USENNEX Research Memo(6):2ケタ増収増益、7期連続で過去最高更新
■USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の業績動向
1. 2023年8月期の業績動向
2023年8月期は、売上高で276,344百万円(前期比16.1%増)、営業利益で21,565百万円(同24.5%増)、経常利益で20,386百万円(同25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で10,959百万円(同26.2%増)と2ケタ増収増益を達成し、また、期初予想に対しては売上高で29,344百万円、営業利益で3,165百万円の超過達成となるなど、非常に好調な業績だった。2017年の経営統合後、売上高、営業利益ともに7期連続で過去最高を更新し、高い成長力と収益性を背景に借入条件の緩和や自己資本比率の向上など財務体質の改善も進んだ。また、2023年8月期単年度でも、2023年3月にM&AしたParaviを運営する(株)プレミアム・プラットフォーム・ジャパンの経営統合がスムーズに進行、業態の進化を進めたエネルギー事業は大幅に収益が改善し、2022年2月に策定したばかりの中期経営計画のベースケースにほぼ到達するなど、様々な面で大きな成果があったと言える。
日本経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が、感染症法上の分類において2類相当から5類に移行したことで、脱コロナに向けて大きく前進している。このため、インバウンドや様々なイベントが復活し、国内旅行者、外国人旅行者ともに増加し、業務店の営業や施設の稼働が正常化するなど、明るい兆しが見えてきた。しかし円安が進行するなか、人件費、原材料費、運送費や光熱費など様々なモノの高騰が続き、人手不足が引き続き深刻な状況にあることから、同社の顧客を取り巻く事業環境は一層不透明な状況となっている。このような状況下で同社は、「未来を今に近づける“ソーシャルDX”カンパニー」をパーパスに、事業活動を通して社会のニーズや課題にワンストップで対応、業務店やサービス利用者をサポートするための取り組みに注力した。また、各セグメントにおいてグループ内のリソースを活用することでアフターコロナにおける顧客の様々なニーズや課題に対応した商品・サービスを提供し、スローガンである「必要とされる次へ。」を実践した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