レカム Research Memo(2):現地有力企業とのアライアンスやM&Aを積極化、グローバル専門商社構想を掲げる
■事業概要
レカム<3323>は、2021年9月期において事業構造の見直しとともにグループ会社の再編を進め、中期経営計画策定を契機に事業セグメントの区分を見直した。グローバル専門商社構想を掲げ、「海外ソリューション事業」「国内ソリューション事業」「BPR事業」の3セグメントに括り直した。海外ソリューション事業は中国、インド及びマレーシア等ASEAN地域の子会社から成り、国内ソリューション事業は直営店、FC加盟店※、代理店の販売チャネルにより構成されている。BPR事業は業務プロセスの自動化やBPOサービスにより、DX支援サービスやコストダウンソリューションを提供する。
※同社は無店舗型フランチャイズシステムの形態を採っている。これは、販売店舗による店頭販売ではなく営業員組織による訪問販売を主体とするフランチャイズシステムであり、同社の事業展開の根幹となっている。
(1) 海外ソリューション事業
タイ、ベトナム、インドネシア等ASEAN地域や中国、インドに進出している日系製造業に対し、LED照明や業務用エアコン等を用いたカーボンニュートラルソリューションや、「ReSPR」等の感染症対策ソリューションを提供している。また、M&Aにより事業を拡大させており、2021年6月にシンガポールローカル企業Greentech International Pte. Ltd.を持分法適用関連会社化したほか、同年10月にマレーシアローカル企業Sin Lian Wah Lighting Sdn. Bhd.(SLW)を完全子会社化する等、積極的にM&Aを進めている。アライアンスを含めた戦略的パートナーシップを進めることにより事業拡大を推進し、タイやインドネシア、マレーシアではローカルマーケットへの進出を本格的に実施している。
(2) 国内ソリューション事業
直営店、FC加盟店、代理店のチャネルを通じ、LED照明(約5万点の商品アイテム)や省エネ性能が高い業務用エアコン等を通じたカーボンニュートラルソリューションの提案や、コストダウンやサイバーセキュリティに対するソリューション提案を行っている。また、ウイルス除菌装置「ReSPR」等の感染症対策ソリューション等も併せて実施している。
(3) BPR事業
グループ企業からの管理業務の受託及び外部顧客からの業務アウトソーシング受託、並びに業務プロセスの提案コンサルティングを行っている。主として、国内企業から業務委託を受け、業務(バックオフィス業務から名刺入力業務、データエントリー業務等)の内容に応じて中国のレカムビジネスソリューションズ(大連)株式有限公司(以下、大連レカム)、レカムビジネスソリューションズ(長春)有限公司、レカム騰遠ビジネスソリューションズ(大連)有限公司、ミャンマーレカム株式会社の4業務センターに振り分けている。海外BPOセンターによるオペレーション、RPAやAI-OCR等の活用による業務自動化によりコストメリットを実現している。また、顧客企業のDX推進に寄与するコンサルテーション提案を強化している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《SI》
提供:フィスコ