貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9613 NTTデータグループ

東証P
2,884.5円
前日比
+77.0
+2.74%
PTS
2,872.9円
19:38 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
29.5 2.34 0.87 2.43
時価総額 4455億円
比較される銘柄
野村総研, 
ビプロジー, 
NTT

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富田隆弥のチャート倶楽部2024スペシャル <新春特別企画>


「チャート妙味株を待ち伏せる」

 新年「辰年」相場は、1989年に付けた史上最高値「3万8957円」に挑戦することが期待される。日経平均株価は23年6月高値の3万3772円から半年にわたってレンジ相場を続けており、チャート的には高値期日も明けたことで、「二段上げ」へいつ動きだすかが焦点となる。

 新NISA(少額投資非課税制度)が始まることもあり、株式市場は新春から堅調に推移してもおかしくない。とはいえ、地政学リスク、選挙イヤー(台湾・米国など)、国内政治の混乱、為替変動、日銀のマイナス金利解除観測など懸念要因も多い。過去最高値を更新し続けるNYダウ(米国株)の動向からも目は離せず、相場は折に触れ調整を挟むことを想定しておかねばならない。

 いまの日本市場の特徴としては、(1)ETF(上場投資信託)やファンドを通じて個別株に資金が流れるという構図があり、日経225や同400採用の大型主力株が物色されやすい、(2)外国人投資家と先物の動向に左右されやすい、(3)テーマ的には「AI(人工知能)」「半導体」が中心にあり、好業績銘柄のほかEV(電気自動車)防衛関連中国関連、TOB・MBOなどの材料・テーマで個別株が散発的に動く――などが挙げられる。個別物色ではこれらを頭に入れて対応することになる。

 さて注目株だが、ここでは主力株と低位株からチャート妙味がある銘柄を紹介する。「調整を入れている」「出遅れている」「安値圏にある」銘柄を待ち伏せして臨むため、動き出すのに時間はかかるかもしれないが、じっくり確実にリターンを得たい。それが投資の基本でもある。

【2024年の妙味株】

◆NTT <9432> [東証P] 時価171.6円
NTTグループの持ち株会社で傘下にNTTドコモ、NTTデータ <9613> [東証P] など有力企業を多数擁する。6G時代を睨み次世代通信を支えるICTインフラ構想「IOWN(アイオン)」を掲げる。業績は安定成長を続け、24年3月期連結営業利益は3期連続で最高益を更新し、13期連続の増配(年5円配)を見込む。膨大な保有地を有するほか、政府が検討している「NTT法改正」も新年のポイントとなる。同社は23年7月に1対25の株式分割を実施。株価は分割前の4400円台から170円前後と個人投資家が購入しやすい水準となり、新NISAにより生まれる需要も少なくないと思われる。チャートは23年9月27日の高値183.4円から3カ月間の調整を経過。160円台に控える200日移動平均線や52週線が意識されて切り返しに転じる展開を想定する。

◆野村ホールディングス <8604> [東証P] 時価636.2円
国内証券最大手。24年3月期の業績予想は非開示だが、第2四半期累計(4-9月)の連結税引き前利益は前年同期比2.4倍と好調で、通期もV字回復が期待される。市場予想の今期配当は年20~27円(前期17円)。1株純資産は1092.03円でPBR(株価純資産倍率)は0.58倍と出遅れている。同業の大和証券グループ本社 <8601> [東証P]は昨年10月末に自社株買いを発表し、株価は995円まで上昇して一時PBR1倍を回復した。同社も新春に何かしらの還元策(自社株買い、増配など)を打ち出し、PBR1倍を目指す展開が想定される。「新NISA好発進」といったニュースが流れれば株価の追い風となろう。「辰年」の上昇相場を想定するのなら、証券トップに注目するのは王道でもある。23年9月20日に年初来高値661円を付けた後、3カ月間の調整を入れており、待ち伏せ妙味大とみる。

