CAICA DIGITAL---2Q減収なるも、ITサービス事業は大手SIer等の既存顧客からの受注拡大
CAICA DIGITAL<2315>は14日、2023年10月期第2四半期(22年11月-23年4月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比31.9%減の24.94億円、営業損失が13.97億円(前年同期は0.64億円の利益)、経常損失が15.34億円(同0.59億円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が13.50億円(同5.15億円の利益)となった。
ITサービス事業の売上高は前年同期比7.9%増の26.75億円、営業利益は同47.9%減の1.45億円となった。CAICAテクノロジーズの売上高は前年同期を上回っているが、利益面では主にシステム開発にかかる原価率の上昇により前年同期を下回って進捗している。金融機関向けのシステム開発分野は順調であり、一次請けである保険会社向け案件の売上高が拡大し、銀行向け案件において、一次ベンダからのメガバンク案件を中心に引き合い、受注がともに拡大している。非金融向けシステム開発分野は、顧客の事業拡大意欲が強く、IT投資も継続されており、新規案件の引き合いを常に確保できている。フィンテック関連のシステム開発分野は、決済系の案件を中心に安定的に受注を獲得している。また、当第2四半期累計期間において、エンドユーザーのセキュリティリテラシーを向上させる「CAICA Security Training/標的型メール訓練サービス」や、Web3事業に参入する企業を支援する、セミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービスの販売を開始した。
金融サービス事業の売上高は△1.80億円(前年同期は12.83億円)、営業損失は13.63億円(前年同期は0.27億円の損失)となった。当第2四半期累計期間は、CAICA DIGITALにおいては特筆すべき暗号資産の投融資・運用は行っていない。暗号資産であるカイカコインについては、先般立ち上げを発表したCAICA Verseにて、カイカコインを活用してブロックチェーンゲームを楽しめる予定であり、カイカコインホルダーがブロックチェーンゲームに参加することで新規ユーザーが増加することを見込んでいる。また、Zaifにてカイカコインを売却することによりシームレスな現金化が可能となる予定である。カイカフィナンシャルホールディングスが運営するZaif INOの売上高は、NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源としている。第1四半期にスタートした事業であり、連結業績への寄与は、しばらく時間を要するが、2023年6月までに既に10回のNFT販売を実現している。また、2023年5月に、凸版印刷<7911>とWeb3領域におけるNFT活用の連携を発表した。カイカ証券においては、業態転換を図るべく、現在、既存商品の早期終了を進めている。カイカエクスチェンジの売上高は主に暗号資産交換所「Zaif」における受入手数料や暗号資産売買の損益で構成されている。当第2四半期累計期間においては、暗号資産市場全体の取引高が低迷している影響を受け、手数料・暗号資産売買ともに軟調となった。現在、暗号資産市場の影響を受けにくいストック型収益の比率を上げることで安定基盤の構築を図っている。なかでも「自動売買おてがるトレード」が好調であり、利用者が増加している。加えて、2023年1月に、暗号資産トロン(TRX)、3月にポリゴン/マティック(MATIC)、4月に、ゲンソキシメタバース(MV)及びロンドコイン(ROND)の取り扱いを開始している。カイカキャピタルにおいては、レンディングサービスを活発化させており、現在、ビットコイン(BTC)、シンボル(XYM)、カイカコイン(CICC)の募集を定期的に行っている。暗号資産の投融資・運用については、暗号資産の価格の推移を見極め、慎重にトレーディングを行ってきたが、当第2四半期累計期間においては、保有する暗号資産の評価損を計上している。
2023年10月期通期について、同社グループは「ITサービス事業」と「金融サービス事業」を展開しているが、「金融サービス事業」は、経済情勢や暗号資産市場等の環境の影響を受けることから、業績予想を行うことが困難であるため、連結業績予想を非開示としている。
《SI》
提供:フィスコ