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【特集】雨宮京子が読む!年中盤相場の展望と注目株 <GW特集>

雨宮京子氏(雨宮総研 代表)

●流れ変わる東京市場、銘柄選別でパフォーマンスに大きな差

 新年度入りして1カ月近く経過し、市場の雰囲気は明るさを増してきたように思える。シリコンバレーバンクの経営破綻、クレディ・スイス・グループ<CS>の経営危機など金融不安が台頭していたのは、つい1カ月前。不安感は薄れて、そこから一つ一つ懸念材料が剥がれていった格好だ。国内をみると、植田和男新日銀総裁の就任によって行方が気になっていた日本の金融政策も、大きな路線変更はなさそうなうえ、負ければ政権が不安定になるとみられた衆参両院の補欠選挙も自民党の勝利となり、株価を抑える要因は後退している。

 それは、日経平均株価の直近のチャートも示すところだろう。ここにきて年初来高値を更新して、2021年9月高値の3万0795円、昨年3月安値の2万4681円を上値・下値のトレンドの起点とした中長期の三角保ち合いから上放れつつある状況だ。明らかに流れが変わってきた。

 外部環境、テクニカル面が好転してきたことで、関心は個々の銘柄の業績に集まるようになる。全体の底上げが見込めるようになってきただけに、どんな銘柄を選別するかによってパフォーマンスに大きな差が生じてくるであろう。決算発表シーズンがここから本格化する。個々の業績内容をチェックすることが重要になりそうだ。

○雨宮さんが予想する日経平均株価レンジ 2万5600円~3万1960円:年末高を想定

〇相場テーマは『国策に売りなし』
低PBR、株主還元、増配や増益銘柄、インバウンド、リオープン、新NISA(年末に駆け込み枠取得で株高期待)などに注目。

◆雨宮さん勝負のポートフォリオ11銘柄

○ソシオネクスト <6526> [東証P]
カスタムSoC(システム・オン・チップ)は半導体市場全体の成長率をアウトパフォームする可能性が高い。

○任天堂 <7974> [東証P]
Nintendo Switch用ソフト「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」発売で注目。映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が米国で大ヒット。

○メディシノバ・インク <4875> [東証S]
進行中の臨床治験は開発ステージフェーズ3が3件、フェーズ2が5件もあり、潜在的に大化けする要素が十分。

○JR西日本 <9021> [東証P]
大阪万博を控えているほか、IR(統合型リゾート施設)関連としても注目度が高い。インバウンド需要の拡大によるメリットも大きい。

○ハピネット <7552> [東証P]
同社が展開するカプセル玩具専門店「ガシャココ」で訪日観光客が残った日本円硬貨を利用することで脚光。カプセル玩具市場の国内でのシェアは6割。

○関西電力 <9503> [東証P]
原発で電力を安定供給している点に注目。原発関連として水準訂正に期待。配当利回りが3.4%と高いこともポイントになる。

○アミューズ <4301> [東証P]
新型コロナウイルス感染症対策の社会行動制限が大きく縮小。コンサートの復活によりアフターコロナ関連として注目。

○テノ.ホールディングス <7037> [東証P]
岸田首相が打ち出した「異次元の少子化対策」によって、注目度が高まる。事業所内保育所を展開することから成長期待が大きい。

○東宝 <9602> [東証P]
映画「すずめの戸締り」のヒットが業績を押し上げる。行動制限の緩和を背景にアフターコロナ関連として注目。

○日本特殊陶業 <5334> [東証P]
業績上向き期待が大きいバリュー株としても注目。利回りが5%近辺と配当妙味が大きく、中期的スタンスで仕込みたい存在に。

○交換できるくん <7695> [東証G]
住宅設備ECを展開。業界の革命児であり、旧態依然のリフォームビジネスを革新中であることが注目される。

(2023年4月27日記)

<プロフィール>(あめみや・きょうこ)
雨宮総研 代表。元カリスマ証券レディとして、日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスター、SBI証券 投資情報部などを経て現在に至る。

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