホールディングス <9501> [東証P]。さらにインバウンド需要の拡大で三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]。また、このところ急上昇をみせている機械から三菱化工機 <6331> [東証P]。このほか、人気再燃を期待して川崎汽船 <9107> [東証P]にも注目したい。

 そして、依然として静かではあるが、いつでも飛び出しそうなのが不動産株だ。なかで東急 <9005> [東証P]だ。渋谷の変貌ぶりには目を瞠るものがある。

 世界で静かに増え続ける防衛費を考えると防衛関連株も無視できない。三菱重工業 <7011> [東証P]、三菱電機 <6503> [東証P]の押し目は妙味大だ。数少ないテック株はやはりアドバンテスト <6857> [東証P]に絞ってよさそうだ。

2024年2月16日 記

株探ニュース

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