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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】日米金融政策見極め、決算本格化で個別対応


「日米金融政策見極め、決算本格化で個別対応」

●米ハイテクの業績不透明感が強まる

 日経平均株価は7月12日安値の3万1791円を目先底に反発し、19日には3万2896円と節目の3万3000円に迫る場面も見られた。だが、米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀の金融政策決定会合を翌週に控えて積極的な売買は手控えられ、週後半は戻り待ちの売りに押される格好だった。

 今週は米国企業の決算発表が本格化するなか、米主要銀行の決算内容が評価され好スタートを切ったかに見えたが、その後のネットフリックス<NFLX>やテスラ<TSLA>の決算が失望され、米ハイテク企業の業績に対する不透明感が強まっている。

 来週は週初24日にナスダック100指数の特別リバランスが行われる。まずはその影響を見極めたい。リバランス後に大型テック株がリバウンドをみせてくるようだと、安心感につながりそうだ。

 その後はFOMC、日銀金融政策決定会合の結果を受けた市場反応を確認することになる。日本は来週半ば辺りから決算発表が本格化するため、次第に決算を手掛かりとした個別対応に向かいそうだ。

●今後、活躍が期待される「注目5銘柄」

◆SRSホールディングス <8163> [東証P]
和食ファミリーレストラン「和食さと」や天丼・天ぷら専門店「さん天」、大分発祥の唐揚げテイクアウト専門店「鶏笑」、回転ずしの「にぎり長次郎」などを運営する。2023年3月期は収益性が低い一部店舗で減損損失を計上し最終損益は14.5億円の赤字に転落した。一方、コロナ禍の影響が薄れて客数が回復するなか、24年3月期の同損益は8億円の黒字への転換を見込む。株価は赤字転落が嫌気されて急落したが、900円台前半水準での底固めを経て足もとはリバウンド基調を強めている。

◆ゼンショーホールディングス <7550> [東証P]
外食最大手。「すき家」、「なか卯」、「はま寿司」、「ロッテリア」などを運営。同社は7月18日の取締役会で総額300億円のA種優先株式の発行を決議した。調達資金は、北米や英国を中心に寿司のテイクアウト店などを展開するスノーフォックス・トップコの買収費用などに充てる計画。5月にはドイツで寿司のテイクアウト店などを展開するスシ・サークル・ガストロノミーも買収しており、海外外食業の拡大による成長加速が期待される。株価は上昇する13週移動平均線に沿う形で強い基調を継続。

◆ティアンドエス <4055> [東証G]
システム開発・運用保守やAIソフトウェア開発などを手掛け、東芝 <6502> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、キオクシアなど大手企業が顧客の8割超を占める。主要取引先からの受託開発案件の受注が堅調に推移し、23年11月期第2四半期累計(22年12月-23年5月)の営業利益(非連結)は前年同期比10.5%の3.1億円で着地。半導体カテゴリーの売上高は21.5%増と好調を継続している。株価は決算を手掛かりに買われ、7月19日には3680円まで上昇。その後は利食いに押されているが、5月下旬以降の3000円を挟んだ保ち合いを上放れてきており、一段高に期待したい。

◆KeePer技研 <6036> [東証P]
自動車コーティングの施工店を全国に展開。外出制限がなくなったことに加え、花粉や黄砂、集中的な降雨などの影響により、洗車コーティング施工の需要が高まっている。6月の国内新車販売台数は前年同月比19.8%増と10カ月連続で前年を上回り、材料・部品の供給不足による生産調整が改善に向かうなか、今後も新車の施工台数の増加が期待される。株価は7月14日に上場来高値となる6060円まで買われた後、高値圏で保ち合うが、13週線にサポートされる形で上値トライに向かうか。

◆鹿島建設 <1812> [東証P]
6月に国土強靱化基本法の改正法が可決・成立。政府に「国土強靱化実施中期計画」の策定を義務付け、 防災・減災、 国土強靱化の施策が現行の「5カ年加速化対策」後も切れ目なく継続されることになる。同社は地震をはじめ津波、台風、火災といった自然災害と、それに伴う二次災害に備える防災・減災技術を数多く保有する。また、都市型水害の状況を高い精度で評価する解析システムも中部大学と共同開発している。株価は5月半ばに急伸した後は、緩やかな上昇トレンドを継続。13週移動平均線とのカイ離縮小で過熱感は和らいでおり、2200円の節突破による再動意に期待したい。

(2023年7月21日 記)

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