三機工業 Research Memo(5):現金預金の減少は一時的で、財務状況に問題なし
■業績動向
2. 財務状況
三機工業<1961>の2023年3月期末の財務状況は、流動資産は115,512百万円(前期末比10,230百万円減)となった。主な増減要因は現金預金の減少17,829百万円、売掛債権(受取手形・電子記録債権・完成工事未収入金等・契約資産)の増加10,379百万円などによる。固定資産は56,793百万円(同1,073百万円減)となった。主に減価償却による有形固定資産の減少467百万円、システム開発による無形固定資産の増加1,047百万円、投資有価証券の減少による投資その他の資産の減少1,653百万円が増減要因となった。この結果、2023年3月期末の総資産は172,305百万円(同11,303百万円減)となった。現金預金が大きく減少したのは、協力会社への支払いサイトを従来の120日から60日に短縮したことに伴う一時的なものであり、懸念される内容ではない。
流動負債は69,649百万円(前期末比9,560百万円減)となった。主な増減要因は買掛債務(電子記録債務を含む工事未払金)の減少3,779百万円、短期借入金の減少2,211百万円、未払法人税等の減少1,820百万円などによる。固定負債は11,742百万円(同1,620百万円増)となった。主に長期借入金の増加1,080百万円、退職給付に係る負債の増加1,280百万円が増減要因となった。この結果、負債合計は81,392百万円(同7,939百万円減)となった。純資産合計は、90,913百万円(同3,364百万円減)となったが、主に配当金支払いによる利益剰余金の減少2,046百万円、その他有価証券評価差額金の減少1,533百万円によるものである。
3. キャッシュ・フローの状況
2023年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは10,584百万円の支出となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益の計上6,935百万円、減価償却費1,511百万円によるもので、主な支出は、売上債権及び契約資産の増加10,328百万円、仕入債務の減少3,793百万円である。投資活動によるキャッシュ・フローは969百万円の支出となった。主に有形固定資産の取得による支出1,007百万円が要因となった。財務活動によるキャッシュ・フローは8,327百万円の支出となった。主な支出は、長期借入金の返済による支出3,140百万円、自己株式の取得2,347百万円、配当金の支払額4,743百万円となった。
この結果、2023年3月期の現金及び現金同等物は19,829百万円減少し、同期末残高は24,949百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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提供:フィスコ