GMOメディア Research Memo(6):リスキリング需要拡大で2024年12月期営業利益は目標を上回る勢い
■今後の見通し
2. 成長戦略
・ 中期5ヶ年計画
GMOメディア<6180>は2020年2月に5ヶ年の業績目標を発表している。2021年12月期までを戦略的投資期間と位置付けて、2022年12月期からの黒字化と、2024年12月期には営業利益で過去最高となる510百万円(2016年12月期505百万円)を目標に掲げた。2022年12月期までの営業利益は計画を上回るペースで推移し、2023年12月期も、当初目標計画の300百万円を上回る380百万円に上方修正していたが、前述のとおりさらに上振れする勢いとなっている。2024年12月期の営業利益についても当初目標を上回る公算が大きい。引き続き政府が国策としてリスキリングの取り組みを継続・強化する方針を打ち出したことで、「コエテコ」関連事業の高成長が期待できるためだ。具体的には、リスキリングに取り組む企業への税額控除制度を2024年度以降も延長するほか、個人のリスキリング支援についても5年間で1兆円を投じること、雇用の拡大余地が大きいIT、物流、観光分野に関しては補助率や補助金の上限を広げる方針であることを表明した。これら政策が実現すれば、「コエテコcampus」や関連サービスの需要がさらに伸長し、業績をけん引していくものと予想される。
成長戦略としては、既存の収益事業をベースに既存事業で蓄積した集客・リピーターを作るノウハウを教育事業や美容医療事業などの投資育成事業へ展開することで成長を加速する。また市場環境の影響を受けやすい広告事業に加えて、安定成長が見込めるストック型ビジネス(DX事業等)を育成していくことで、年率10%以上の持続的な成長を可能とする収益基盤の構築を推進する。投資育成事業に関しては、2023年12月期第2四半期におけるメディア事業の売上総利益の26%を占めるなど順調に成長しているものと弊社では評価している。現在育成に取り組んでいるDX事業が収益化してくれば、同社の業績も一段と安定性が向上し持続的な成長が期待できることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