エヌリンクス Research Memo(6):住宅仲介「イエプラ」とゲーム攻略サイト「アルテマ」など、事業領域を拡大中
■エヌリンクス<6578>の事業概要
2. メディア事業
メディア事業は、賃貸住宅仲介関連の「イエプラ」、デジタルメディアである不動産及び地域情報サイト「イエプラコラム」、ゲーム攻略サイト「アルテマ」、マッチングアプリ情報サイト「マッチングアプリPlus」「マッチライフ」、転職者向け情報サイト「キャリハイ転職」等から構成されており、2023年8月末時点で29メディアを運営している。過去は「イエプラ」と「アルテマ」の2つで売上高の大半が構成されていたが、事業領域を徐々に拡大させているのが特徴である。事業領域としてはゲーム、不動産、出会い、ライフライン、人材、Web3、インフルエンサープラットフォームなどに展開しており、100名を超えるライターやディレクターの内製化、月間1.8億PVのメディア運営経験の横展開、広告運用ノウハウ転用によるマネタイズ強化などに強みを有している。
(1) ゲーム領域(アルテマ)
ゲーム攻略サイトの「アルテマ」は、スマートフォンゲーム及びコンシューマーゲームの攻略サイトである。メディアとしての価値を向上させるために、ゲーム攻略だけに留まらずゲームの紹介もするなど充実を図っている。収益獲得のためのビジネスモデルは、主に広告主または広告代理店に対して、アドネットワーク等を利用した「ネットワーク広告」、または、広告枠を販売すること等で収益を得ている「タイアップ広告」の2つに分けられる。当初はネットワーク広告のみで成長していたため、月間平均PV数が重要な経営上のKPIとなっていたが、モバイルゲームが鈍化するなかでネットワーク広告だけでは戦えないため、同社としてはタイアップ広告にも力を入れている。
(2) 不動産領域(イエプラコラム/イエプラ)
「イエプラ」は部屋探しから契約までオンラインで完結できる賃貸サイトで、チャットで希望条件を伝えるだけで担当の営業マンが条件に合う物件を提案する仕組みとなっている。「イエプラ」のビジネスにおいては、まず部屋探しのノウハウをまとめたポータルサイト「イエプラコラム」を集客サイトとして運営し、そこでイエプラを紹介することによって広告費をかけずに「イエプラ」のサイトへ潜在顧客を誘導している。一方、仲介店舗として「家AGENT」を展開しており、池袋、大阪、名古屋の3店舗を構えている。「イエプラ」はチャットによって部屋を探す人の相談に応えるサイトであり、これを通じて「家AGENT」に送客するか、提携する不動産会社の物件を紹介し、その不動産会社から紹介料を受け取る仕組みである。「家AGENT」は入居者から仲介手数料を受け取るとともに入居者を募集する不動産管理会社からも広告料を徴収している。すなわち、「イエプラコラム」「イエプラ」「家AGENT」を通じた一連の不動産領域のビジネスにおいて、「家AGENT」までを一体とした賃貸契約の成約により仲介手数料を受け取るビジネスモデルに近いと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
《SO》
提供:フィスコ