シンバイオ製薬---3Q減収、コロナ禍に加え季節性インフルエンザの流行により継続する症例当たり薬剤使用量の減少傾向が要因
シンバイオ製薬<4582>は14日、2023年12月期第3四半期(23年1月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比39.9%減の44.21億円、営業損失が2.83億円(前年同期は15.88億円の利益)、経常損失が1.56億円(同18.43億円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が7.88億円(同15.55億円の利益)となった。
同社グループは、2020年12月に自社によるトレアキシン(R)(一般名:ベンダムスチン塩酸塩又はベンダムスチン塩酸塩水和物)の販売を開始した。地域のニーズをくみ上げることで地域のニーズに合致したきめ細かい提案を企画し、より高い生産性をもつ営業組織体制を確立するため、全国に医薬情報担当者を、さらには「ヘマトロジー・エキスパート」を地域毎に配置することで、より科学的な情報提供ができる体制を確立した。また、全国流通体制を確立するためスズケン<9987>及び東邦薬品との間で両社を総代理店とする医薬品売買に関する取引基本契約を締結、全国流通体制を構築している。物流については、エス・ディ・コラボと提携し、東日本地域と西日本地域の2拠点に物流センターを設置している。2022年2月にはトレアキシン(R)点滴静注液100mg/4mL[RTD(Ready-To-Dilute)製剤]の投与時間が10分投与を可能とするRI(RapidInfusion)投与について、一変承認を取得した。RI投与により投与時間が大幅に短縮されるため、患者及び医療従事者の負担を大幅に低減することが可能となる。また、輸液量も少なくなることから水分負荷、塩分負荷を軽減できる。RI投与については、2023年9月末時点において90%近くの医療施設で患者さんに投与が行われている。
売上高は、コロナ禍に加え季節性インフルエンザの流行により継続する症例当たり薬剤使用量の減少傾向、2022年6月に販売開始した後発医薬品のさらなる浸透、前年同期に凍結乾燥製剤(FD製剤)からRTD製剤への切替えに伴う流通在庫拡充とそれに起因する一時的な販売の上振れがあったこともあり、減収となった。販売費及び一般管理費は、研究開発費として18.23億円(前年同期比16.8%増)計上し、その他の販売費及び一般管理費との合計では37.59億円(前年同期比3.1%減)となった。これらの結果、仕入価格低減及び経費節減に努めたものの、営業損失となった。
2023年12月期通期については、同日、連結業績予想の修正を発表した。売上高が前期比35.3%減(前回予想比13.5%減)の56.03億円、営業損失が6.80億円、経常損失が5.49億円、親会社株主に帰属する当期純損失が12.91億円としている。
《SI》
提供:フィスコ