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4199 ワンダープラネット

東証G
778円
前日比
-1
-0.13%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
2.74
時価総額 20.2億円
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ワンプラ Research Memo(1):名古屋を本社にエンターテインメントサービス事業を展開


■要約

ワンダープラネット<4199>は、名古屋を拠点に、スマートフォンを中心としたスマートデバイス向けアプリ・ゲームの企画、開発・運営、販売を行うエンターテインメントサービス事業を展開している。主要タイトルには「クラッシュフィーバー」(日本版・海外版)と「アリスフィクション」(世界同時運営)、協業の自社開発IPタイトル「ジャンプチ ヒーローズ」(日本版・繁体字版)があり、累計ダウンロード数は全世界合計で「クラッシュフィーバー」は1,400万、「ジャンプチ ヒーローズ」は2,200万のヒット作品となっている。自社開発や協業パートナーと協力し、国内外で多くのユーザーが長期的に楽しめる運営に取り組んでおり、収益形態はフリーミアム※モデルを採用している。また、長期的な収益の柱の位置付けとなる新規タイトルの開発として、世界的ヒットゲーム開発実績を持つ協業先のコンシューマー系ゲーム開発会社との共同事業新規タイトルの開発に引き続き注力している。

※無料でも有効利用でき、一部から課金を得る仕組み。自由を意味する「フリー」と、高度さを意味する「プレミアム」からなる造語である。


1. 2022年8月期の業績概要
2022年8月期の業績は、売上高が3,422百万円(前期比4.6%減)、営業損失が1,272百万円(前期は260百万円の利益)、経常損失が1,291百万円(同261百万円の利益)、当期純損失が1,887百万円(同825百万円の利益)となった。第3四半期までの進捗は業績予想レンジ内で推移したものの、第4四半期に新規リリースした「アリスフィクション」のユーザー獲得が当初計画どおりに進まなかった。費用面ではコスト見直しに取り組んだものの、「アリスフィクション」に関連した広告宣伝費増加分をカバーできず、減収及び損失計上することとなった。第4四半期については、2022年7月に新規リリースした「アリスフィクション」及び既存タイトルともに当初計画を下回る売上高となった。営業利益以下の損益についても、売上高が想定を下回った影響に加え、「アリスフィクション」の一定規模のユーザー基盤確保を目的とした広告投資が想定を上回ったことを主因に、当初計画を下回った。

2. 2023年8月期第2四半期累計の業績概要
2023年4月14日に発表された2023年8月期第2四半期累計(22年9月~23年2月)業績は、売上高は前年同期比15.6%増の1,629百万円、営業損失は320百万円(前年同期は270百万円の損失)、経常損失は334百万円(同286百万円の損失)、四半期純損失は349百万円(同202百万円の損失)となった。

第2四半期累計期間の売上高については、2022年7月に配信開始した「アリスフィクション」の売上寄与に加え、「クラッシュフィーバー」が堅調に推移した結果、前年同期比で増収となった。MAU※の状況について、「クラッシュフィーバー」は7.5周年イベント等が奏功し堅調な推移となったが、「ジャンプチ ヒーローズ」は2,100万ダウンロードキャンペーン、「アリスフィクション」はコラボイベントの効果を継続することができず減少推移となった。営業利益に関しては、第2四半期累計期間では損失を計上したが、中長期的な収益の拡大に向け、前期に引き続きコンシューマー系ゲーム開発会社との共同事業による新規タイトルの開発に取り組んでいる一方で、「アリスフィクション」を中心に既存タイトルの運営体制の見直しや最適化を進めることで外注費などの運営費削減に取り組んだほか、全社的に費用削減に取り組み、当第2四半期においては売上原価・販売費及び一般管理費が第1四半期に比べて減少し、営業損失額は縮小している。

※Monthly Active Userの略で、月に1回以上利用があったユーザー数。


3. 2023年8月期の業績見通し
2023年8月期の業績見通しについて、同社は第3四半期以降に費用削減効果を継続させながら、引き続き通期の営業黒字化に徹底的に取り組んでいる。売上高は、第3四半期は第2四半期比でおおむね同等、「クラッシュフィーバー」日本版の8周年キャンペーン等のある第4四半期は第3四半期比で増収を想定し、通期では下期の進捗次第ではあるが、前期並みの水準を見込んでいる。会社全体のコスト総額は第3四半期に第2四半期比で約20%の削減を予定し、第4四半期は第3四半期とおおむね同等を想定している。また第3四半期にコンシューマー系ゲーム開発会社との契約変更を行っており、第3四半期以降の開発費用の負担減少や開発開始から第2四半期に至るまでの過去開発費用の精算が発生する見込みとなっている。なお、その契約変更の影響は第3四半期以降に反映予定としている。第2四半期までは営業損失が続いていたものの、第3四半期以降は費用削減効果を継続させながら、各タイトルで売上高の目標達成に努めるとともに、引き続き、通期の営業黒字化に徹底的に取り組んでいくことで、通期での営業黒字化の可能性は十分にあるものと弊社では見ている。

4. 現在の注力分野
同社は現在の注力分野として、(1) 営業黒字化、(2) 既存タイトル収益確保、(3) 新規タイトル開発を挙げている。(1) 営業黒字化については、運営体制の適正化による費用削減の実施に取り組んでおり、会社全体のコスト総額は、第3四半期は第2四半期比で約20%の削減予定、第4四半期は第3四半期とおおむね同等を想定し、2023年8月期は通期の営業黒字化を目指している。(2) 既存タイトル収益確保については、既存タイトルによる継続的な利益貢献を目指し、第2四半期まで好調に推移した「クラッシュフィーバー」は、第4四半期の日本版8周年の盛り上げに努め、「アリスフィクション」は今まで実施した費用削減により損益分岐点を目指すとしている。(3) 新規タイトル開発については、長期的な収益の柱の位置付けとなる新規タイトルの開発として、世界的ヒットゲーム開発実績を持つ協業先のコンシューマー系ゲーム開発会社との共同事業新規タイトルの開発に引き続き注力しており、開発は順調に進行しているが2024年8月期の業績影響を精査中としている。なお、新規タイトル開発は機関決定されたものだけが公表されており、その他にも今後の新規開発について社内で随時検討は進められている。

■Key Points
・名古屋を本社にスマートフォンを中心としたスマートデバイス向けアプリ・ゲームの企画、開発、運営、販売を行うエンターテインメントサービス事業を展開
・2022年8月期第3四半期までは業績予想レンジ内で推移したものの、2022年7月にリリースした「アリスフィクション」を主因に、売上高・営業利益は計画未達
・2023年8月期第2四半期累計業績は、費用削減で損失幅を大幅縮小し、第3四半期以降に費用削減効果を継続させながら、引き続き通期では営業利益黒字化に徹底的に取り組む
・長期的な収益の柱の位置付けとなる新規タイトル開発として、世界的ヒットゲーム開発実績を持つ協業先のコンシューマー系ゲーム開発会社との共同事業新規タイトルの開発に引き続き注力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

《YI》

 提供:フィスコ

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