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2485 ティア

東証S
434円
前日比
+1
+0.23%
PTS
433.2円
14:25 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.4 1.19 4.61 17.32
時価総額 97.7億円
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ティア Research Memo(1):M&A戦略が本格的にスタート、全国展開に向け動き出す


■要約

ティア<2485>は、葬儀会館「ティア」を中部、関西、首都圏で展開しており、2023年9月期末の店舗数はFC(フランチャイズ)も含めて153店舗(直営店89店舗(直営会館79店舗、葬儀相談サロン10店舗)、FC店64店舗)となっている。「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱し、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」をスローガンに、「徹底した人財教育によるサービスの向上」を実践することで成長を続けてきた。取扱葬儀件数の市場シェアは全国で約4%(FC含む)だが、主戦場の名古屋市内は約26%でトップシェアとなっている。

1. 2023年9月期の業績概要
2023年9月期の連結業績は、売上高で前期比5.9%増の14,068百万円、経常利益で同8.1%増の1,132百万円と3期連続の増収増益となり、売上高は過去最高を更新した。直営既存店の葬儀件数は前期に大きく伸びた反動で同0.4%減と弱含んだが、直営既存店の葬儀単価が同2.6%増と上昇に転じたほか、新店稼働による増収効果526百万円が主な増収要因となった。新規出店は直営8店、FC7店の合計15店で、リロケーションによる2店の閉店により、期末店舗数は13店増加の153店舗となった。利益面では、人件費や広告宣伝費が増加したものの、増収効果や業務の内製化が進んだことで売上原価率が同1.4ポイント低減し増益要因となった。なお、新規事業として前期から着手したトータル・ライフ・デザイン事業(以下、TLD事業)※の売上高は362百万円と順調に増加した。

※「ティアの会」会員及び提携団体向けに葬儀以外の周辺サービスを展開すべく、生活の困り事を解決する生活関連サービスや、葬儀の事前準備段階におけるサービスとなる樹木想(樹木葬及び共同墓地の区画販売)事業、葬儀の際に必要となる宗教者紹介サービス、エンバーミングのほか、葬儀後のサービスとして相続・不動産支援サービスなどに取り組んでいる。


2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の連結業績は、売上高で前期比8.2%増の15,220百万円、経常利益で同4.2%増の1,180百万円を見込んでいる。ただし、同社は2023年11月に(株)八光殿及び他関連会社を傘下におさめる(株)NSSK-VV3と、(株)東海典礼及び他関連会社を傘下におさめる(株)NSSK-TTの全株式を7,304百万円で取得し子会社化しており、この影響額については精査中のため今回の業績計画には織り込んでいない。既存事業ベースでの業績計画の前提としては、直営既存店の売上高で前期比821百万円の増収(件数で4.9%増、葬儀単価で2.2%増)、新規出店の稼働で492百万円の増収、不動産関連・樹木想の販売増で187百万円を見込み、リロケーションによる閉鎖等を含めたその他の減収を吸収する。利益面では、前下期に実施した料金プランの見直しによる効果、及び業務の内製化による売上原価率の低減により、人件費や広告宣伝費、新規事業の立ち上げ費用等を吸収して増益を見込む。なお、新規出店予定の直営店8店舗については、既に物件も確保済みとなっている。

3. M&Aによる業績への影響と今後の展開
今回、子会社化した八光殿(大阪府八尾市を中心に葬儀会館16施設を運営)と東海典礼(愛知県東三河エリアを中心に葬儀会館22施設を運営)はそれぞれ当該地域での葬儀件数シェアで5割弱と確固たる地盤を築いており、業績も安定している。それぞれの直近期における連結業績を合算すると、売上高で約43億円、営業利益で4.7億円の規模となる。純資産合計は約19億円となっており、のれんは概算で50億円台前半の水準になるものと思われる。のれんの償却期間はまだ決定していないが、仮に10年だった場合にはのれん償却額で利益が相殺される格好となる。ただし、両社とも同社の営業エリアと隣接していることから、商品の仕入や物流の共通化によるコスト低減、並びに相互のリソースを共有することによるシナジー効果は大きいと弊社では見ている。また、今回の発表は業界内での反響も少なからず大きかったようで、M&AまたはFC加盟に対する問い合わせ件数も急増したようだ。今回のM&Aが成功すれば同社が目指している「ティア」の全国展開も現実味を帯びてくるだけに、その動向が注目される。

■Key Points
・2023年9月期第3四半期は増収増益で、売上高は過去最高を更新
・2024年9月期は新規出店、コスト低減でなどで連続増収増益を目指す
・M&Aによるシナジー効果で更なる効率化を図る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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