巴川製紙所---1Q減収なるも、ディスプレイ関連事業およびセキュリティメディア事業は順調に推移
巴川製紙所<3878>は10日、2024年3月期第1四半期(23年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比6.5%減の83.15億円、営業利益が同43.2%減の4.32億円、経常利益が同37.1%減の5.94億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同70.3%減の3.41億円となった。
トナー事業の売上高は前年同期比26.7%減の27.89億円、セグメント(営業)利益は同57.6%減の2.77億円となった。円安による海外関連売上高の嵩上げがあったものの、前年度末から続く大手顧客向けを中心とした一部製品の在庫調整による受注減少に加え、当年度においては競合他社との価格競争が生じたことなどにより減収となった。利益面では、原燃料価格上昇によるコスト増加に加え、売上高の減少もあり減益となった。
半導体・ディスプレイ関連事業の売上高は同15.2%増の17.24億円、セグメント(営業)利益は同2.2%増の1.60億円となった。半導体市況の調整が継続したことから、半導体実装用テープは計画を上回ったが、特に好調だった前年同期と比べると減収となった一方で、ディスプレイ関連事業について当第1四半期にまとまった受注があったことにより販売増となった。利益面では、新製品開発コストの増加があったものの、ディスプレイ関連事業での増収効果のほか、事業共通の基幹設備である塗工機の稼働率が上昇し、前年同期比で増益となった。
機能性シート事業の売上高は同1.0%増の26.54億円、セグメント(営業)損失は0.02億円(前年同期は0.28億円の損失)となった。機能性不織布について中国経済の減速の影響により受注が伸び悩んだものの、紙加工が堅調だったほか、塗工紙における一部製品について価格改訂が進んだこと等により前年同期比で増収となった。利益面では、原燃料価格上昇によるコスト増加があったものの、コスト上昇分の製品価格への反映に加え、紙加工の増収などにより、前年同期に比べ赤字幅を縮小している。
セキュリティメディア事業の売上高は同19.0%増の10.81億円、セグメント(営業)利益は同81.0%増の0.89億円となった。カード関連製品の減少はあったものの、通帳類等が増加したことに加え、宣伝印刷物などの受注が増えたことにより、増収となった。利益面では、エネルギー価格上昇の影響を受けたものの、増収効果により、増益となった。
2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高は前期比5.4%増の360.00億円、営業利益は同26.9%減の15.00億円、経常利益は同30.3%減の15.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同58.7%減の6.00億円とする期初計画を据え置いている。
《YI》
提供:フィスコ