貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4432 ウイングアーク1st

東証P
3,225円
前日比
-5
-0.15%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.2 2.70 2.60 33.37
時価総額 1,125億円
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ウイングアーク Research Memo(4):データエンパワーメント事業の単一セグメント


■ウイングアーク1st<4432>の事業概要

1. セグメント情報
同社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしている。ただ、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分している。

企業や公的機関の基幹業務を支える帳票・文書管理ソリューション
2. 帳票・文書管理ソリューション
帳票・文書管理ソリューションでは、帳票に関する業務基盤として国内で最も多く利用されているソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しており、請求書、納品書、発送伝票、eチケットなどの業務帳票から公的機関が発行する各種証明書まで社会の様々な場所で帳票の作成や出力、管理に利用されている。主力の「SVF」は帳票の作成や出力を担っており、現在では「SVF」での帳票出力の85%はデジタル化されている。文書管理基盤の「SPA」と合わせて企業、公的機関の多くでデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に貢献している。

(a) SVF
同社グループの主力製品である「SVF」は、帳票開発の効率化と多様な出力要件に応えるための帳票基盤ソリューションである。独自開発のソフトウェアにより、日本固有の複雑な帳票フォームをノンプログラミングで直感的に設計し、PDF、Excel、紙などへ多様な形式で出力できる高い汎用性を有しており、メーカーやOSの種類に依存しない帳票運用を実現している。企業や公的機関の多くで複数のシステムを共通化した帳票基盤として活用されており、システム運用の効率化や内部統制の強化に貢献している。

従来の「SVF」の強みに加え、柔軟性とリアルタイム性を兼ね備えた帳票クラウドサービスである「SVF Cloud」のほか、クラウド上でのSFAサービスを提供している(株)セールスフォース・ドットコムと連携した「SVF Cloud for Salesforce」やビジネスプラットフォームを提供しているサイボウズ<4776>と連携した「SVF Cloud for kintone」も提供している。WEB API機能により様々なクラウドサービスと連携することで、企業間のシステムの違いやシステム変更にも柔軟に対応し、スマートフォンやタブレットから外出先でもPDFで見積書を出力できる。

(b) invoiceAgent
「invoiceAgent」は、企業や公的機関で流通している帳票を電子化し、一元管理することで、その後の業務の自動化や効率化に貢献するソフトウェア及びクラウドサービスである。「invoiceAgent」は、電子文書の保管・管理業務及び流通を効率化するとともに、電子化された文書からデータを抽出して他の業務システムに連携させることで、従来手作業で行っていたデータ入力業務の自動化を行うとともにシステム間のシームレスなデータ連携をサポートする。また、「invoiceAgent」では利用者が設定したルールにもとづき、電子化された文書を自動で該当のフォルダへ保管できるため、担当者がファイルの内容を確認しながら手作業で分類するといった業務が不要になり、文書管理工数の削減が可能となる。また、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法及び2023年10月に導入が予定されているインボイス制度に対応しており、企業は「invoiceAgent」を導入することによりこれらの法的要件を満たすことが可能となる。


データ活用により、業務のスピードと質を改善するデータエンパワーメントソリューション
3. データエンパワーメントソリューション
データエンパワーメントソリューションでは、エンドユーザーに対して、ソフトウェアの販売、クラウドサービス、保守サポートの提供を主に行っている。これらは様々な種類のデータを組み合わせ、分析することにより、気づきや今までにない価値を生み出すビジネスの基盤となる(一般的にBI(Business Intelligence)と呼ばれる)ソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供している。生産性の向上やビジネスプロセスの効率化による経営スピードの向上を実現することをコンセプトとし、データの集計、分析、可視化、意思決定支援というデータ活用の一連の流れをカバーしている。企業の業務プロセスに組み込むことで、経営者から現場の業務担当者まで多くの利用者がいる。

(a) Dr.Sum
「Dr.Sum」は、企業内外のデータを収集、蓄積し、そのデータを加工・分析することによって企業の意思決定に活用することを目的としたソフトウェアである。数百億件ものビッグデータを数秒で処理できる性能と、ユーザーが使い慣れたWebベースとExcelベースのユーザーインターフェイスを備えていることから、システム担当者でなくともビッグデータの集計や分析を容易に行えることに加えて、販売や会計といった社内の様々なデータを統合管理することで、企業を支える情報分析基盤として利用されている。

(b) MotionBoard
「MotionBoard」は、企業をとりまく様々なデータを価値ある情報に変え、企業にイノベーションをもたらすことをコンセプトとした情報活用ダッシュボードである。第1の特徴は多彩な表現力である。PC画面上にグラフィカルな数多くのチャートを自由に配置可能で、業務内容の確認から事業戦略の遂行状況の確認まで、目的に合わせた使い方が可能である。また、GIS機能を備えており、位置情報を持つデータを地図上にプロット(配置)できるため、競合店舗情報と人口動態情報を組み合わせた店舗戦略や走行情報を利用したトラックの運行管理等、新しい情報活用の形が生まれている。第2の特徴は、リアルタイム処理である。「MotionBoard」は、基幹システム、情報系システム、SFAやCRM、外部のクラウドサービス等様々なデータソースとリアルタイムに接続し、これらの情報を一つのチャート上で統合し、分析して可視化できる。ノンプログラミングで利用できることも特長であり、多くは企業内のシステムに組み込まれる形で利用されている。近年では、Salesforceと連携した営業の生産性向上や小売業でのビッグデータ活用に加え、IoTで発生するデータの分析、可視化や閾値の設定によるリスク検知等にも利用されている。第3の特徴は、高いメンテナンス性である。通常、情報システムの構築は、高度な知識を持ったシステム担当者が行うことが一般的だが、「MotionBoard」は、ユーザーが自由な発想で可視化や分析を行うことを想定している。データの設定から表示項目やチャートの選定、配置までユーザー自身で行えるため、業務フローの変更等にも迅速に対応できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

《YI》

 提供:フィスコ

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