三栄コーポ Research Memo(6):2024年3月期は各利益を大幅に上方修正
■今後の見通し
三栄コーポレーション<8119>の2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比9.5%減の35,000百万円、営業利益が前期比97.4%増の470百万円、経常利益が前期比131.8%増の600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が300百万円(前期は158百万円の損失)と、期初より各利益の予想を大幅に上方修正した。2024年3月期は新中期経営戦略「SANYEI 2025」の初年度であり、同社は基礎固めの年と位置付けている。
売上面では、上期の減収を踏まえ期初計画を1,000百万円下方修正した。アフターコロナ期に入り需要の回復が見られるものの、商品カテゴリーや地域によっては需要の減退も見込まれる。家具家庭用品事業では、巣ごもり需要の反動減や欧州市場の景気低迷が減収予想の前提である。服飾雑貨事業では、外出・トラベル需要が第3四半期以降一段落することやブランド販売子会社での事業再編が途上にあることを見込んでいる。第2四半期を終えた段階での売上高進捗率は48.7%である。利益面では、営業利益は350百万円、経常利益は400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は270百万円と大幅に上方修正した。主力の家具家庭用品事業で減益となるものの、ほかの事業セグメントで構造改革・体質改善の成果が顕在化することで増益を達成する予想である。増益をけん引する服飾雑貨事業では、子会社L&Sコーポレーションの構造改革が進展し、セグメント利益の改善を見込んでいる。家電事業では、調理家電や理美容家電での新商品の導入により平均単価の上昇が見込まれる。
弊社では、下期単独での売上高予想17,951百万円、営業利益予想10百万円は、前年同期から減収減益予想であり、やや保守的であると考えている。家具家庭用品カテゴリーにおける巣ごもり需要の動向や「BIRKENSTOCK」ブランドのセレクトショップへの転換の成否等が短期的な注目ポイントになると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《SI》
提供:フィスコ