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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6183 ベル24HD

東証P
1,302円
前日比
+18
+1.40%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.0 1.42 4.61 16.55
時価総額 960億円

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ベルシス24 Research Memo(8):3つの重点施策を推進(1)


■中期経営計画

2. 3つの重点施策
ベルシステム24ホールディングス<6183>は中期経営計画における具体的戦略として、(1) 人材:総力4万人の最大活躍、(2) 型化:データ活用の高度化、(3) 共創:NEW BPO領域開拓、の3つを計画達成のための定性面での重点施策として掲げている。

(1) 人材:総力4万人の最大活躍
第1の重点施策として、海外も含めると4万人に達するグループ従業員が最大限に活躍できるように、成長機会の仕組み化と働く環境の次世代化を図る。そのために、完全在宅オペレーションへの進化と拡張、JOBマッチングによる個の能力最大化、全方位に多様で柔軟な働き方改革の促進などに取り組む。

具体的な取り組みの1つは、完全在宅オペレーションの推進だ。我が国では少子高齢化の進行により労働人口が減少傾向にあり、今後も労働者の確保が重要である。子育て中の主婦であっても完全在宅オペレーションによって、外出不要でライフワークバランスの充実が可能となり、同社にとっても優秀な人材の確保や人手不足の解消につながる。場所や時間の制約を超えて「お互い」が多様性と効率化を最適にする職場にすることで、在宅席数の3,000席から10,000席への増席を目指す。同社では、目標とする在宅席数の達成により、約7億円の増収効果があると見込んでいる。

今後も業容拡大を目指す同社にとっては、オペレーターの確保は重要課題の1つである。最近の技術進歩により、顧客へのサポート業務をコールセンター拠点以外の場所でも提供できるようになった。地方に住む人や、育児・介護と仕事を両立させたいといった時間や場所の制約がある人でも、コールセンター拠点に勤めるオペレーターと同レベルの業務が可能になっている。またコロナ禍をきっかけに、在宅勤務を希望するオペレーターが増えている。在宅コンタクトセンターは人材の確保と、どういう状況下でもセンターをクローズさせないというBCP対応を両立させるものである。同社の計画は、どのような非常時においても、社会インフラとしての役割を果たしたいとの考えに基づくものと言えるだろう。

もう1つの取り組みは、適性と仕事のマッチング強化である。同社の採用活動では、年間約3,000件に上る個別業務に合わせた採用を行っていることから、高度化する業務内容と応募者とのマッチングの難度が上がることなどにより、採用数の頭打ちが課題となっていた。そこで人材のパフォーマンスを最大化するAI設計と運用の先駆的企業である(株)DUMSCOと共同開発したAI予測モデルを活用し、最適なヒトと業務のマッチングを行う「業務マッチング型採用モデル」を構築した。このモデルによって、応募者と複数業務とのマッチングが可能となった。一部拠点での実証実験で、目標とする採用数増加、採用効率化(採用確度が増し、内定日数も短縮など)を達成できたため、全社規模での運用を開始する。この取り組みによって、長く働き続ける人材の発見、成果が出る業務配置の発見、感情による離職予兆の発見につなげ、採用効率化に加え、最適なJOBマッチングや離職防止を強化する。同社では採用の効率化によるコスト削減や、退職率の5~10%の低下を期待している。同社では、JOBマッチングの本格導入に伴い、中期経営計画の最終年度には約8億円の増収効果があると見込んでいる。

(2) 型化:データ活用の高度化
第2の重点施策として、CX業務の深化を目指す。CX業務とは、Customer eXperience(すべての顧客体験に関わるデータ)を活用して新たな価値提供を実現するものであり、型化によって幅広い業務への展開を目指す。顧客属性、Web行動、購入履歴、業務実績、対応手順、解決FAQなど、同社が業務を通じて蓄積した膨大なデータを活用することで、クライアントには事業成長への貢献や業務プロセスの最適化、生活者には顧客体験の向上や多様なニーズに合う対応、社員には働く喜びや誰もが活躍する仕組みの実現が可能となる。

CX領域においては、既存のコンタクトセンター業務の高度化に加え、IT利活用、経営支援につながる業務改善へとCXを深化させる。現状では、コンタクトセンターの型化による生活者への価値提供や、人材マネジメントの型化によるクライアントの業務改善など、音声データ活用の高度化が実現している。今後は、顧客反応に最適化したIT導入、すなわちデジタルCXコンサルとして、IT利活用によってCX領域でのシステム活用の型化を進めることで、運用を見据えて最適なシステム提案を行う。最新のITツールを適切にコーディネートすることで、生活者のリアクションと働く人の安定稼働を想定したFit To Standardなシステム導入による実効性の高い運用によって、CX視点のシステム最適化提案を目指す。これは、同社が現場に精通しているからこそ推進できる戦略であると言える。また、顧客業務の改善に貢献するDXダイレクトセンターを実現し、CX活用での業績改善を型化することでクライアントの経営支援に役立てる計画だ。具体的には、VOC(Voice of Customer:対応中に得られる顧客からの声)分析による生活者への価値提供とクライアントへの経営貢献を同時に実現するもので、ユーザー反応を科学的に分析し、デジタルと運用の高度な融合によって顧客獲得効率をアップさせるものだ。既に保険会社を対象に大きな成果を出しており、こうした対応事例を手本にスキルアップをして、他業界にも拡大する。CXデータによって有人での成果を汎用ナレッジ化し、同社の強みである「人にしかできない寄り添う対応」とITによる「自動化」のハイブリッド運用によって、顧客が感動するCXを実現する計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《SO》

 提供:フィスコ

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