個人投資家・ちゃわんご:総合商社の決算、明暗を分けたのはどの会社? 【FISCOソーシャルレポーター】
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家「ちゃわんご」氏(ツイッター:『https://twitter.com/chawan_wabita』)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2023年8月4日16時に執筆
ツイッターでの情報発信をしておりますちゃわんごと申します(https://twitter.com/chawan_wabita)。
◆総合商社の決算、明暗を分けたのはどの会社?
日本株4-6月期の決算シーズンが始まりました。注目の一つである総合商社の決算はどのようなものだったのでしょうか。
まず、総合商社各社は、前回の決算において、今年度の利益を昨年度より減益の見通しで計画していました。昨年度比で、三菱商事<8058>は22.1%減、三井物産<8031>は22.2%減、伊藤忠商事<8001>は2.6%減、住友商事<8053>は15.1%減、丸紅<8002>は22.7%減、豊田通商<8015>は1.5%減、双日<2768>は14.6%減と、全社マイナスを見込んでいました。
最新のアナリスト予想もほぼ会社予想と同じ、または会社予想よりも少し良いのでは、と考えているようです。特筆すべきは、会社予想で減益幅の少ない伊藤忠商事(2.6%減)と豊田通商(1.5%減)については、アナリスト予想はそれぞれ伊藤忠商事1.0%増、豊田通商は3.1%増と『昨年よりも増益する』という予想になっていることです。
この2社に共通することは他社と比較した時の相対的な資源セクターの少なさです。伊藤忠は非資源事業比率が50%近くあり、豊田通商は自動車・自動車部品、アフリカ事業で40%を占めています。昨年度の業績順位1位、2位の三菱商事と三井物産の利益のドライバーは間違いなく資源分野であり「アップサイドの取り込み」がうまくいったとしています。今期は昨年より資源価格は落ち着いてくるとみられていますので、その分減益となる見込みです。
トップバッターである豊田通商は7月28日に第1四半期決算を発表しました。早速最終利益の上方修正を行い(2,800億から3,000億円)、10円の増配も行いました。それにより株価は続伸、決算前7,549円台だった株価は本日終値で8,329円となっています(約10%増)。
豊田通商の決算後一時的に各社の株価も買われることになりましたが、蓋を開けてみると各社の決算で大きなサプライズはなし。見通しに対して25%以上(Q1のため)の進捗率を見せたのが、三菱商事(34.5%)、丸紅(33.6%)、豊田通商(32.6%)、三井物産(28.7%)、伊藤忠商事(27.3%)、住友商事(26.9%)で、唯一双日(23.2%)は25%に達さなかったため、決算発表後大きく売られることとなりました(決算日前日終値から本日までで約10%減)。
残り各社は大きなサプライズもなかったために想定内に終わった印象を持ちます。発表当日こそ株価は上下しましたが、その後落ち着きを見せています(本日発表の丸紅は3%増で引けています)。一時期に比べるとかなり人気銘柄化してしまった感はありますが、引き続き注目していきたいですね。
私のツイッターでは会社員投資家としての資産形成術や決算速報等行っておりますので、ぜひフォロー頂ければと思います。宜しくお願い致します。
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執筆者名:ちゃわんご
ツイッターURL:https://twitter.com/chawan_wabita
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