大幸薬品---3Qも2ケタ増収、医薬品事業が順調に推移
大幸薬品<4574>は10日、2023年12月期第3四半期(23年1月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比30.3%増の44.17億円、営業損失が4.44億円(前年同期は27.50億円の損失)、経常損失が5.89億円(同28.98億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が5.62億円(同31.82億円の損失)となった。
医薬品事業の売上高は前年同期比53.2%増の36.88億円、セグメント利益は、主に増収影響やコスト削減等により、同9.97億円増の9.55億円となった。国内の止瀉薬市場(2023年9月累計)が対前年で113.9%となり、新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、コロナ前の水準に戻りつつある。堅調な需要に対し、シフト生産体制による操業時間拡大等の取り組みが進捗した一方で、一部原料の製造メーカーにおいて製造方法の承認書からの逸脱が判明し、一部製造ロットの自主回収や仕掛品のロットアウトが発生するなど、供給課題は依然解消には至っていない。製品関連では「ラッパのマークの正露丸」シリーズの液体カプセルタイプ「正露丸クイックC」のリニューアルを7月に行うとともに、SNSでのコミュニケーションを展開し若年層への訴求を強化してきた。この結果、国内向けの医薬品売上高につきましては、同29.1%増の24.59億円となった。海外向けについては、国内市場との生産調整によって遅れていた供給を一部再開できたことや、香港・中国向けの出荷価格見直しにより約20%の値上げを実施したこと等から、同144.5%増の12.29億円となった。
感染管理事業について、当第3四半期累計期間までの市場需要は引き続き低水準で推移しており、売上高は同2.51億円減の7.24億円、セグメント損失は、棚卸資産評価損の減少や各種費用の抑制により同11.56億円改善し6.43億円となった。ドラッグストア等の販売店における通年商品化に向けた営業活動強化に加え、「クレベリン 置き型3個入り」を新たに発売し、秋冬の需要期に向けた店頭展開強化を図ってきた。また、10月からは「クレベリン 置き型」の除菌機能試験を再現した新CM「事実、クレベリン。」篇の放映をするなど、消費者の皆様への理解促進に向けたコミュニケーションの強化を図っていくとしている。
2023年12月期通期については、同日、連結業績予想の修正を発表した。売上高が前期比27.0%増(前回予想比19.0%減)の64.00億円、営業損失が8.00億円(同13.32億円減)、経常損失が10.00億円(同10.60億円減)、親会社株主に帰属する当期純損失が9.50億円(同10.00億円減)としている。当期の配当については、業績回復、財務基盤の強化が最優先と考え、業績回復の目途が立つまでは未定としていたが、親会社株主に帰属する当期純損失を計上する見通しとなったため、無配の予想としている。
《SO》
提供:フィスコ