日経平均は3日ぶり小反落、円安進行も需給悪化懸念が重荷/相場概況
日経平均は3日ぶり小反落。29日の米株式市場でダウ平均は269.76ドル高と反発。1-3月国内総生産(GDP)確定値の上振れや米連邦準備制度理事会(FRB)のストレステストを無難に通過した金融セクターの上昇によりダウ平均は終日堅調に推移。一方、パウエルFRB議長の年内最低2回とする追加利上げ発言もあり、長期金利の大幅上昇でハイテクは伸び悩み、ナスダック総合指数は0.42ポイント安と小反落。米半導体マイクロン・テクノロジーの時間外取引の上昇を受けて前日に上昇していた日経平均は、通常取引でのマイクロン株の下落を受け、反動で165.78円安からスタート。週末および月末、四半期末が重なることに伴う需給悪化も意識され、33000円を割り込む場面も見られた。一方、後場中ごろからは需給イベント通過後のあく抜けを意識した買い戻しも入り、前日終値にほぼ並ぶ場面もあった。
大引けの日経平均は前日比45.10円安の33189.04円となった。東証プライム市場の売買高は15億9740万株、売買代金は3兆7962億円だった。セクターでは医薬品、陸運、卸売が下落率上位に並んだ一方、海運、鉄鋼、繊維製品が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の60%、対して値上がり銘柄は36%だった。
個別では、レーザーテック<6920>、ソシオネクスト<6526>、東エレク<8035>の半導体、三井物産<8031>、丸紅<8002>、伊藤忠<8001>の商社が下落。円安が進むなかでもホンダ<7267>、SUBARU<7270>、マツダ<7261>の輸送用機器の一角が軟調。キーエンス<6861>、ソニーG<6758>、SMC<6273>、任天堂<7974>の値がさグロース(成長)株、JR東海<9022>、JR西日本<9021>の陸運なども冴えない。減益決算となったナガイレーベン<7447>、中国や韓国での販売動向が振るわないとの説明が会社からあったコーセー<4922>が大きく下落。
一方、三井ハイテック<6966>が大きく上昇したほか、アドバンテスト<6857>、ルネサス<6723>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、HOYA<7741>、芝浦メカ<6590>、イビデン<4062>などのハイテク・グロース株の一角が上昇。郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運、日本製鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼も堅調。第1四半期好決算と業績上方修正を発表した高島屋<8233>が大幅高となり、外資証券がレーティングを2段階引き上げた三菱電機<6503>も上昇。トレックスセミコンダクター<6616>は国内証券のレーティング格上げが材料視されて買われた。
《YN》
提供:フィスコ