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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9533 東邦ガス

東証P
3,851円
前日比
+7
+0.18%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.8 0.86 2.08 1.56
時価総額 4,053億円
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USENNEX Research Memo(8):「U-NEXT」ユーザー数が急拡大、「U-POWER」も急成長(2)


■USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の業績動向

(3) 通信事業
法人向けのICT環境構築において、オフィスで働く従業員のため音楽配信サービスも併せて提案するなど、企業ごとのニーズにマッチしたICT環境をワンストップで提供できる体制作りに取り組んだ。クラウドサービス(SaaSサービス)においては、働き方の多様化が進むなかでの社内コミュニケーションの課題解決や業務効率化・省人化といった働き方のサポートを、導入後のきめ細やかな対応までを考慮しながら提案した。個人向けでは、リモートワークや音楽・動画配信などに適した環境への整備に対するニーズが引き続き強かった。

アフターコロナの環境において強みである営業力を発揮できたため、個人向けは減収となったが、法人向けで通信回線、ネットワーク、セキュリティサービスなど新規獲得活動が引き続き堅調に推移した。自社光回線「USEN光plus」では新規獲得が安定的に増加しており、引き続きワンショット型の手数料獲得モデルからランニング収益獲得モデルへシフトしており、縮小を見込んでいた回線取次でも需要の増加を捉えられた。さらに、東邦ガス<9533>と戦略的パートナーシップを締結し、東邦ガス会員サイトの加入者に対して高速で安定性の高いインターネット接続環境の提供を開始した。この結果2ケタ増収増益となり、期初計画との比較でも、手数料収入が下がる前提の回線取次が想定外に順調で、売上高、営業利益ともに超過達成となった。

(4) 業務用システム事業
コロナの感染症法上の分類が5類へ移行したことでようやく、レジャーホテルやゴルフ場にも投資拡大の機運が高まってきた。国内旅行の活況、訪日外国人の復調により宿泊客が増加しているホテルには、人手不足による省人化・省力化などの課題に積極対応した営業を展開した。買い控えが続いていた新紙幣対応機器に関しては、2024年7月に新紙幣が発行開始となることが政府により正式に公表されたことで、レジャーホテルを中心に多くの施設で入れ替えや新規導入のニーズが顕在化し、第4四半期に入って大きく売上を伸ばした(2024年8月期に向けて買い替え特需は続く見込み)。自動精算機などによる省人化・省力化が定着しつつあるゴルフ場などの施設に対して販売を強化し、特にゴルフ場向けに、AI技術でプレイヤーに追従走行してゴルフバッグや荷物を搬送する、日本初のパーソナルキャディロボット「Hello Caddy」の販売を開始した。

病院・クリニックでは、受付窓口の人手不足や働き方改革、非対面での受付対応、省スペースといったニーズに対し、支払い方法の多様化と省人化に対応した新型の小型セルフレジの販売を開始した。また、JA三井リース(株)との協業により、病院・クリニックのDX推進をワンストップで支援するサービスを開始した。オンライン資格確認に対応した顔認証付きカードリーダー「Sma-paマイナタッチ」については、2023年4月のオンライン資格確認導入原則義務化に向けて引き続き導入に取り組んだが、マイナカードのシステム不具合などを背景に一部猶予期間が設けられたことなどから、導入ピッチは鈍った。

売上面では、前期にあった補助金特需の反動減及び第3四半期までの新紙幣対応機器の買い控えにより第3四半期まで減収となったが、第4四半期に発生した新紙幣対応の自動精算機特需でカバー、通期で増収を確保した。一方利益面では、第4四半期のみでは新紙幣対応特需で大幅増益となったが、第3四半期までの買い控えに加え、マイナカードのシステム不具合による「Sma-paマイナタッチ」導入遅延で受注が計画の半分強にとどまったため減益となった。期初計画との比較では、新紙幣対応機器の買い控えにより、売上高、営業利益ともに未達となった。

(5) エネルギー事業
コロナの感染症法上の分類が5類へ移行したことで社会経済活動が活発化し、店舗・施設などの電気消費量がコロナ禍前の状況に回復してきた。加えて夏の記録的な猛暑もあって、電力の消費量が拡大した。「USENでんき(高圧)」では電気料金の高騰により一定の解約が続いているが、調達電源最適化のために始めた「U-POWER(高圧)」でそうした顧客の受け皿となるメニューを提案して加入促進を図り、また「U-POWER(低圧)」で代理店チャネルでの拡販を続けた結果、顧客数は順調に増加した。調達電源最適化策により同社の電源調達コストが低下基調にあるなか、大手電力会社で新たな料金メニュー(標準メニュー)への見直しが行われたことで規制料金の値上げが認可されたため、同社にとって採算を確保しやすい状況となった。この結果大幅な増収増益となり、期初計画との比較でも売上高、営業利益ともに大幅な過達となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SO》

 提供:フィスコ

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