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3854 アイル

東証P
2,749円
前日比
+51
+1.89%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.1 7.03 1.71 37.24
時価総額 688億円

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アイル Research Memo(6):2023年7月期は上方修正値を上回る増収増益で着地


■業績動向

1. 2023年7月期の連結業績概要
アイル<3854>の2023年7月期の連結業績は、売上高が前期比23.0%増の15,924百万円、営業利益が同68.9%増の3,547百万円、経常利益が同68.4%増の3,571百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同79.4%増の2,472百万円となった。2023年2月24日付の上方修正値(売上高15,000百万円、営業利益3,100百万円、経常利益3,126百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,044百万円)を上回る増収増益で着地し、売上高・各利益とも過去最高を更新した。

売上面は、DX需要の高水準推移、パートナー戦略の強化、積極的な人材投資の成果に加えて、前期の半導体不足によるサーバー機器の納品遅延の影響が解消したこと、期初に想定していたサーバーリプレイス需要に付随してソフト改修・更新需要を想定以上に掘り起こすことができたこと、インボイス制度対応のソフト改修需要に伴う工数増加や他案件の受注機会損失が想定を下回ったこと、製品品質の向上によってプロジェクト回転率が向上したことなどが寄与した。利益面では、想定以上の増収効果に加えて、営業・開発SEの製販一体体制による案件精度の向上、品質納品向上によるシステム稼働後のアフターサポート工数減少、機能強化やオプション充実による売上総利益率向上、ストック売上高の積み上げなどが寄与した。全社ベースのストック売上高は前期比12.8%増の6,290百万円、ストック売上総利益は同11.4%増の3,682百万円となった。ストック売上総利益によって人件費(3,621百万円)をカバーできる収益構造となっている。

売上総利益は前期比28.8%増加し、売上総利益率は同2.4ポイント上昇して54.5%となった。販管費は継続的な人員強化(2023年度はキャリア採用21名、新卒採用51名)による社員数増加、全社員へのお年玉支給やベースアップ、創立記念式典の実施、展示会出展や広告など販促活動再開、サステナビリティ経営関連活動費などで同10.7%増加したが、販管費率は同3.6ポイント低下して32.2%となった。この結果、営業利益率は同6.1ポイント上昇して22.3%となり、中期経営計画の目標値である20%台を2期前倒しで達成した。営業利益の同+1,447百万円の要因分析は、システムソリューション事業の売上総利益増加で+1,884百万円、Webソリューション事業の売上総利益増加で+59百万円、販管費の増加で-496百万円(人件費増加で-349百万円、その他販管費の増加で-147百万円)としている。


システムソリューション事業が大幅伸長
2. 事業別の動向
(1) システムソリューション事業
システムソリューション事業は、売上高が前期比25.6%増の13,857百万円、売上総利益が同32.6%増の7,659百万円、売上総利益率が同3.0ポイント上昇して55.3%となった。大幅増収増益で売上総利益率も上昇した。DX需要の高水準推移、パートナーとの関係強化による大規模案件増加、半導体不足に伴うサーバー機器の納期遅延の影響解消、サーバー保守サポート終了に伴うハード入替とこれに伴うソフト入替・改修の受注増加、製販一体体制によるシステム品質向上と安定稼働、継続したパッケージ機能強化による生産性向上、大規模案件のプロジェクトマネジメントノウハウ蓄積、ストック売上高のボリューム拡大などが寄与した。なお販売チャネル構成比(金額ベース)は、パートナー紹介が同2.5ポイント上昇して42.7%となった。受注高については、2019年7月期を100とした場合、イニシャルが128、ストックが188と、ストックが大幅伸長している。

(2) Webソリューション事業
Webソリューション事業は売上高が前期比8.4%増の2,067百万円、売上総利益が同6.2%増の1,022百万円、売上総利益率が同1.0ポイント低下して49.4%となった。このうちCROSS事業は売上高が同9.8%増の1,521百万円、売上総利益が同7.2%増の849百万円、売上総利益率が同1.4ポイント低下して55.8%だった。「BACKYARD(TM)」の開発に伴って人件費・開発費が増加したため売上総利益率が低下したが、増収増益基調を維持している。


財務の健全性は高い
3. 財務状況と経営指標
2023年7月期末の資産合計は前期末比2,538百万円増加して12,115百万円となった。主に流動資産で現金及び預金が1,999百万円、売掛金が396百万円それぞれ増加した。負債合計は同513百万円増加して4,374百万円となった。主に未払消費税等が375百万円、未払法人税等が146百万円それぞれ増加した。純資産合計は剰余金の配当が525百万円減少したが、利益剰余金の積み上げで同2,025百万円増加して7,740百万円となった。この結果、自己資本比率は同4.2ポイント上昇して63.9%となった。懸念材料は見当たらず、弊社では財務の健全性は高いと評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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