貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4477 BASE

東証G
336円
前日比
+1
+0.30%
PTS
335円
17:39 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
196 2.82 8.72
時価総額 389億円
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安定配当重視のスタイルに「1日信用取引」を加えるワケ

ゆる~いようで強い! 投資家女子の決め技 カブ娘とめ子さんの場合-最終回

登場する銘柄
チェンジHD<3962>、モダリス<4883>、ルネサス<6723>、QDレーザ<6613>

編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

【タイトル】カブ娘とめ子さん(ハンドルネーム・40代・女性)のプロフィール:
夫の転勤による引っ越しで、正社員を辞めざるを得なくなったことをきっかけに2019年に株式投資デビュー。当初はろくに勉強せずに飛び乗ったグロース株投資で大ヤラレ。この失敗から、上がるかわからない株価より、いくら受け取れるのか、原則把握できる配当を重視する戦略に転換してリターンを積み重ねてきた。
現在は、約3000万円の投資元本に1200万円の含み益と150万円の年間配当を稼ぐ。年間の配当収入は正社員を退職後に一時勤めていたパートの収入を上回る水準。「挑戦なきところに成果なし」と、現在は短期トレードもスタイルに加えつつある。
「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「中級者」と回答。

第1回「平均配当利回り5%、『投資家に再就職』の気迫でSVBショックも交わす」を読む

3000万円の元手から約1200万円の含み益と150万円の年間配当金を得ているカブ娘とめ子さん(ハンドルネーム、以下、カブ娘さん)だが、ここまでの道は決して平たんではなかった。

途中、300万円もの資金を溶かす大ヤラレがあった。この経験が、前回見た高配当株投資での成功につながった。そんなカブ娘さんは、目下「短期トレード」という、これまでの手堅い投資とは180度異なる手法に挑戦をしようとしている。

そこには、「挑戦心なしに成長なし」という、学生時代に取り組んだテニスでの学びがある。カブ娘さんのチャレンジ精神の原動力について見ていこう。

コロナ大暴落後のグロース反転相場に参戦

カブ娘さんが大ヤラレを食らったのは、投資を始めて間もない2020年頃のことだ。泣く泣く損切りした300万円は、投資元本約3000万円の1割に相当するもの。本人にとっては、懐具合とメンタルともにかなりのダメージとなってしまった。

失敗の要因は、売買タイミングの見極めが重要になる新興グロース株への投資に、知識の習得と経験が浅いまま飛び込んでしまったことにある。

記憶に新しいように、20年は3月のコロナ大暴落からの立ち直りで新興株は盛り上がり、特に夏から秋にかけては大きく噴く銘柄が続出していた頃だ。カブ娘さんもこの反発モメンタムに乗り、果敢に値動きが軽い人気銘柄のトレードへと向かっていった。

「被害」にあった銘柄は、ふるさと納税の手続き代行を手掛け、IT(情報通信技術)支援も行うチェンジホールディングス<3962>、遺伝子疾患治療薬の研究開発を行うモダリス<4883>などだ。

■2020年の東証マザーズ指数の動き(日足)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


初めの成功体験が損切りの邪魔をする

チェンジの場合は、当初、うまく上昇にのった成功体験がアダとなることに。カブ娘さんは、SNS(交流サイト)や視聴する動画サイトのYouTubeで話題になっていたことをきっかけに、自分でも業績好調であることを確認して同銘柄に買い出動へ。運良く買った直後から、大きな上昇の波を掴むことができた。

この流れに乗り、「かなりいいところまで上昇したのでは」と思ったところで利益確定ができた。しかし、その後がよくなかった。その後の調整幅が急激で大きかったこともあり、20年10月頃に、切り返しを狙ってもう一度買い向かってしまった。

その判断が仇となる。切り返しどころかチェンジ株はじり下がりとなり、それまでの急上昇を打ち消す動きに変わった。この状況に、考えを改めて早めに損切りすべきところを、いつのまにかお祈りモードに入り、21年8月頃までホールドを続けてしまう。

「もう限界だ」と感じて手仕舞いした時には、最初に稼いだリターンを食いつぶすほどまでに損失が膨らんでいた。

■チェンジHDの週足(20年1月~)
【タイトル】

人気のIPO株も期待感から損切りできず

モダリスのケースでも同様のヤラレを食らう。同銘柄は20年8月に当時のマザーズ市場にIPO(新規株式公開)した銘柄で、東京大学発の創薬ベンチャーであることなど注目された銘柄だったこともあり、カブ娘さんも将来性に期待をかけて買いの行動に出る。

だが、大きく株価が噴いたのは初めの数週間のみで、その後は下落トレンドへ。この銘柄でもなかなか損切りに踏み切れず、ずるすると損を拡大させる結果となってしまった。

20年の後半は、グロース系ではエムスリー<2413>、BASE<4477>など上昇を続ける銘柄もあり、「少し耐えればこうした銘柄のように上昇局面が来る」と、本人が根拠の薄い期待感を持ってしまった部分があったようだ。

■モダリスの週足チャート(20年8月~22年2月)
【タイトル】

時間をかけて損を取り戻す

これらのグロース株投資の失敗で、好業績への期待感から割高な株価が付いた銘柄は、その反動で急激な株価下落があることなどをカブ娘さんは痛感する。同時に、売買のタイミングの見極めが重要になることも思い知った。

そうしたイタイ経験と教訓を得て、辿り着いたのが現在行う高配当投資だ。様々なSNSや情報サイト、専門家の動画や成功している個人投資家の発信情報に触れ、「自分の望む投資スタイルにあっている」と実感できるやり方なのだという。

常に攻めも忘れない

一方で、足元で成功している安定配当狙いのスタイルのみで「これからも十分なのか」という考えもあり、新たな攻めも加えている。それが、短期トレードだ。

半導体人気で売買が活況なルネサスエレクトロニクス<6723>、QDレーザ<6613>などを手掛けてリターンを得た。まだ経験が浅く成功例は少ないが、試行錯誤を重ねてスキルアップを図るべく奮闘中だ。

短期トレードといえば、株価上昇のモメンタムを生かしてリターンを狙う点では、以前に失敗したチェンジやモダリスなどのグロース銘柄での投資とそう変わりはない。

グロース株投資で成功するには、すご腕投資家のように業績を深掘りして分析することが欠かせない。だが、「深い分析ができるまでのレベルに至っていない」と自己評価するカブ娘さんは、今の自分でもできるスタイルを模索した。

そこで、過去の失敗を教訓に取り入れたのが、デイトレード。1日限りの勝負に徹することにしたのだ。また、デイトレのノウハウはこれから積み上げる段階ということもあり、投入資金は絞って変動リスクを抑えている。これらに加えて、さらにもう一工夫している。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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