NANO MRNA---2Q研究開発執行体制の充実を図り、複数のパイプラインの研究開発を推進
NANO MRNA<4571>は10日、2024年3月期第2四半期(23年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比1.0%減の0.91億円、営業損失が5.18億円(前年同期は6.97億円の損失)、経常損失が4.71億円(同6.00億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が4.77億円(同8.87億円の損失)となった。同社は、本年から、自社単独での臨床開発を実施しない新ビジネスモデル「mRNA創薬のIP Generator」として新たな活動を開始している。
当第2四半期においては、mRNA創薬におけるパイプラインについて、複数のインキュベートが進捗。mRNA創薬ビジネスについては、今後、製薬企業、非製薬企業及びアカデミア等との共同研究開発を推進し、パイプラインの拡充を図り、IPを創製できたものから順次、製薬企業等へライセンスアウトを進めていくとしている。
また、2つのパイプラインについては治験入りの準備が進んでいる。これらは、日本医療研究開発機構(AMED)資金の活用により実施される。
変形性膝関節症に対するmRNA組織再生薬の開発については、非臨床開発をほぼ終了し、規制当局と治験開始に向けた相談を実施している。また、脳腫瘍の中で最も悪性度が高い膠芽腫を対象とするTUG1の開発については、医師主導第I相臨床試験実施に向け、非臨床開発が完了し、現在治験開始に向けて準備が進んでいる。2023年8月には、TUG1開発の基盤となる2件の特許について、再実施許諾権(サブライセンス権)付独占的ライセンス権を獲得し、本格的な導出活動の準備が整った。
販売事業の状況について、アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシア ブライトニング イマキュレート セラム用の当社技術を応用した原材料を供給している。また、エイオンインターナショナルとの契約に基づき、PRP療法を用いた不妊治療をサポートしている。なお、同社がセオリアファーマと共同で国内第III相臨床試験を実施したコムレクス(R)耳科用液1.5%(開発コードENT103)は、2023年6月からセオリアファーマが販売を開始している。
2024年3月期通期の連結業績予想について、売上高が1.43億円、営業損失が10.42億円~13.82億円、経常損失が9.95億円~13.35億円、親会社株主に帰属する当期純損失が10.29億円~13.69億円とする期初計画を据え置いている。
《AS》
提供:フィスコ