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【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─北浜流「PBR投資術」で有望株をキャッチ!


「北浜流『PBR投資術』で有望株をキャッチ!」

●「PBR1倍割れ=投資対象」ではない

 3月末、東京証券取引所が市場改革案の一つとして、東証プライム市場とスタンダード市場に上場する全約3300社の中で、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る企業に対し、株価水準を引き上げるための具体策の開示を求めて1カ月になる。

 当時、PBR1倍割れだった企業は約1800社あった。その数は上場している企業の半分ほどに及んだのだ。

 これには当の企業はもちろん、投資家も驚いたが、市場は即座に好感し、PBR1倍割れ銘柄への買いが盛んになったことはご承知の通りだ。

 その結果、1800銘柄あったPBR1倍割れ銘柄がどれだけ減少したか、具体的なデータは持ち合わせていないのだが、かなり減ったと見てよいだろう。

 しかし、投資する立場からすると、PBRが1倍を割れているからといって、その企業に投資魅力があるとは限らない。市場やセクターの平均PERを下回っているからといってすぐに投資対象とはならないように、PBRも1倍を割れているからという理由で積極的には投資できない。

 1倍を割るには、1倍割れとなってもやむを得ない背景を抱えている場合も多いからだ。

 そのため、私は投資対象としてみる場合、株価指標の割安にはこだわらず、PERはもちろんPBRも平均を上回っても構わないという考えだ。実際、両指標が平均値を上回っている(割高である)のに、力強く上昇し続けている銘柄は多い。

●選別の基準はPBR3倍以上、7倍以下

 これを踏まえて、今回はPBRが日経平均採用銘柄の1.23倍、プライム全銘柄の1.22倍、スタンダード全銘柄の0.95倍よりも上、それも少し上というのではなく、3倍以上である銘柄に着目したい。ただ、上限はある。10倍とか20倍以上はもちろん見送りでよい。私が現在、上限としているのは7倍だ。

 以上のような条件を満たす銘柄には、まずは任天堂 <7974> [東証P]がある。前回の本コラムでもゴールデンウイーク(GW)関連株として取り上げた。しかし、今回は同社の制作映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の米国での大ヒットと国内上映開始に加えて、PBRが3倍以上であることに着目したい。ちょうど3倍すれすれの3.07倍(4月28日時点)と、私に言わせるとまだその水準は低い。

 これまで幾度が取り上げてきたが、ヤクルト本社 <2267> [東証P]のPBRは3倍を超えており、一般的には高すぎるということになろう。実際、株価を見ると上がり続けていて、近づき難くみえる。しかし、任天堂と同様に、私から見るとまだ高すぎるとはならない。PBRはまだ3.13倍にすぎないからだ。それになんといっても「ヤクルト1000」の大ヒットがある。ヤクルトレディによる販売システムは世界でもユニークであり、競合が真似できない点も魅力だ。

 スポーツウエア大手で、数年前までは韓国での販売が主だったが、いまでは中国への展開で収益を拡大しているデサント <8114> [東証P]も、コロナ禍の影響が薄らいだ中韓での今後の需要拡大は必至。株価も当然、期待が持てる。PBRは3.26倍だ。

 ご存知の味の素 <2802> [東証P]も、アジア各国で調味料はもちろん、アミノ酸活用の医薬品などを展開し、収益を伸ばし続けており、今後も楽しみな銘柄となる。PBRは3.43倍だ。

 もっとPBRが高い銘柄にも目を向けてみると、カレー専門店を展開する壱番屋 <7630> [東証P]がある。日本人ばかりではなく、日本を訪れた外国人たちもカレーを食べる。多くのカレー店があって選ぶのに苦労するだろうが、 カレーは万国共通食(日本のカレーは本場インドのそれとは味わいは異なるが海外での人気も高い)。彼らはネットを使って探すだろうから、検索でもヒットしやすい同社の集客力は高いと見てよい。当然、株価も期待が持てる。PBRは5.64倍だ。

 最後に、オンライン英会話に強いレアジョブ <6096> [東証P]を紹介する。コロナ禍からの解放がもたらすのは、外国人旅行者の増加ばかりではない。海外を訪れる日本人も増え、 英会話のレッスンを受ける人も急増することだろう。株価は足もとで調整中なだけに押し目狙いでよい。PBRは5.87倍だ。

2023年4月28日 記

株探ニュース

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