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決算シーズンへの警戒感高まる、TSMC決算に注目/後場の投資戦略


日経平均 : 32521.88 (-374.15)
TOPIX  : 2263.34 (-15.63)


[後場の投資戦略]

 前日、日経平均は引けにかけて大きく上げ幅を拡大し、日経225先物は20日の夜間取引において一時33000円を回復した。しかし、本日の日経平均は朝方から売りが先行し、寄り付きから前日比マイナス圏での推移が続いている。下げ幅を徐々に広げる形で前日とは打って変わって弱い印象を受ける。

 そもそも前日の引けにかけた強さも需給要因に過ぎないと思われる。前日の東証プライム市場の売買代金は3兆2000円弱と18日の3兆1000億円弱に続き、商いは5月以降でみると低調だった。前日の日経225先物およびTOPIX(東証株価指数)先物の日中売買高もそれぞれ3万枚台前半と値幅の割に商いは低調だった。今後、本格化していく企業決算や来週に控える日米の金融政策決定会合を前に全体的に様子見ムードが強まっており、薄商いのなか引け間際の買いが値幅を伴った上昇につながったと推察される。

 前日の米国市場ではダウ平均、S&P500種株価指数、ナスダック総合指数らが揃って2022年4月以来の高値を付けた。ただ、米国市場の引け後に発表された決算を受けて、電気自動車のテスラと動画配信サービスのネットフリックスは揃って時間外取引で大きく下落している。テスラは4%超、ネットフリックスは8%超の下落率となっている。

 ネットフリックスは会員数が市場予想を大幅に上回ったものの、売上高実績と翌四半期の売上高見通しが市場予想を下回り、素直に売りが先行。一方、テスラは値下げによって粗利益率が市場予想を下回ったものの、売上高と一株利益は揃って予想を上回った。株価も時間外取引で買いが先行したが、すぐに下落に転じ、その後下げ幅を広げる形となった。

 東京市場でも安川電機<6506>やファーストリテイリング<9983>の決算後の反応を見る限り、株価が高値圏にある銘柄については、決算後は出尽くし感が先行しやすいもよう。今後の企業決算シーズンに対する警戒感は高まったといえそうだ。

 本日は半導体受託製造の世界最大手であり米エヌビディアを大口顧客にもつ台湾積体電路製造(TSMC)の決算が予定されている。生成AI(人工知能)ブームを背景に日米ともに半導体株の上昇が相場をけん引してきたが、足元では期待だけで買う局面は終わりを迎えつつあり、今後は決算で実績を確かめていく局面に入ってきたとみられる。

 ただ、TSMCの会長は6月上旬に、2023年の設備投資計画について、レンジで示していた下限に近くなるとの見通しを示し、実質的な下方修正を発表した。生成AI需要が本格的に業績に寄与するのは2024年以降とも言われており、半導体株は期待が先行しすぎた印象が否めない。TSMCの決算で期待が剥落しないかに注意が必要だろう。

 また、前日は最先端の半導体露光装置メーカーとして世界トップの蘭ASMLホールディングが4-6月期決算を発表した。売上高と一株当たり利益はともに市場予想を上回った。一方、受注高の伸びは1-3月期に続き前年同期比46%超の減少となったが、こちらも市場予想は上回ったもよう。ただ、決算を受けて同社株価は下落、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)指数も前日は1%を超える下落となった。

 ASMLの受注動向からも生成AI需要の業績への本格的な寄与は当面先であることが示唆されており、また高値圏にある銘柄は出尽くし感が先行しやすいことが確認された。本日のTSMC、そして来週以降の日米の半導体企業の決算には注意すべきだろう。

 景気や為替の先行きが依然として不透明ななか、引き続き景気敏感株や期待先行ですでに大きく上昇しているハイテク株は避けた方がよいと考える。景況感との連動性の小さい情報・通信セクターなどから、出遅れ感の強いグロース株を選好することが望ましいと考える。ほか、富裕層や訪日外国人観光客からの旺盛な需要が続く一方、コスト構造改革の進展などが確認されている大手百貨店銘柄などが注目できそうだ。(仲村幸浩)
《AK》

 提供:フィスコ

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