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【特集】海外おしゃれ系キャリア女子が米国株シフト、そのわけは?

ゆる~いようで強い! 投資家女子の決め技 あったんさんの場合

登場する銘柄
三菱UFJ<8306>、日本航空<9201>、ユーグレナ<2931>、ブレインパッド<3655>、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、アファーム・ホールディングス<AFRM>、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF<VT>、S&P500種指数<SPX>、SPDRポートフォリオS&P・500高配当株式ETF<SPYD>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

【タイトル】あったんさん(ハンドルネーム・40代・女性)のプロフィール:
かつてはデザイナーを目指し、長く海外高級ブラントを生産・販売する外資系企業に買い付け担当責任者(バイヤー)として勤務していたおしゃれ系キャリアウーマン。会社を辞め、次なるステップとなる自身の起業準備を進めるとともに、5年ほど前から約2000万円を元手に株式投資にもチャレンジする。
高リターンを打ち出すことにはさほどこだわらず、むしろ社会情勢に敏感になり、自身が成長して仕事で成功することを主眼に日々投資に向かう。日本を代表する大型優良株への投資と並行し、脱炭素など社会に役立つビジネスを行う会社への応援投資をハイブリッドで行っている。最近は米国株投資に目を向け、運用資産の半分程度を振り向けグローバルな成長獲得を狙う。

「株を始め出したら、経済通のオジサンたちとも話が盛り上がるようになり、視野がぐっと広がり知識が増えました」

女性投資家シリーズの3番手として登場するあったんさん(ハンドルネーム)は、5年ほど前から株式投資にチャレンジし始めたというキャリアウーマンだ。

つい最近まで、海外の高級ファッションブランドの日本支社に勤め、買い付け担当(バイヤー)の責任者として活躍していた。

かつてはデザイナー志望だったというあったんさんは、スタイリッシュな雰囲気にあふれるカッコイイ系の女性。高い美的意識と洗練された思考が感じられ、一流ブランド品を扱う会社の中で働くうちに、自然に身に付いた所作なのだと印象付けられた。

そんなあったんさんは、現在、外資系企業で積んだキャリアに1つの区切りをつけ、次のステップに進むための準備をしている。バイヤー時代は、海外から日本に商品を輸入する橋渡しの役割だったが、今度は日本から海外への橋渡しをするビジネスを考えているのだという。

具体的には、地方都市の文化や伝統の品など、様々なものを海外に伝え普及させることを目的し、それを生業とした自身の会社を作るべく活動を進めているところだ。

■あったんさんが世界に伝えようとしている石川県の名所・産品など
【タイトル】
左:武家屋敷、中央:九谷焼のビンテージの急須、右:珠洲市の見附島。本人撮影

会社を辞めて独立するとなれば、当然ながらかなりの勇気やパワーがいる。そんなあったんさんをよりバージョンアップさせたのが、やはり最近始めた株式投資なのだという。

投資を始めて「懐具合」が潤いつつあるメリットももちろんあるのだが、それ以上に社会や世界経済の動きに一層興味を持つようになり、知識や視野が広がり人間的に成長できたことが、何よりもの収穫になっていると前向きだ。

冒頭に示したように、ファッション関係の仕事に就いていた時は関わることが少なかった「オジサン」勢とも、株を共通の話題として仲良くなることができている。知見が広がり新たなビジネスにも役立ちつつあるようだ。

株式投資を家計と仕事との両方に役立てる、そんな「ハイブリット」なあったんスタイルとはどんなものなのか。

まずは自分が成長するのが大事

投資家の典型は、「将来は資産1億円にしたい」などと自分のお金を増やすことを目的にしている人だろう。これに対してあったんさんは、起業を準備していることもあり、株式投資に対しては「まずは自分が知識豊かになって成長すること」に重きを置いている。

知識を積み重ねる取り組みの結果として、リターンも得られればさらに嬉しいという立場だ。言ってみれば、二兎を追っていることになる。知識の獲得を第1にしているので、投資スタイルは短期的なリターンにはこだわらない。やや緩めの気持ちでマイペースに進んでいるのが特徴だ。

そして、株式投資で実践するやり方も、やはりハイブリッド戦略だ。大きく分けて2つのアプローチから日々の投資に取り組んでいる。

その1つ目は、グローバルな経済成長の大きなうねりに乗って、長期的な資産形成を目指す、
2つ目は、社会に役立つ取り組みを行う企業を応援し、自身にも恩恵がもたらされることを図る、

――というものだ。

ハイブリッドの1つは安定大型株投資

1つ目のアプローチでは、日本を代表する大型株に投資する。最近では、金融業務をグローバル展開する三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が、2020年のコロナ大暴落で大きく売り込まれたことに着目。その時点では大きく売られてはいたものの、長い目で見れば回復すると見込んで20年5月に買いを入れた。

その後、株価が大きく伸びたところを確認し、1年後の21年5月に利益確定へ。コロナ禍で勇気を出して買い出動したのが吉と出て、50%ものリターン獲得に成功した。

■三菱UFJの週足チャート(19年11月~)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、
同値は「グレー」。以下同


