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9749 富士ソフト

東証P
9,531円
前日比
-30
-0.31%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
28.6 4.50 0.44 47.00
時価総額 6,424億円
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富士ソフト Research Memo(4):「AIS-CRM(アイスクリーム)」領域を同社の重点技術分野と位置付け


■事業概要

4. 区分横断的な技術戦略「AIS-CRM」
富士ソフト<9749>は、2017年12月期から区分横断的な技術戦略として「AIS-CRM(アイスクリーム)」領域を重点技術分野に掲げ、新製品・新事業のシーズ創出や既存事業の付加価値向上に注力している。「AIS-CRM」戦略の上位概念には同社のコアコンピタンスが据えられており、同領域の2022年12月期単体売上高は1,122億円(過去3年の年平均成長率:15.8%増)と単体売上高の58%程度を占める存在となっている。

その内訳は、「AI」が開発中心に30億円(過去3年の年平均成長率:16.6%増)、「IoT」が開発中心に34億円(同33.6%増)、「Security」が開発及びライセンスで138億円(同16.9%増)、「Cloud」がライセンス及びSI、インフラ関連、ネットビジネス分野等で590億円(同26.6%増)、「Robot」が開発中心及びPALRO、ロボSI等で50億円(同8.8%減)、「Mobile」が開発及びプロダクト等で83億円(同2.7%増)、「Automotive」が開発中心で197億円(同5.8%増)、となっている。特にクラウド分野の好調が目立つほか、セキュリティ分野における近年の取り組みも順調と言える。

セキュリティ分野における一連の動きとしては、2020年11月に(株)レッドチーム・テクノロジーズとの協業(販売店契約の締結、2020年11月発表)を受けて、インターネットサービスを提供する金融機関等の企業向けに、クラウドソースペンテストプラットフォーム「Synack」を活用した新しいセキュリティサービス(脆弱性診断)の提供を開始したのに続き、2021年6月にはサイバーセキュリティの国内リーディングカンパニーである(株)FFRIセキュリティとサイバーセキュリティ分野における協業の強化について合意、2021年10月にはサイバー攻撃を可視化するセキュリティ対策ソフトウェアであるオープンXDR(Endpoint Detection and Response)のパイオニア的企業Stellar Cyber, Inc.から「2021 1st Half Outstanding Partner Japan」を受賞、等が列挙される。

一連の技術戦略が成果を実らせつつあるなかで、同社はビジネス上の重点分野を「AIS-CRM」から「DX+AIS-CRM+SD+(5)G2」へとさらに拡大し、DXソリューションやITバリューチェーンの上流工程(SD:サービスデザイン及びITコンサルティング)、(5)G2(通信の5G技術と事業のグローバル展開)という新たな技術分野での取り組み強化を進め、持続的な成長と付加価値の向上を目指している。

このほか、ChatGPTを始めとするAIのモデルの1つである大規模言語モデル(LLM)が注目され、コミュニケーションや情報収集を飛躍的に簡便化・低コスト化するモデルやツールの登場が期待される状況である。大規模言語モデルはChatGPTに代表される生成型AIの一種であり、人間の言語を理解し人間のように文章を生成することができるプログラムである。今後、大規模言語モデルは、ビジネス・システム開発の生産性に大きな影響を与える可能性があるとして一般に認知されているが、まず社内で様々な使い方を検証し、ビジネスシーンでも利用できるようにする。自社内利用は、社内の業務改善/ビジネス活用を目的とした生成AI技術の検証・検討に活用し、システム開発ビジネスシーンでの様々な適用アイデアの創出も推進する。

社内導入のノウハウは顧客にも提供するとともに、今後は、生成AIを活用するためのトレーニングメニューや顧客の業種・業界で活用可能なサービス提供も目指し、生成AIの検証から導入、運用までの幅広いサービスでDX推進を支援する。同社は、ChatGPTを開発したOpenAI LPの49%の株を保有するマイクロソフトとパートナーとなっているため、マイクロソフトのMicrosoft/Azure OpenAI Serviceを利用し、開発を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純)

《SO》

 提供:フィスコ

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