貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8058 三菱商事

東証P
2,646.5円
前日比
+0.5
+0.02%
PTS
2,655円
23:58 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.1 1.13 3.78 20.80
時価総額 106,453億円
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【杉村富生の短期相場観測】 ─今夏の物色テーマ&活躍株を探る!(1)


「今夏の物色テーマ&活躍株を探る!(1)」

●日本には相対的な優位性が存在!

 いや~、抜群に強い相場である。マーケットは数々のアクシデントを乗り越え、上昇している。年初以来、日本市場は異彩高を演じているが、この背景には日本再興戦略、企業統治改革(2013~2015年始動)の効果の顕在化に加え、欧米に比し日本経済の相対的な優位性があろう。

 企業経営者の意識は変わった。「PBR1倍奪回作戦」がそうだし、自社株買い、株式分割、増配(2023年3月期の配当金総額は15兆円超)ラッシュが好例だろう。NTT <9432> [東証P]は6月末に1対25の株式分割を行った。最低投資金額(100株)は約1万7000円に下がっている。

 日本経済はコロナ禍を克服(新型コロナの感染症法上の位置づけを5類に変更)、これが家計消費に好影響を与え、インバウンド(訪日外国人)の復調が著しい。さらに、金融引き締め継続の欧米とは逆に、日銀は超金融緩和政策を続けている。賃金上昇率は加速、デフレ脱却の糸口が見え始めた。リスキリング(学び直し)と転職の活発化は雇用の流動化につながる。

 だからこそ、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>の三菱商事 <8058> [東証P]、三井物産 <8031> [東証P]など総合商社株の大量取得、ブラックロック<BLK>のラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)の日本株に対する強気発言の源泉になっているのだろう。

 政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)による半導体製造に不可欠のフォトレジストの世界トップ企業、JSR <4185> [東証P]の買収のニュースは官の民業介入だ。功罪相半ばすると考えているが、半導体供給網を国がテコ入れするとの観点ではそれなりに評価できる。

●メガバンク、インバウンドなどに妙味!

 夏相場の物色テーマ&活躍株はどうか。6月28日、アメリカは大手銀行(23行)のストレステストの結果を公表した。商業用不動産市況が40%値下がりし、住宅価格が38%下落、失業率が10%まで上昇する、という厳しい“前提”だったが、すべて「合格」だ。主力銀行の財務は健全である。

 ストレステストが完了すると、日本の メガバンクが出直る経験則がある。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が力強い上昇波動を描いている。ただ、PBRはいまだに、0.74倍だ。もう一段の自社株買い、増配(2024年3月期は41円配当を計画)などの株価テコ入れ策が不可欠と思う。

 5月の訪日外国人客数は189.8万人と、ピークだった2019年の5月比69%まで回復した。韓国、シンガポール、台湾、アメリカが多い。ただし、中国本土は82%減と低迷している。やはり、当局の出国制限が響いているのだろう。今後は出国制限の緩和のほか、在中国日本大使館がビザの電子受付・発給を開始、増える見通しである。

 「観光白書2023」によると、2019年の日本の観光GDPは11.2兆円、経済全体に占める比率は2%にすぎない。これがスペインは7%、イタリアは6%、G7平均では4%(日本を除く)だ。日本のインバウンドは拡大の余地が大きい。粧美堂 <7819> [東証P]は化粧品、服飾雑貨、キャラクター商品など中国人に人気の製品を取り扱っている。

 為替は1ドル=144円、1ユーロ=157円前後の円安だ。自動車業界は増産を続けている。さらに、2024年3月期の想定為替レートはトヨタ自動車 <7203> [東証P]が125円、ホンダ <7267> [東証P]が上期130円、下期120円と実際の水準とは20円前後の差がある。ちょっと、おかしくないか。

 トヨタ系の大豊工業 <6470> [東証P]、ホンダ系の武蔵精密工業 <7220> [東証P]などはセットメーカーの増産効果、円安メリットをフルに享受できる。nms ホールディングス <2162> [東証S]の主要取引先はパナソニック ホールディングス <6752> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]だが、主力は車載部品である。株価は5月8日に610円の高値をつけたあと、深押し(400円絡み)だが、業績面は不安がない。そろそろ、底入れ、反発のタイミングではないか。

このほか、今夏のテーマとしてはEV(電気自動車)、「ChatGPT」、自然災害(国土強靱化)サマーストック、「Apple Vision Pro」、パチンコ・パチスロなどがある。これは次回で紹介する。

2023年6月30日 記

株探ニュース

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