CAICAD Research Memo(4):ブロックチェーン技術者集団として、高度な技術とノウハウに強みを有する
■CAICA DIGITAL<2315>の企業特長
・高度な技術とノウハウに強み
金融業界をはじめ、流通・小売業、情報通信業等でシステムを構築し、高品質なサービスを提供してきた実績を基に、その業務経験を通じて蓄積してきた高度な技術やノウハウに強みを持つ。特に、金融機関向けインターネットバンキングなどの金融戦略支援システム、流通・小売向けのインターネットを利用した購買調達システムやネットワーク監視システム、情報サービス向けの各種業務パッケージソフトの開発など、システムダウンの許されない大規模かつ高レスポンスが要求される情報処理システムを手掛けてきた。これらのシステム構築には、高い信頼性と耐障害性、高トランザクションの処理能力とともに、機能障害発生時の迅速な復旧を保証する機能が要求され、高度なシステム構築技術が必要となる。同社が長い間、この分野で実績を積み上げ、高い受注継続率を誇っているのは、参入障壁の高さと同社の実力を示すものとして評価することができる。また、暗号資産関連システムにおいても、セキュリティ機能はもちろん、高い処理速度などが求められており、同社にとっては大きなアドバンテージとなっている。
・独自のオフショア開発体制
同社は、高い技術力とコストパフォーマンスの優れたサービスを提供するため、海外の現地のパートナー企業と連携し、日本と海外で各開発工程における最適な分業体制を実現している。特に、同社のオフショア開発は、高い品質をはじめ、その動員力の高さによって案件ごとに柔軟に最適な体制を提供できるところに特長があり、長年業界から高い評価を受けてきた。
・ブロックチェーン技術者集団を形成
FinTech分野はもちろん、様々な社会インフラでの活用が期待されているブロックチェーン技術については、同社独自のe ラーニング教材をクシムと共同制作し、同社グループ全技術者(349名)をブロックチェーン技術者に育成中である。
・カイカコイン(CICC)の活用
カイカコインとは、同社が発行した暗号資産であり、国内の「Zaif」と海外の暗号資産交換所に上場している。同社はカイカコインを3億CICC(2023年12月17日時点の時価総額は約14.4億円)発行しており、そのうち約42%を自社保有している(簿外資産であるため資産計上はされていない)。同社では、これまで株主への優待として進呈するなど、カイカコインの用途拡大を図ってきた。その一環として、2023年3月6日にはOasys※1とパートナーシップ契約を締結し、「CAICA Verse」※2を立ち上げた。「CAICA Verse」では、同社が発行したトークンであるカイカコインを活用してブロックチェーンゲームを楽しむことができる予定となっている。カイカコインホルダーがブロックチェーンゲームに参加することで新規ユーザーの増加を見込むとともに、「Zaif」にてカイカコインを売却することでシームレスな現金化を可能とする予定である。今後も、カイカコインプロジェクトの推進や他社との連携を通じて、サービスの拡充、保有者の拡大、流通の促進に取り組み、「Zaif」の活性化や暗号資産関連ビジネスの拡大に利用していく考えである。
※1 「Blockchain for Games」をコンセプトとするゲームに特化したブロックチェーンプロジェクトである。チェーン運用主体は(株)バンダイナムコ研究所などの大手ゲーム会社やWeb3企業計21社で構成されている。
※2 「CAICA Verse」は、ゲーム運営企業にとって、独自のトークンを発行することなく、ブロックチェーンゲームを運営することができる革新的なビジネスモデルとなっている。
・Web3事業における圧倒的なポジション
注力するWeb3事業については、Web3事業開発及びスタートアップ支援の専門企業として、同社グループにしかできない市場ポジションを目指している。すなわち、ブロックチェーンコンサルティング及び暗号資産交換所運営を通じた知見やノウハウに加え、上場企業ならではのコンプライアンスプログラムなどを通じて、コンプライアンス、事業開発、資金調達、マーケットメイキング、トークン上場支援など、Web3事業者として必要な要素をすべてそろえているところがほかにない強みとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《HH》
提供:フィスコ