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7949 小松ウオール工業

東証P
1,509円
前日比
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PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.3 0.69 4.31 2.89
時価総額 298億円
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脱コロナで広がる原則出社、「オフィス回帰」関連株に投資機会膨らむ<株探トップ特集>


―オフィスリニューアルで用品・機器の需要増加、什器や間仕切にもビジネスチャンスか―

 新型コロナウイルスの感染拡大から経済活動は正常化へと向かっているが、これを受けて企業の従業員が リモートワークからオフィス出社にシフトする「オフィス回帰」の動きが強まっている。米国ではアルファベット<GOOGL>やアップル<AAPL>が2022年から従業員に週3日以上のオフィス勤務を求め、メタ・プラットフォームズ<META>もリモートワーク可能の求人を停止したと伝えられた。

 日本でもレゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]が7月に本社オフィスを統合・移転する目的として、コミュニケーションの活性化などを掲げており、オフィス回帰の動きが見受けられる。脱コロナが進むなか今後、こうした動きは更に加速するとみられ、関連する企業の商機拡大につながろう。

●新型コロナウイルス「5類」移行が追い風

 20年3月以降の新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、日本でも多くの企業がリモートワークを導入した。通勤ラッシュの回避やオフィスでの「3密」を避けるために、大企業を中心に自宅で業務を行う人が増え、リモート会議やチャットアプリなどの利用が広がった。

 しかし、コロナ禍も3年が経過。昨年3月には行動制限が全面解除され、経済活動は正常化に向かっている。今年3月にはマスク着用に関するルールが緩和され、ゴールデンウィーク明けの5月8日からは新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に移行するなど、私たちを取り巻く環境は変化している。

 リモートワークは居住地や勤務地を問わずに働けるため、企業が優秀な人材を確保しやすいといったメリットがある半面、社員間のコミュニケーション不足や勤務実態の把握の難しさなどを指摘する声も聞かれる。出社したほうが生産性が高いと考える人も多く、出社の機会を増やす企業が増えているようだ。

●ハイブリッド型ワークスタイルが新たな需要を創出

 学情 <2301> [東証P]が昨年12月に実施した調査によると、在宅勤務・テレワークについて、「新型コロナウイルス対策として導入し、現在も実施している」と回答した企業は46.1%に上り、半数近い企業が、新型コロナウイルス対策として導入したテレワークを現在も継続していることが明らかになった。その一方、行動制限の緩和を受けて、「テレワークの頻度を減らした」と回答した企業は60.6%に上り、「テレワークだけでは業務に支障があるので、出社の機会も設けている」「ブレストや会議は出社して実施している」「職種によって、頻度を調整している」といった声が寄せられたという。

 リモートワークは既に働き方の一つとして定着しているため、完全になくなるということにはならないだろう。ただ、従業員の出社機会が増えることは、オフィス用品・機器の需要の増加や、リモートワークと出社のハイブリッド型のワークスタイルに合わせたオフィスのレイアウト変更などの需要につながるとみられる。これらに関連する企業に注目したい。

●アスクル、大塚商会などに注目

 アスクル <2678> [東証P]は、オフィス用品の通販サービスの先駆け。継続的なUI/UXの進化や検索エンジンからの導線強化策などが奏功して登録顧客数の拡大が続いており、同社のBtoB事業単体売上高は3月まで14ヵ月連続で前年実績を上回って推移している。同社では中期経営計画で25年5月期のBtoB事業単体売上高4135億円(22年5月期3172億円)を目指しており、最終年度には2ケタ成長を予想している。

 大塚商会 <4768> [東証P]は、オフィス用品の通販サービス「たのめーる」をはじめ、サプライ供給、ハード&ソフト保守、テレフォンサポート、アウトソーシングサービスなどにより導入システムや企業活動をトータルにサポートするサービス&サポート事業を展開している。1999年にスタートした「たのめーる」は2010年12月期に1000億円を突破し、22年12月期には1831億円に成長。同社ではストックビジネスとして注力しており、更なる成長が見込まれる。

 ヴィス <5071> [東証S]は、オフィス空間の設計デザインや施工を行うデザイナーズオフィス事業が主力。22年3月期は、アフターコロナに対応したオフィスデザインの需要が増加し、受注高は過去最高の112億円となったが、23年3月期は第3四半期までで97億円の受注を確保している。近年では、1億円以上の大規模案件の受注が増えており、業績への貢献が期待できる。

 小松ウオール工業 <7949> [東証P]は、間仕切(パーテーション)の国内トップメーカー。間仕切市場は、コロナ禍により一時的に落ち込んだものの、足もとでは主要都市部における旺盛なオフィス需要を背景に、レイアウト変更を容易にできる可動間仕切などオフィス向け製品の需要が回復基調にある。22年2月に行った製品価格の引き上げ効果も期待できる。

 アルファパーチェス <7115> [東証S]はアスクル子会社で、間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO事業やファシリティマネジメント事業を手掛ける。22年12月期のMRO事業では、前の期までの売れ筋であった消毒液などの新型コロナウイルス対策商品に代わり、通常の事業所用消耗品の売り上げが増加している。また、大企業グループを中心に新規顧客開拓を進めており、安定した2ケタ成長を継続している。

 イトーキ <7972> [東証P]は、 オフィス家具大手の一角。22年12月期は、ニューノーマル時代の新しい働き方に合わせたオフィス移転やリニューアル案件を中心に売り上げが好調に推移したほか、販売価格の適正化やカタログ価格の改定なども寄与し営業利益は45億8200万円(前の期比79.0%増)を計上。23年12月期も同65億円(前期比41.8%増)を見込むなど好業績の見通しだ。

 コクヨ <7984> [東証P]は事務用品の国内最大手で、オフィス家具なども展開。22年12月期は会計基準の変更に伴い前の期との比較はできないものの、営業利益は193億2100万円で会社側によると前の期比2.9%減で着地した。23年12月期は、オフィス家具では旺盛なオフィスリニューアルと新築移転需要の確保に注力。営業利益200億円(前期比3.5%増)を見込む。

 オカムラ <7994> [東証P]は、オフィス家具大手の一角で、商業施設の什器なども手掛ける。リモートワークと出社のハイブリッドワーク普及に伴うオフィスリニューアル需要が旺盛としており、22年7月の価格改定効果もあってオフィス環境事業は好調が続く。同社ではオフィスリニューアル需要は長期トレンド化するとみており、既存什器からの大幅な入れ替え需要に対応することで成長継続を目指している。

 内田洋行 <8057> [東証P]は、オフィス家具大手の一角で、学校備品やシステムなども展開する。オフィス関連事業では、足もとでより良いオフィス環境にするためのリニューアルや、ハイブリッド型の働き方に対応した改装など、新たな需要が拡大し、同社では案件を着実に獲得しているという。23年7月期は営業利益68億円(前期比13.8%減)と減益見通しだが、3月に64億円から上方修正している。

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