◆さくらインターネット <3778> [東証P] 時価2049円
23年6月、 生成AI向けクラウドサービスの提供に向けて経産省の資金支援を受けると発表。同事業への米半導体大手エヌビディア<NVDA>によるGPU(画像処理半導体)供給も明らかとなった。そして11月28日、河野デジタル大臣が政府・自治体クラウド提供業者として同社を選定したと発表。12月4日にはエヌビディアのファンCEO(最高経営責任者)が岸田首相と会談して、生成AI開発とGPU提供で協力の意志を示し、面会後の記者会見では提携先として同社などを挙げた。これらがカタリストとなり、株価は12月7日に2353円まで上昇し、およそ8年ぶりに上場来高値を更新した。政府は半導体の国産化に舵を切り、国の支援のもとラピダスが新工場を北海道千歳市で建設中だが、同社も北海道でデータセンターを拡充中であり、「国策銘柄」とも位置付けられる。12月高値から現在3週間ほど調整しており、次の上昇に備えて待ち伏せたい。

◆円谷フィールズホールディングス <2767> [東証P] 時価1242円
株価は23年8月8日の年初来高値3380円から12月6日安値の1070円まで下げ、下落率は68%と相場格言の「半値八掛二割引き」に達した。業績が悪いわけではなく、8月までの上昇で期待が過度に膨らんだ分、その「反動安」が長引いているといえる。ただ、ここまでくると下げ過ぎであり、1100円前後の値固めを経てのリバウンドに期待が膨らむ。ウルトラマン関連のコンテンツ&デジタル事業は好調で、中国でも売上を倍増させている。24年3月期第2四半期から持分法適用となったダイコク電機 <6430> [東証P]も収益に寄与し、売上高と最終利益は過去最高更新を見込む。PERは9.6倍で、期末一括配当30円を予定するが、増額に動くことも想定される。

【その他・低位妙味株】

◆ラインヤフー <4689> [東証P] 時価494.2円
傘下にヤフー、LINE、ZOZO <3092> [東証P]、PayPayなど。24年3月通期の利益見通しは非開示だが、第2四半期累計(4-9月)の連結最終利益は前年同期比2.3倍で着地しており、通期過去最高益の大幅更新が期待される。株価は300円台の底値固めを終えて浮上に転じたところ。21年11月に839円の高値があり、押し目買い基調が続くと思われる。

◆オーイズミ <6428> [東証S] 時価430円
24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比80.4%増の8.9億円と好着地。通期計画(10.5億円)に対する進捗率は85%に達し、上方修正は必至の状況だ。東証プライムからスタンダード市場への変更(23年10月)もあって、株価は5月に付けた年初来高値598円から10月安値の351円まで下げたが、底打ち感が漂う。PBRは0.52倍と割安感が強く待ち伏せ妙味は大きい。

◆シライ電子 <6658> [東証S] 時価506円
プリント配線基板専業。23年9月に第三者割当による新株予約権の発行(16.7億円規模)を発表したこともあり、株価は3月に付けた年初来高値888円から調整し足もとは500円前後で推移している。しかし、製造ラインの更新など前向きのファイナンスは評価すべきだ。24年3月期業績は減益予想ながらも高水準を維持し、EPS(1株利益)は112.6円、配当は19円を計画。新年は見直しの年になる。

◆オーバル <7727> [東証S] 時価483円
流体計測機器最大手で半導体、EV電池、化学向けに需要は堅調。23年8月に24年3月期の配当増額(前期9円→今期14円)と、中期経営計画の上方修正(最終年度の25年3月期連結経常利益を当初計画7億円から14億円に)を発表。株価は22年7月に420円前後から窓を空けて947円まで急騰したが、その後は400円台後半でもみ合いが続く。PBR0.75倍、利回り2.9%で、新年に浮上を試す公算大とみる。

(2023年12月27日 記、時価も27日時点、次回更新は2024年1月12日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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