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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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東証P
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前日比
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+1.30%
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100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.9 0.63 3.22 10.38
時価総額 1,657億円
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【植木靖男の相場展望】 ─新しい相場の主役もやはりバリュー株に


「新しい相場の主役もやはりバリュー株に」

●底値調べから徐々に反転へ

 東京市場は、波乱含みの展開をみせている。今年は卯年、その10月に起きた波乱といえば、1987年の卯年の10月に発生した「ブラックマンデー」が思い起こされる。日経平均株価は1日で3836円下落し、生涯忘れ得ぬ大暴落となった。もちろん、今回の下げは当時と比べ凄みはないものの、市場関係者からみれば100円安、200円安でも心穏やかでないのは同じである。

 今回は10月3日に、主力株が通常と異なる下げをみせた。古い言葉でいえば、これで相場は壊れたとみる。逆にいえば、このあと更に下げても、近い将来、この水準まで戻るのが定石となる。ただ、それ以上に上昇するのは難路といえる。

 では、なぜ相場は壊れたのか。その背景には、米長期金利の上昇とその結果としてのドル高がある。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ退治を目的に利上げを行っているとされるが、市場では別の狙いも囁かれている。

 ドルが基軸通貨となり、経済の覇権を握ったのは1970年代。当時のキッシンジャー国務長官がサウジアラビアと石油輸出をドル決済にすることに合意し、原油取引を後ろ盾とした基軸通貨としてのドルの礎を築いた。しかし今日、中国人民元が力をつけ、ペトロダラーの一部を取り込むなど、ドルを脅かすに十分な存在に育ちつつある。米国は基軸通貨の地位を中国に渡すわけにはいかない。それにはドル高にしなくてはならない。つまり、長期金利を上げなくてはならない、というわけだ。

 であれば、これから投資家はドルインデックス、金価格、それに中国のドルペッグ体制への対応などを注視していくことが必要であろう。

 では、今後の株価はどうなるのか。どこまで下げるのか。単純な推計でいえば3万0740円と出るが、10月4日にはすでにこの水準に到達している。当然、行き過ぎもあろう。もしかして3万円割れも相場のこと故、ないとはいえない。だが、下げすぎであれば対応の仕方もある。

 いずれにしても、経験的にはこれからは鋭角的に下げ、そのあと急激に戻すパターンとなるか、ある程度の日柄をかけて底値調べを済ませて徐々に反転上昇に転じるしかない。現段階ではどちらか定かではないが、筆者の予想では後者ではないだろうか。

●新たな活躍株はチャートで判断

 こうしたなか、物色対象はどう変遷をみせるのであろうか。おそらく、あれこれと打診買いを入れてそれを探っていくことになろう。

 明確であるのは先行き新しい相場、つまりインフレ相場になるのであれば、これまでと主役が同じということは理屈上、あり得ないはず。成長株(テック株)は時に反発しても、所詮、出尽くし相場であり、高値を更新するエネルギーはないと考える。とすれば、バリュー株ということになる。

 ちょうど1986~1989年に大きく動いた不動産のほか、鉄鋼化学などの市況産業、建設海運、重工業株などが参考となろう。前回も指摘したように知名度、流動性に優位性があれば、それを基準に銘柄を選別すればよい。また、新しく台頭する銘柄は、理屈はひとまずおいてチャートから判断するのが効率的だろう。

 今回は以下の銘柄に注目したい。川崎汽船 <9107> [東証P]、東京ガス <9531> [東証P]、マネックスグループ <8698> [東証P]、日本空港ビルデング <9706> [東証P]、東洋インキSCホールディングス <4634> [東証P]、ゆうちょ銀行 <7182> [東証P]、ケンコーマヨネーズ <2915> [東証P]、大黒天物産 <2791> [東証P]などだ。

2023年10月6日 記

株探ニュース

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