セレンディップ・ホールディングス---1Qは2ケタ増収・各利益は黒字化、モノづくり事業が好調に推移
セレンディップ・ホールディングス<7318>は10日、2024年3月期第1四半期(23年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比41.3%増の45.92億円、営業利益が1.19億円(前年同期は0.51億円の損失)、経常利益が1.68億円(同0.64億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1.67億円(同0.11億円の損失)となった。
モノづくり事業の売上高は前年同期比41.6%増の43.38億円、セグメント利益は同1,509.7%増の1.67億円となった。オートモーティブサプライヤー(自動車内外装部品製造、自動車精密部品製造)においては、新型コロナウイルス感染症拡大等に伴う半導体不足が解消し、自動車メーカーの国内生産は高水準で推移していることに加えて、製造スタッフの多能工化を推進し更なる生産性向上を実現したことで、固定費比率が低下した。FA装置製造においては、引き合いは活発であるものの受注確定に遅れが生じている。試作品製作においては、2023年1月10日付でアペックスの全株式を取得し連結子会社化し、当第1四半期においては、期首から取り込んでいる。
プロフェッショナル・ソリューション事業の売上高は同16.5%増の3.33億円、セグメント損失は0.44億円(前年同期は0.37億円の損失)となった。コンサルティングにおいては、事業承継課題や経営課題を抱える中堅・中小企業が今後益々増加していく社会的背景があり、中堅・中小モノづくり企業から事業承継案件、事業再生案件の同社への持ち込みが増加している。また、DXに対する各社の取り組みの本格化、中堅・中小企業の基幹システムの再構築需要の増加に伴い、ITコンサルティングのニーズも増加している。これらによりコンサルティング事業部の売上は同131.7%増と伸長し、当セグメントの増収要因となった。エンジニア派遣・受託開発においては、中堅・中小企業の成長を支援するため、経営基盤の強化、エンジニアのリスキリング強化、当セグメントの成長に寄与するためコンサルティング事業部との連携による新しいIoTソリューションの開発とDXに注力している。
インベストメント事業の売上高は同1,192.3%増の0.31億円、セグメント損失は0.03億円(同0.23億円の損失)となった。従来から、事業承継問題に機動的に対応すべく、案件の発掘・開拓に注力してきた。モノづくり企業を中心とした再生型事業承継支援サービス、フィナンシャル・アドバイザリー等の企業経営サポートを積極的に進めており、特にフィナンシャル・アドバイザリー案件の成約数は増加している。また、2023年2月に組成した「日本ものづくり事業承継基金1号投資事業有限責任組合」からの管理業務に伴う報酬の受取も発生している。
2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比10.6%増の168.00億円、営業利益が同37.5%増の4.47億円、経常利益が同6.5%増の3.70億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同26.4%減の2.30億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》
提供:フィスコ