アクシスC Research Memo(6):2024年6月期業績はハイエンド人材の需要は衰えず堅調推移する見込み
■今後の見通し
アクシスコンサルティング<9344>の2024年6月期の連結業績は、売上高で前期比18.0%増の5,123百万円、営業利益で同20.0%増の808百万円、経常利益で同25.2%増の806百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同16.5%増の487百万円と引き続き増収増益の見通しだ。コンサルティングファーム全体の需要は堅調であるが、一部コンサルティングファームでは採用抑制の動きが見られる。この動きに対し、上期においては他企業の求人でリカバリーする方針であるが、平均売上単価の低下などにより進捗が遅れる見込みである。下期は、組織改編による営業機能、マネージャー以上の上位レイヤー求人の対応を強化し、ハイエンド人材の需要を広く取り込んでキャッチアップを図る。コスト面では人員増強やオフィス増床を見込むものの、営業利益は増益、従業員数は前期比27名増の143名を予定している。そのうち、フロント部門は同18名増で97名を見込む。
(1) 人材紹介
売上高は前期比16.7%増の3,406百万円を見込んでいる。人材紹介において、売上高は「平均年収×平均手数料率×入社決定人数」で構成される。平均年収は前期とほぼ同水準を予想しているが、平均手数料率は採用需要の過熱感が一段落することを視野に入れ、前期をやや下回ると予想される。入社決定人数は、フロント部門の人員増強とコンサルティングファームを中心とした注力顧客の採用見込等を勘案し、前期比21.5%増の854人を予想している。
(2) スキルシェア
売上高は前期比20.6%増の1,717百万円を予想している。「フリーコンサルBiz」において、売上高は「1人当たり平均受注単価(月額)×稼働人数(フリーコンサルタントの月次の稼働人数の合計)」で構成される。1人当たり平均受注単価は前期とほぼ同水準を維持すると見込まれる。また、稼働人数も引き続き堅調なフリーコンサルタントへの需要を背景に、前期比21.9%増の1,007人を予想している。販売費及び一般管理費については、人員増強に伴う人件費及び採用費の増加のほか、オフィス増床に伴うコスト等を見込んでいる。
同社グループの主要顧客である国内コンサルティング業界は、企業のDX等に関わる活発な需要を背景に今後も成長を維持し、企業側も優秀な外部人材の活用を模索する動きが進んでいる。従業員の副業・兼業を容認する企業も増加傾向にあって、ハイエンド人材領域の人材紹介及びスキルシェアの需要は、拡大すると予想され、2024年6月期は計画達成に向けて順調に進むものと弊社は考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純)
《SI》
提供:フィスコ