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3967 エルテス

東証G
812円
前日比
+10
+1.25%
PTS
805.9円
14:49 05/24
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
32.7 1.92
時価総額 49.3億円
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エルテス Research Memo(1):2024年2月期上期は大幅な増収ながら、積極的な先行投資により営業損失を計上


■要約

エルテス<3967>は、「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在になること」をビジョンに掲げ、リスク検知に特化したビッグデータ解析技術をもとに、企業を中心としたあらゆる組織が晒されるリスクを解決するためのソリューションを提供している。主力である「デジタルリスク事業」は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するリスクを扱うソーシャルリスク領域と、社内のログデータなどを分析し情報漏えいといったリスクを検知するインターナルリスク領域から構成されている。デジタル社会の進展とともに様々なリスク(従業員による不適切投稿等に伴う風評被害やネット炎上等)が顕在化するなか、同社は顧客のリスクマネジメントをワンストップで支援する独自のポジショニングにより成長を実現してきた。最近では、営業機密情報の持ち出し対策や政府が進める経済安全保障対策が追い風となり、インターナルリスク領域の「内部脅威検知サービス」が順調に伸びている。

新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を契機とする新たな事業機会の出現やデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の動きが加速するなかで、2021年2月期から主力の「デジタルリスク事業」に加え、「AIセキュリティ事業」及び「DX推進事業」を新たな事業セグメントとしてスタートした。3つの事業による変革を進め、デジタル技術を軸とするユニークな事業基盤を確立する方針である。

1. 2024年2月期上期決算の概要
2024年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比60.0%増の2,960百万円、営業損失が16百万円(前年同期は22百万円の利益)と大幅な増収ながら積極的な先行投資により営業損失となった。ただ、重視するEBITDA※については、前年同期比92.9%増の167百万円に大きく増加している。売上高は、好調な受注環境の下、M&A効果や各事業の底上げにより、デジタルリスク事業、AIセキュリティ事業、DX推進事業の3事業がそれぞれ順調に拡大した。利益面では、サービスの開発や提供体制への先行投資(人材獲得等)等により営業損失を計上したが、同社の場合、上期に投資を先行させ、下期で収益を高めるビジネスモデルであることから、想定どおりの進捗と言える。活動面では、新たなM&Aの実現による成長基盤の構築やデジタルガバメント領域での事業推進など、今後に向けて前進できた。

※税引前当期純利益+支払利息+減価償却費及び償却費にて算出。


2. 2024年2月期の業績予想
2024年2月期の連結業績について、期初予想を据え置き、売上高を前期比28.1%増の6,000百万円、営業利益を同48.1%増の300百万円と増収増益を見込むとともに、EBITDAも同34.3%増の600百万円に増加する見通しである。M&A先のPMIを含む、既存事業の営業・マ-ケティング強化がけん引役となり、3つの事業がそれぞれ伸長する想定である。利益面でも、今後の成長を見据えた人材投資を継続しながらも、増収効果や利益体質への転換強化により過去最高益を更新する。2025年2月期からスタートする中期経営計画(第2フェーズ)に向け、グループ管理体制の強化と優秀な人材確保及び育成のための投資に注力し、「変革と基盤構築」の総仕上げに取り組む方針である。

3. 成長戦略
2022年2月期より中期経営計画「The Road To 2024」を推進し、最終年度を迎えている。コロナ禍をきっかけにDXの動きが加速するなかで、新たな事業機会を取り込むために、AIセキュリティ事業及びDX推進事業を本格的に立ち上げ、事業構造の変革を進めていくことが最大のテーマとなっている。これまで主戦場としてきたSNS炎上対策というニッチな成長領域に加え、「デジタルガバメント関連」や「警備業界」など、成長率が高い領域、もしくは市場規模が大きい領域へ展開し、ユニークな事業基盤を構築する方向性である。3年×3期による9年の中長期を視野に入れており、第1フェーズの3年間は「変革と基盤構築」に取り組み、第2フェーズ以降での「加速度的な成長サイクルの実現」を目指している。また、成長の先に健全なデジタル社会の実現を見据え、メタバース×スマートシティによる独自の「メタシティ構想(リアルとデジタルが融合した都市計画)」を推し進める考えだ。

■Key Points
・2024年2月期上期は大幅増収となるも、積極的な先行投資により営業損失を計上
・活動面では、新たなM&Aの実現やデジタルガバメント領域での事業推進などで前進を果たす
・2024年2月期の業績予想を据え置き、既存事業の営業・マーケティング強化により増収増益(過去最高業績の更新)を見込む
・中期経営計画では、成長加速に向けて「変革と基盤強化」に取り組むとともに、独自の「メタシティ構想」を推し進める方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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