アクシスC Research Memo(6):ハイエンド人材の需要拡大により、前年同期比30.0%の大幅な増収(2)
■業績動向
2. 財務状況
アクシスコンサルティング<9344>の2023年6 月期第3四半期末の貸借対照表を見ると、流動資産は、新規上場による公募増資等により現金及び預金が949百万円増加したことにより前期末比1,003百万円増加の2,930百万円となった。固定資産は同5百万円減少の172百万円となった。これにより資産合計は同998百万円増加の3,102百万円となった。
流動負債は前期末比352百万円減少の722百万円、固定負債は同68百万円減少の97百万円となった。これにより負債合計は同421百万円減の820百万円となった。純資産は、公募増資による資本金及び資本準備金がそれぞれ538百万円増加し、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が342百万円増加したことによって前期末比1,419百万円増加の2,282百万円となった。これにより負債純資産合計は、同998百万円増加の3,102百万円となった。
新規上場による公募増資等により、資本金は前期末比538百万円増加し606百万円となった。その結果、自己資本比率は前期末の41.0%から73.5%に大幅に上昇し財務基盤が充実した。2023年4月には野村證券(株)を割当先とするオーバーアロットメント※による第三者割当増資を行い、資本金は141百万円増加の748百万円となった。これにより財務基盤が一段と盤石となった。
※一定の数量以上に予備的に追加の株式を割り当てる方法で、需要の予測が難しい場合あるいは人気のあるIPOで使用される場合が多い。
3. KPI指標
同社はKPI指標として、人材紹介事業における「入社決定人数」とスキルシェア事業における「稼働人数」を重視している。それに加え、人材紹介事業においては「平均売上単価」、スキルシェア事業においては「平均受注単価」が売上高に比例する。
(a) 「人材紹介事業」における入社決定人数の推移
2023年6月期第3四半期の入社決定人数は前年同期比10.1%増の174人、平均売上単価は同15.8%増の4,400千円となった。ハイエンド人材採用の需要増加を背景に、比較的年収が高く手数料率の高いコンサルティングファームのマネージャー以上の採用支援の割合増加により、平均売上単価は右肩上がりで上昇した。
(b) 「スキルシェア事業」における稼働人数の推移
2023年6月期第3四半期の稼働人数は、前年同期比1.3%減の225人、平均受注単価は同11.5%増の1,724千円となった。スキルシェア事業では、前期に拡大したコンサルティングファーム向けの取り組みに加え、事業会社向けの展開も進めている。前期に戦略的に獲得した低粗利案件からの切り替えを進めたため、稼働人数は横ばいとなった。一方、コンサルティングファームを中心に稼働率の高い高単価な案件割合の増加により、平均受注単価は高水準を維持した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
《SI》
提供:フィスコ