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8946 ASIAN STAR

東証S
78円
前日比
-1
-1.27%
PTS
78.1円
10:06 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
24.7 0.90
時価総額 18.6億円

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エイシアンスタ Research Memo(1):不動産管理、仲介、賃貸が前年同期と同水準で着地


■要約

ASIAN STAR<8946>は1979年に神奈川県で創業した不動産会社で、横浜と上海を中心に事業展開している。創業以来長年にわたって自社マンションブランド「グリフィンシリーズ」の開発・販売を主力事業とする不動産販売ビジネスを展開してきたが、現在は収益及び居住用マンション、新築戸建の販売、不動産管理及びその関連事業を行う総合不動産サービス企業へ転換している。東京証券取引所「スタンダード市場」に上場している。

1. 2023年12月期第2四半期業績の概要
2023年12月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比15.3%減の867百万円、営業損失が82百万円(前年同期は40百万円の損失)、経常損失が77百万円(同43百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が80百万円(同59百万円の損失)だった。不動産管理事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業の業績に関しては前年同期とほぼ同水準で着地したものの、不動産販売事業の進捗が鈍化したことを受け、前年同期比で減収、損失幅拡大となった。不動産販売事業の進捗が想定よりも遅れた要因は、資材価格や人件費の高騰だ。同社の仲介業者とのネットワークを通じて土地の情報は入ってきていたものの、利益を創出できる不動産案件の数が限られた。ただ、横浜エリアを中心とした戸建、土地、マンション等の販路の拡大と販売戸数の増加には引き続き注力した。期末に向けては中国人富裕層向けの不動産販売に引き続き注力し、しっかりと利益を積み上げる方針だ。

2. 2023年12月期業績の見通し
2023年12月期の連結業績は、売上高が前期比27.6%増の3,177百万円、営業利益が同0.3%増の48百万円、経常利益が同4.5%増の44百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同41.4%減の32百万円を見込んでおり、期初の時点から変更はない。前期に特別利益に計上した不動産の売買契約解除に伴う損害賠償金及び遅延損害金がなくなるため、親会社株主に帰属する当期純利益が減益となることを見込んでいるものの、売上高とその他の利益に関しては、増収増益を見込んでいる。期末に向けて、主幹事業である不動産管理事業で安定した収益獲得を行いながら不動産販売事業の業績拡大に注力する。特に不動産販売事業においては、自社保有物件の売却なども含め、利益をしっかりと創出する構えだ。不動産賃貸事業と不動産仲介事業に関しては、トップラインをしっかりと拡大しながら収益性の向上にも引き続き注力する。具体的には、賃貸物件の稼働率を上昇させることなどによって単価と収益性を向上させる方針だ。

3. 成長戦略について
同社は、事業基盤である不動産サービス事業を強化拡大するとともに、付加価値創造事業分野と位置付けた5分野(生活・娯楽(ライフスタイル)、医療・健康(ヘルスケア)、教育(エデュケーション)、観光(インバウンド)、エネルギー(再生可能エネルギー))の成長企業とのコラボレーションによるアジア展開を推進し、企業規模の拡大・収益力の向上を目指している。例えば観光や医療ツーリズム分野で高まる外国人の日本旅行需要を見据えて、2022年7月には旅行事業会社ASIAN STAR LIFE CREATION 株式会社を非連結子会社として設立するなど布石をうってきている。また、2023年7月には第三者割当による新株発行により、400百万円の資金調達を実施した。付加価値創造事業分野において同社の事業拡大と企業価値向上に資する企業を選定し、アジア各国の事業パートナー及び各分野の成長企業と協働しながら積極的に投資を実行していく構えだ。期末に向けて実際に投資先企業の選定を行い、連結ベースの業績に投資先の業績が寄与することも見込んでいる。

また、2022年5月に代表取締役会長兼社長に就任した呉文偉(ご・ぶんい)氏のもとで、新規事業の創出を推進する。新規事業については具体策を選定中で、各社との戦略的提携を活用しながら中国人富裕層とインバウンド需要に対してサービスを提供することを計画している。また、戦略に合わせて人材・組織の変革も実行していく。既存の不動産事業に関しても、さらなる効率化を追求し収益性を高める方針である。

4. 株主還元策
収益基盤のさらなる強化を見据えて無配を続けているものの、安定的に収益を確保することで、将来的には配当を予定している。2022年1月には、個人投資家向けに株主優待制度を導入することを決定した。「ASIAN STARプレミアム優待倶楽部」を導入した。保有株式数(5,000株以上)に応じて優待ポイントを進呈し、ポイントは食品や電化製品など5,000種類以上の商品のほか、共通株主優待コイン「WILLsCoin」にも交換できる。

■Key Points
・2023年12月期第2四半期は建築資材高騰が重荷
・2023年12月期の業績予想に変更はなく、期末に向けて利益創出に注力
・代表取締役会長兼社長である呉氏のもとで新規事業創出に注力
・戦略的投資資金、不動産販売事業の強化資金として400百万円の資金調達を実施
・株主優待制度「ASIAN STARプレミアム優待倶楽部」を実施

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SO》

 提供:フィスコ

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