エヌ・シー・エヌ---1Qは減収なるも大規模木造建築分野が大幅増収を果たす
エヌ・シー・エヌ<7057>は10日、2024年3月期第1四半期(23年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比7.7%減の19.66億円、営業利益が同66.4%減の0.33億円、経常利益が同92.7%減の0.05億円、親会社株主に帰属する四半期純損失が0.09億円(前年同期は0.49億円の利益)となった。
住宅分野の売上高は前年同期比32.8%減の12.26億円となった。SE構法出荷数は、大口取引先の受注高減少の影響により209棟(前年同期比28.7%減)となり、SE構法出荷1棟あたりの平均売上金額も前年同期比5%程度下落した。また、SE構法登録施工店は新規に7社加入し、600社となった。
大規模木造建築(非住宅)分野の売上高は同222.7%増の6.27億円となった。店舗などの木造非住宅のSE構法出荷数は32棟(前年同期比45.5%増)となり好調に推移した。また、SE構法以外の大規模木造建築設計を扱う木構造デザイン社では、継続的なプロモーション活動により、構造計算出荷数が16棟(前年同期比77.8%増)となり、同社におけるSE構法の構造計算出荷数33棟(前年同期比22.2%増)とあわせて、非住宅木造建築物の構造計算数は49棟(前年同期比36.1%増)と大きく増加した。加えて、昨年の10月に大断面集成材加工や特殊加工、大規模木造建築の施工力に強みを持つ翠豊社をグループ化したことで大規模木造建築分野における事業領域が拡大した。
環境設計分野の売上高は同0.8%減の0.52億円となった。2021年4月より説明義務化となった住宅の省エネ性能に対して、補助金の受給に関するコンサルティング業務と合わせてサービス提供することにより、木造住宅、集合住宅及び非住宅木造物件向けの一次エネルギー計算書の出荷数は685件(前年同期比3.0%減)となった。また、今期より非住宅向け省エネ認定(ZEB認定)のサポート事業を開始し、当四半期においては 2件の認定サポートを実施し補助金申請を行った。
子会社及び関連会社について、持分法適用関連会社であるMUJI HOUSE社は、親会社である良品計画社とともに、2023年5月に農林水産省と「木材利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を締結し、今後5年間で計1万立方メートルの国産材を活用して、店舗の木造化を推進していくこととなった。一方、MUJI HOUSE社は戸建て住宅販売において、昨年からの資材高騰(ウッドショック)の影響を受け、当四半期では赤字を計上している。
2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比2.0%減の90.55億円、営業利益が同44.7%減の2.33億円、経常利益が同48.7%減の2.33億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同45.4%減の1.65億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》
提供:フィスコ