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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「2年前と酷似、打診買いも一策」

株式評論家 富田隆弥

◆なんと、10月最初の3日間で日経平均株価は1330円(4.2%)も下落した。チャート上のポイントだった8月安値の3万1275円を割り込むと、見切り売りや先物売りが膨らみ、一気に3万0487円まで急落した。さすがに5日は548円高と6営業日ぶりに反発したが、「荒れる2日新甫」で過去に「ブラックマンデー」を経験した10月だけに、荒い展開がもう少し続くことは覚悟しておく。

◆日経平均株価のチャートが崩れたことで、需給も厳しくなった。16年ぶりの高水準にある信用取引の買い残高3兆8722億円(9月29日申し込み時点)がシコリとなる懸念が生じており、割り込んだ25日移動平均線(10月5日時点3万2469円)を抜くまでは安心できない。

◆ただ、テクニカル指標は「底値信号」を灯している。日足RCI(順位相関指数)は9日線、13日線、26日線が底値圏に集まり、サイコロジカルライン(以下サイコロ)は10月4日に2勝10敗をつけた。また、9月中旬の高値から10月上旬にみせた急調整の動きは、テクニカル指標を含めて2年前の相場と似ている。

◆2年前(2021年9月~10月)の日経平均株価は9月14日高値の3万0795円で天井を打ち、サイコロは11勝1敗と過熱ピークを示唆。そこから10月6日安値の2万7293円までつるべ落としの下げを演じたが、サイコロが2勝10敗をつけて底を打ち、11月中旬には2万9960円まで戻した。今年は9月5日にサイコロが11勝1敗をつけ、9月15日高値の3万3634円から調整に転じている。

◆こうした過去の動きを踏まえるなら、日本株は一旦底打ちしてもおかしくない。この先コツンと下げ止まれば、25日移動平均線に向けてリバウンドを試すだろう。カギを握る米国市場(NYダウ、金利、原油など)が落ち着きをみせるのなら、9月に日本株を2兆円超(現物株ベース)売り越した外国人投資家も戻ってこよう。目先の乱高下を想定したうえで、ここでの打診買いも一策とみる。

(10月5日 記、次回更新は10月14日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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