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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9697 カプコン

東証P
3,439.0円
前日比
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
31.3 7.23 1.05 0.98
時価総額 18,330億円
比較される銘柄
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ゲーム株に集中し、たった2年で億り人に、大きな負けは1回だけの理由

すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 ゆずさんの場合~第1回

登場する銘柄
任天堂<7974>、ソニーグループ<6758>、バンダイナムコホールディングス<7832>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、カプコン<9697>、コナミホールディングス<9766>、セガサミーホールディングス<6460>、enish<3667>>

文/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

■ゆずさん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:
2012年に300万円を元手に株式投資をスタートし、いきなり高値掴みで50万円の損失を食らうが、あきらめずに再チャレンジへ。最後の望みをかけて集中投資したガンホー<3765>で大当たりし、以降は幼いころからハマっていたゲームの銘柄に特化した投資法で大躍進する。14年には早々と億り人を達成、15年からは専業投資家に転身した。前半の資産形成期は中小型株中心、現在は大型株中心で安定成長を目指した投資を行っている。基本はこれぞと思う銘柄を天井までバイ&ホールドし、利益の最大化を目指す。最近はエンターテインメント銘柄の投資にも情熱を注ぐ。

今回クローズアップするゆずさん(ハンドルネーム)は、300万円を元手に株式投資を始めてから、2年ほどで億り人を達成した超特急出世のすご腕さんだ。早業で勝ちを手にしてきた秘訣をキーワードにすると、集中と勝ち馬に乗る。その投資対象はゲーム株だ。

ゆずさんは、小さい頃からコンピューターゲームにのめり込んできた。これまで歩んできたゲーム人生から、新作投入のタイミングや、この制作陣ならこれくらいの人気になるだろうといったヒットのツボを体得してきた。そうした経験そして知見をフルに活かして、今の勝ち馬はどこかを見極め、これだと思ったところに集中投資して、資産を築いてきた。

驚くのは、10年強の投資人生の中で、大きな損失を食らったのは最初だけということ。ビギナーズ・ラックではなく、ビギナーズ・アンラックとなってしまったものの、その失敗からは順調に資産を膨らませてきた。本人曰く、株を始めた時から今に至るまで投資に関する本は、ほとんど読んだことがなく、業績やチャートの読み方も基本は独学でポイントを押さえてきた。

ここだけ切り取ると「天才肌」、もしくは「運が良かっただけのこと」とも受け取れる。だが、取材をしていくうちに、興味のあることや好きなことは徹底して調べ尽くす予習をしながら、必ず取引の振り返り作業を行う復習も徹底していることがわかった。

ただ、こうした作業は本人にとっては「努力している」「頑張っている」というものではなく、ただ「それをするのが好きだから」とのことだ。その「好き」を分解していくと、ツボを押さえ、他人よりも先回りして知りたいことに到達することに喜びを見出している姿があった。言ってみれば、学びの中にゲーム性を見出し、最強のガチャを首尾よくゲットして、勝つ爽快感を味わっているようだ。

ゲーム株でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を実現し、いまも半ば仕事のつもりでゲームをしながら投資人生を満喫するゆずさんの勝ち技を見ていこう。

業績が右肩上がりでサイクルが読みやすい

ゆずさんが足元で推している銘柄の1つが、任天堂<7974>だ。その株価は、任天堂ゲームの人気キャラクターが登場する映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が好材料になっている。

北米でのオープニング興行収入が好調だったことから、それまで低迷ムードからの反転の動きを見せつつある。同作品は、この4月末に日本でも公開予定。ゆずさんは、北米同様に日本でもヒットして、株価の好材料になると期待している。

小さい頃からスーパーマリオに親しんできたゆずさん世代も、今は子供を持つ年。それもあって、親子で映画を楽しむ姿が想像できるという。ディズニーのミッキーマウスと同様、スーパーマリオも親から子、子から孫へと、人気が受け継がれていく存在になっていると評価している。

同社の業績は浮き沈みを経ながらも、長期で業績を伸ばしてきたのは、「なんといってもスーパーマリオの存在が大きい」(本人)。

■『株探プレミアム』で確認できる任天堂の通期業績の成長性推移
【タイトル】

ゆずさんが任天堂株を推すもう1つの理由が、他のゲーム株と同様に株価の動きにサイクルがあり、今はどんな段階にあるのをつかみやすいことがある。

ゲーム株の場合、株価のサイクルは通常、新作投入イベントに応じて形成される。ハードとソフトを両方手掛ける任天堂の場合、株価のサイクルはハードとソフトの新作投入の2つがカタリスト(株価変動のきっかけ)になる。

ソフトの場合、同社の新作は、クリスマス商戦を意識して投入されることから、株価は秋から年末に向けて上昇モメンタム(騰勢)が生じやすい。任天堂のプラットフォーム向けの人気ソフトは複数あるので、年末商戦に向けたサイクルは毎年、生まれる可能性がある。ただ、頻度は多いが、サイクルは比較的短期になりやすい面がある。

これに対して、ハードの場合は、新機種の投入は、何年に一度となる。だが、世界中にファンを持つ任天堂の場合、ヒットすれば大きな収益が期待されるため、長期的な上昇サイクルが形成される可能性がある。

■任天堂<7974>の週足チャート(15年1月~)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


同社の最新機種『ニンテンドースイッチ』が発売されたのは2017年3月と、すでに丸6年がたっている。この時間を考えると、そろそろ新機種が投入されても不思議ではない。

ゆずさんは、その発売発表を示すXデーは、今年6月あたり、そうでなければ年末ラリーを意識した11月あたりでは、という予想を立てている。長く同社の動きを観察し続けてきたからこその分析だ。

スイッチ投入後の任天堂株の動きを振り返ると、投入前後から株価の動きは長い上昇のうねりに入った後、今は一服した時期。新機種の発売がされれば、スイッチの発売後と同様の動きをたどる可能性があるとみている。

事前の読みより少し前倒しになってはいるが、ゆずさんは、この3月の5000円割れの水準は底値になると見ていた。この後は徐々に本格反転へと向かい、上昇トレンドへとつながっていく。現在、5000円どころの株価が、7000円~8000円台を付けるまでに上昇しても不思議ではないと考えている。

スクエニも新作投入に期待

新作ゲームの投入という点では、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>にも期待をかける。

同社は、プレイステーション5向けの人気ゲームソフトの『ファイナルファンタジーXVI(16)』が、今年6月に発売予定となっており、これが業績の押し上げにつながるものと期待する。こちらもこれまでの経験則から、今年から来年にかけて、株価上昇のトレンドに乗るというシナリオを描いている。

■スクエニHD<9684>の週足チャート(15年1月~)
【タイトル】

日米の重要イベントも注視

このほかにも、株価のサイクルを見極めているイベントがある。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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