川辺---23年3月期は2ケタ増収・各利益は黒字化、身の回り品事業・フレグランス事業ともに順調に推移
川辺<8123>は12日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比16.4%増の125.51億円、営業利益が1.23億円(前期は2.14億円の損失)、経常利益が2.05億円(同1.22億円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が1.24億円(同3.65億円の損失)となった。
身の回り品事業の売上高は前年同期比14.8%増の107.26億円となった。当年度は、リアル店舗において、コロナウイルス感染者数減少に伴い回復基調に転じた。ハンカチーフについては、行動制限の緩和によりギフト需要が回復基調で推移した。また、前期に引き続き新規取引先の開拓による新しい売上を構築できたことや、SNSに端を発し百貨店店頭や自社ECで大きな売上を構築できたラルフローレンエコバッグなどのヒットアイテムの牽引、訪日外国人観光客需要による一部のブランド商品の大幅な売上伸長に加え、単価アップ策として取り組んだシェニール商品のヒットもあり、また同社100周年企画として多くの店舗で採用されたメッセージハンカチ等も好調に推移した結果、売上高は前年同期比11.5%増となった。スカーフ・マフラーについては、マフラー商戦の繁忙期である11月・12月はカシミヤの回収事業など新たな取り組みを行ったが、温暖化により防寒商材はやや苦戦となった。しかし、シーズンを通しては春夏におけるスカーフ市場の繁忙期である母の日需要を取り込むことができたことや、同社におけるスカーフカテゴリーに分類される新アイテムの晴雨兼用傘が順調に売上を構築し、秋物市場の初動に関してもシルクスカーフや薄手ストール、無染色カシミヤシリーズや、敬老の日向け商品などの新作が順調に推移した結果、売上は前年同期比16.3%増となった。タオル・雑貨については、学校等でのプール授業再開によるラップタオルの需要が大きく売上を牽引した。また、EC事業、TV通販での売上が順調に推移したことや、百貨店内にて積極的におこなったハワイアンキルト柄をモチーフとした商材のイベントが功を奏したこと、また同社が幹事として自主運営を行う百貨店雑貨売場の売上が順調に推移した結果、前年同期比31.3%増となった。
フレグランス事業の売上高は同26.2%増の18.24億円となった。当年度においては、行動制限の緩和に伴いメゾンフレグランス商材を中心に主要販路である百貨店、直営旗艦店に於いて順調に売上を拡大することができたと同時に、スキンケア商材が年間を通じて好調に伸長した。
2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比7.5%増の134.91億円、営業利益が同9.5%増の1.35億円、経常利益が同1.3%増の2.08億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.7%減の1.00億円を見込んでいる。
《SI》
提供:フィスコ