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5254 Arent

東証G
5,130円
前日比
-140
-2.66%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
34.3 7.35
時価総額 318億円

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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】海外投資家は割安感ある日本株でリスクヘッジへ


「海外投資家は割安感ある日本株でリスクヘッジへ」

●日本株の水準訂正への思惑が高まる

 決算発表がピークを迎えるなか、日経平均株価はこう着感の強い展開を継続していたが、SQ(特別清算指数算出)明け後は堅調な動きとなり、年初来高値を更新し21年11月下旬以来の水準を回復した。米国で金融システム不安が再燃し、米消費者物価指数(CPI)など重要なインフレ指標、さらには連邦債務上限問題を巡ってデフォルト(債務不履行)への警戒感から積極的な売買が手控えられるなかで、海外投資家による日本株選好への思惑が高まった。投資部門別売買動向によると、5月第1週(5月1日-2日)に海外投資家は現物、先物合算で4677億円の買い越しと、5週連続で買い越している。

 米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、自身が率いるバークシャーハサウェイ<BRK.B>の株主総会で、米地銀の投資に慎重な姿勢を示すとともに、日本株を引き続き買い増しする方針を述べている。外部環境に不透明感が燻る中で、海外投資家が相対的に割安感のある日本株でリスクヘッジする動きが意識されそうだ。東証によるPBR1倍割れの企業に対する改善要請の動きもあって、今回の決算では積極的な株主還元を打ち出す企業も目立っていた。PBR1倍割れ是正に向けた企業の姿勢が明確となったことで、日本株の水準訂正への期待も高まりやすいだろう。

●今後、活躍が期待される「注目5銘柄」

◆アドバンテスト<6857>[東P]
4月26日に発表した2024年3月期業績見通しは、連結営業利益が前期比37.4%減の1050億円とコンセンサスを下回る計画が嫌気され、翌27日には窓を空けて急落し1万0220円まで売られた。その後は順調なリバウンドを継続しており、4月戻り高値の1万2220円、3月24日に付けた年初来高値の1万2460円が射程に入ってきた。東京エレクトロン <8035> [東証P]の決算通過により、半導体セクターを巡ってアク抜けが意識されるなか、一段のリバウンドに期待したい。また、半導体関連に関しては、生成AIブームの躍進によって新たな局面に入るとの思惑も高まっている。

◆SUBARU<7270>[東証P]
5月11日に決算を発表。2024年3月期の連結営業利益は前期比12.2%増の3000億円を計画しており、コンセンサスは若干下回るものの想定の範囲内であろう。また、発行済み株式数の2.9%にあたる2200万株、400億円を上限とする自社株買いの実施も同時に発表しており、需給面での下支えとなりそうだ。株価は昨年9月高値の2684円をピークに調整基調にあったが、足もとのリバウンドにより52週移動平均線を捉えてきており、シグナル好転が期待される。自動車株は相対的な出遅れ感が意識されやすく、シグナル好転となればリバウンド機運が一段と高まりやすい。

◆カカクコム <2371> [東証P]
5月10日に発表した2023年3月期の連結売上高は前の期比17.6%増の608億円、営業利益は同25.1%増の239億円で着地した。続く24年3月期は売上高が前期比11.3%増の677億円、営業利益は同13.2%増の271億円と2ケタ増収増益を計画。レストラン検索・予約サイト「食べログ」で予約できる店舗の空席情報を、「ChatGPT」上で検索が行える機能拡張ツールの提供を開始しており、利便性の向上による需要拡大が期待される。株価はボトム圏で推移していたが、足もとのリバウンドで25日線、13週線を支持線に変え、75日線を突破してきた。26週線を捉えてきており、同線突破からの一段高に期待したい。

◆Arent <5254> [東証G]
5月11日引け後に発表した2023年6月期第3四半期累計(22年7月-23年3月)の連結営業利益は4億9900万円だった。建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)需要の高まりに狙いを定め、空間自動設計システム「PlantStream」や自動配筋ソフト「LightningBIM自動配筋」の販売拡大を目指しており、建設業界からの大型の受託開発の受注などにより、業績は堅調に推移した。併せて23年6月期の同利益を従来予想の5億2300万円から6億7400万円に上方修正。翌12日はストップ高を演じたが、4月高値の6400円から調整を続けていたこともあり、見直し余地は大きそうだ。

◆ネクソン <3659> [東証P]
5月11日に決算を発表。2023年12月期第1四半期(1-3月)の連結営業利益は前年同期比46.1%増の562億円で着地。通期計画は公表していないが、2022年12月期実績に対して5割超の進捗となる。併せて、非開示だった1-6月期(上期)の業績予想は、同利益が前年同期比33.4%増の816億円に伸びる見通しを示している。なお、同時に5月末に自社株1675万2326株(発行済み株式数の1.9%)を消却することも発表。株価は4月19日に付けた3275円をピークに弱いトレンドを継続しているが、支持線として意識される200日線、52週線の水準まで調整したことで、リバウンド狙いのタイミングになりそうだ。

(2023年5月12日 記)

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