三洋化成工業---23年3月期は原料価格上昇に伴う販売価格の改定などにより増収
三洋化成工業<4471>は12日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比7.7%増の1,749.73億円、営業利益が同29.2%減の84.05億円、経常利益が同22.3%減の99.18億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同15.2%減の56.84億円となった。
生活・健康産業関連分野の売上高は前年同期比3.9%増の570.68億円、営業利益は同94.2%減の1.13億円となった。生活産業関連分野は、ポリエチレングリコールが中国・上海市でのロックダウンの影響により需要が減少したが、製紙関連薬剤が堅調であったことにより、売上高は順調に推移した。健康産業関連分野は、高吸水性樹脂が全拠点で販売数量を減らし、原料価格上昇に伴う販売価格の改定により売上高は微増となったものの営業利益は大幅に減少した。
石油・輸送機産業関連分野の売上高は同13.5%増の482.79億円、販売量の減少などにより営業利益は同20.5%減の29.88億円となった。自動車シートなどに使われるポリウレタンフォーム用原料、自動車内装表皮材用ウレタンビーズおよび潤滑油添加剤が自動車生産調整により需要が減少したが、原料価格高騰による価格改定により売上高は増加した。
プラスチック・繊維産業関連分野の売上高は同10.6%増の281.77億円、販売量の減少などにより営業利益は同23.6%減の28.37億円となった。プラスチック産業関連分野は、永久帯電防止剤が低調だったが、塗料コーティング用薬剤・添加剤が海外向けに売り上げを伸ばし、好調に推移した。繊維産業関連分野は、炭素繊維用薬剤が順調に売り上げを伸ばし、また合成皮革・弾性繊維用ウレタン樹脂の販売も好調に推移し、売上高は大幅に増加した。
情報・電気電子産業関連分野の売上高は同10.4%増の231.63億円、営業利益は同1.9%増の25.58億円となった。情報産業関連分野は、コロナ禍で落ち込んだオフィスでの印刷需要が回復し、重合トナー用ポリエステルビーズの原料、粉砕トナー用バインダーの販売がともに好調に推移したため、売上高は大幅に増加した。電気電子産業関連分野は、半導体市場の減速に伴い、汎用レジスト用材料の需要は減少したが、先端レジスト用材料の感光材が売り上げを伸ばし、またアルミ電解コンデンサ用電解液も売り上げが増加したため、売上高は好調に推移した。
環境・住設産業関連分野他の売上高は同1.7%減の182.84億円、営業利益は同11.3%減の14.08億円となった。環境産業関連分野は、海外向け高分子凝集剤用のカチオンモノマーの需要が低迷したが、原料価格高騰による価格改定により売上高は増加した。住設産業関連分野は、家具・断熱材などに用いられるポリウレタンフォーム用原料の販売が巣ごもり需要の一巡により低調となった。
2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比2.9%増の1,800.00億円、営業利益が同19.0%増の100.00億円、経常利益が同10.9%増の110.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.4%増の65.00億円を見込んでいる。
《YI》
提供:フィスコ