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3323 レカム

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レカム Research Memo(4):海外ローカル企業とのアライアンス等で、海外ソリューション事業の成長を加速


■今後の見通し

1. 2023年9月期通期業績予想
レカム<3323>の2023年9月期の業績予想は、売上収益が10,500百万円(前期比17.7%増)、営業利益は780百万円(同88.8%増)、税引前利益は750百万円(同63.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は450百万円(同28.0%)と期初計画を据え置いている。一方、第2四半期における通期計画に対する進捗率は、売上収益で43.6%を確保しているものの、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は17%前後であり、下期での巻き返しが求められている。同社によれば、粗利率維持・確保のために原価上昇分を十分に価格転嫁ができていないことや、営業のマンパワー不足による国内事業での販売の停滞など、要因や改善ポイントは明確にされており、既に粗利率維持・改善に向けた価格設定・販売方法の見直し、社内決裁体制の強化、新入社員や中途採用者による営業増員、仕入商材のOEM先変更などによる価格低減、工事内製化による外注費抑制など、販売の巻き返しや利益率の改善に取り組んでいる。海外市場においては、日系企業のみならず現地ローカル企業においても、LED照明や業務用エアコンなどの省エネ商材への関心・需要が高まっており、引き続き海外ローカル企業とのアライアンス、M&Aなどにより、海外ソリューション事業の成長をさらに加速する計画だ。国内ソリューション事業では、営業のマンパワーを強化し、需要の高いUTMなどのセキュリティ商材の販売伸長、新しい市場となる介護施設などへのBCP対策用蓄電池の販売などの施策を講じており、下期での巻き返しを見込んでいる。

2. 事業セグメント別通期予想
(1) 海外ソリューション事業
海外ソリューション事業は売上収益が前期比30.2%増の5,130百万円、セグメント利益は同76.3%増の580百万円を見込んでいる。引き続き、日系企業のみならずローカル企業からの関心が高いLED照明や業務用エアコンなどによるカーボンニュートラル及び省エネソリューション提案を強化していく方針である。利益改善に向けては、原価上昇分の販売価格への転嫁、値引き防止のための社内決裁体制の見直し、OEM開発先の開拓による原価の抑制などに取り組んでいる。特に、従来の価格設定方法では商品ごとに確保する利益額を設定していたが、商品ごとの粗利率設定や、希望小売価格の見直しに取り組んでおり、国内外ともに、一定の効果が出てきているようだ。第2四半期の実績を見ても、中国、インド、ASEAN各国市場の成長余力は大きく、特にゼロコロナ政策を終了した中国では急速に売上が回復している。中国では、新三板上場企業である大連レカムの信用力を活用し、中国ローカル企業とのアライアンスやパートナーシップを進め、日本で培った省エネ・コストダウンソリューション、BPR事業としてBPO、DX化推進ソリューションを拡大していく見込みである。

M&AによりマレーシアSLWE社を2023年8月に完全子会社化することを発表した。SLWEはSchneider Electric<SU>やHoneywell International<HON>など欧米の大手電機メーカーのマレーシア国内トップディストリビューターとして400社近くの顧客を抱え、直近の2022年6月期で売上高1,450百万円、当期純利益582百万円を計上している。これにより海外事業の成長が加速する見通しだ。また、啓明星辰信息技術股?有限公司(ヴィーナステック)が提供するサイバーセキュリティサービスに関し、今般ヴィーナステックが中国移動<CHL>(チャイナモバイル)の子会社となったことから、同社は今後ASEAN各国でのサイバーセキュリティサービスの提供をチャイナモバイルと連携して展開したいと表明した。やはり海外展開が同社の成長エンジンとなっていくことは間違いないと弊社では考えている。

(2) 国内ソリューション事業
国内ソリューション事業の売上収益は前期比7.3%増の4,700百万円、セグメント利益は同23.2%増の430百万円を見込む。前述したように、価格設定方法を変更することにより、粗利率の改善効果が出てきているようだ。また、新入社員の配属や期中の中途採用により営業社員の増員に取り組むことで、前期に好調であったサイバーセキュリティ商材で販売巻き返しを図っている。また、2024年4月までにBCP策定が義務付けられた介護施設に対して電源確保のためのソリューションとして蓄電池を販売するなど、新たな市場の開拓にもチャレンジしている。一方、電気料金の値上げを受けて、カーボンニュートラルや省エネソリューションとしてLED照明などの需要は順調に推移しており、工事の内製化による外注費抑制などにより利益の向上を行っていく予定である。

(3) BPR事業
BPR事業の売上収益は前期比12.3%増の670百万円、セグメント利益は同3.4%増の120百万円を見込む。下期は、BPO事業の導入実績が多い業種の導入成功事例などを業務パッケージとして作成しており、これを営業提案していくことで、新規顧客の獲得を強化するとともに既存顧客からの受託業務の拡大を図る。また、前述したように中国ローカル企業へも積極的に展開していく計画である。利益面では、AI、RPAなどを最大限活用した高効率なセンター運営や、専用VPN回線の見直しなどのコスト削減により改善を図る計画だ。

新しい取り組みとしては、2023年4月に中国の準ユニコーン企業である実在智能社が開発したAI-RPAサービスを日本で普及させることを目的として実在智能社とインテリジェンスインディードレカム(株)を合弁で設立し、国内の独占販売権を同社の100%子会社であるレカムDXソリューションが獲得している。実在智能社の開発したRPAは、プログラムを組むことなくシナリオを作成することができるため、シナリオ作成の時間が短縮でき、ITの専門家がいなくてもRPAの導入が可能であるという点が優れている。これを、BPR事業として同社の顧客である中小企業(6万社)、大企業・中堅企業(2,600社)へサブスクリプションモデルにより提供し、ストック型の収益を確立していく計画である。また、今後はASEAN各国で中国語版、英語版の販売展開も目指している。

そのほか、5月よりベトナムのAimesoft Joint Stock Companyと共同開発したAI営業支援システムの社内活用を開始する。これは、AIによる営業社員の成約見込率のスコアリングや、顧客ごとに最適な営業トークスクリプトの自動生成等を行うもの。社内で導入効果を確認した後、DX推進のツールとして外販していきたい考えだ。

3. 配当予想
同社は、配当性向30%(配当金総額=親会社の所有者に帰属する当期利益×30%)を基準に、業績に連動した配当を実施するという基本方針を掲げている。2020年9月期は、有価証券売却益を計上することによって年初計画どおりの1株当たり2.0円の配当を行った。2021年9月期は、親会社の所有者に帰属する当期利益が大幅な赤字となり無配となったが、2022年9月期には1株当たり1.0円の復配となった。2023年9月期については、1株当たり1.6円と増配予想となっている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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