それ以前には、日本航空<9201>などにも投資を行っている。

あったんさんがこうした大型株を狙うのは、長期的に財務面での一定の安定性を維持しつつ、グローバルな景気拡大の恩恵を受けられると考えるからだ。

また、三菱UFJや日本航空は、投資をしない人でもその名前を知らない人は、まずいない有名企業だ。自社の利益の拡大はもちろんだが、社会への貢献を果たすための責任感をもって最大限の努力を行う会社だととらえており、一時的な凹みはあっても最終的には伸びる素地があるとも考えている。

特に全体相場の低迷時に売り込まれた時期は、むしろチャンスととらえ、長い目で見て投資を行うのがあったんさんのやり方だ。

この時、売り買いの方法もハイブリット。基本は長期投資だが、それと並行して急激な上昇が見られた時などは、これもチャンスと見て利益確定を行い、小さくとも確実な利益を取っていく。長い大波を狙いつつ、その間に現れる小波もコツコツとさらい、全体ではじっくり資産を増やしていく方法をとる。

並行して応援投資も実践

2つ目のやり方では、より明確に、これからの社会の課題解決に貢献していくと思えるビジネスを行う企業を応援するつもりで投資する。金銭的なリターンの多寡にはこだわらず、投資を通じて社会に役立つことで、自身も幸福感を得て気持ちを豊かにしていくのが第一の目的だ。

この投資では、最近は、世界的に取り組みが進められるSDGs(持続可能な開発目標)や、人々の社会生活に画期的な革新をもたらすAI(人工知能)の技術に関心を持つ。前者のSDGsで掲げられる目標とは、温暖化防止策としてクリーンエネルギーを目指す脱炭素の推進が代表的な取り組みの1つだ。

■SDGsで掲げる17の目標の要旨
1. 貧困をなくす
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくる
10. 人や国の不平等をなくす
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任、つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守る
15. 陸の豊かさも守る
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成

具体的には、脱炭素社会を標榜してバイオ燃料を社会に提供するユーグレナ<2931>に着目し、保有を続けている。温暖化対策は一個人としてできることは限られるが、対策に積極的な企業に株式投資を通じて応援をすることで、社会に役立ち、ひいては自身のためにもなるという思いからだ。

仮に投資で損失が出たとしても、社会貢献や自身の成長につながる行動だと思えば、それ自体は納得し満足できるものなのだという。

■ユーグレナの週足チャート(20年12月~)
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AI(人工知能)技術に着目したものでは、AI・ビッグデータ関連ソフトの開発なども手掛け、顧客購入履歴データ分析で販促提案を行うブレインパッド<3655>に投資した。販促提案を行う同社のビジネスは、あったんさんが、これまで従事してきたバイヤーの仕事にも深く関連するもの。さらに、今後の活動にも役立つ知識ととらえ、勉強のつもりで21年2月と6月に買い出動へ。

株価上昇の動きをにらみつつ、1度目の2月の購入時はすぐに利確。2度目の6月の購入は同年11月に利確し、ともに20%の利益をさらった。

■ブレインパッドの週足チャート(20年12月~)
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この2つの投資手法を柱に、現在は運用資産全体で約28銘柄を保有。保有する金融資産のうち2000万弱を株式投資に向け、約5年で10%の資産増を遂げている。

仕事での経験が株式投資に役立っている

長くファッション系の仕事に就き、それまでは株式投資など無縁だったあったんさんが、新たに始めた投資とうまく付き合い、それなりの成果を出せているのはどうしてなのか。

それは、これまで関わってきた仕事を通じて自身が日常的に取り組んできた動作を、自然に投資の場面でも応用させているからだ。

「もともと売り上げ実績や伸び率など数字を見比べるのが好き」と話すあったんさんは、高級ブランド企業に勤務の頃は、日本国内で販売する商品として、どんなものがどれだけ売れそうかを自分なりに見極め判断をする。そして、本国の担当部署に適切な発注をかけるのがメインの役割だった。

そのためには、日本の販売状況やトレンドはもちろん、同時に世界全体や過去からの動きも見つつ、バランスの取れた判断ができるかがキモとなる。こうした「森を見ながら木を見て、個々の木を見ながら全体の森の動きを考える」という作業は、株式投資でも共通して重要なものとなる。

この考えから、あったんさんは投資を始めて以来、企業に勤めていた頃と同じ要領で、マクロの視点とミクロの視点の両方を重視しつつ相場ウォッチを継続中だ。

トレンドを見極めるためYouTubeも活用

また、売れる商品を見極めるには、自分の考えだけに固執せず、広い視野をもって消費者の行動や嗜好の変化を読み取る必要がある。

それを効率よく行うために、あったんさんは、常日頃から投資環境や銘柄情報をわかりやすく動画で発信するYouTubeを視聴しているのだという。

自身が忙しい時など作業をしながら銘柄の話が聞けるし、何よりも内容が身近で入り込みやすい。自分と違う考えを持つ人たちが、どんな思考で経済を見つめ、銘柄に着目しているのか、ぐんぐん吸収できるのがお気に入りのポイントだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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