貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

2216 カンロ

東証S
3,215円
前日比
+25
+0.78%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.1 2.84 2.49 5.22
時価総額 492億円
比較される銘柄
コイケヤ, 
養命酒, 
甜菜糖

銘柄ニュース

戻る
 

カンロ Research Memo(9):ビジョンと中期経営計画の実現に向けて、様々な施策が進行中(2)


■成長戦略

2. 中期経営計画2024
2022年に3ヶ年計画として発表した「中期経営計画2024」は「新たな事業を起こす」ことをテーマにスタートしており、原点であり、強みである国内キャンディ事業をコア事業に、成長投資を加速し、グローバル事業、デジタルコマース事業、フューチャーデザイン事業の3つの新規事業の推進により市場・チャネルと製品・サービス(ドメイン)を拡げ、企業価値を高めていく計画である。現在、カンロ<2216>の売上はほぼコア事業のみの計上であるが、今後、コア事業の収益を積極的に他の3事業に投資し、徐々に3事業を成長させ、最終的に、企業としての社会的価値の創造を実現させていく計画である。

中期経営計画の進捗状況を見ると、売上高は、2022年12月期実績は251億円、2023年12月期予想は269億円と順調に推移しており、営業利益率については、2022年12月期実績は7.7%、2023年12月期予想は7.4%を示している。2024年12月期の目標KPIである売上高成長率5%以上、営業利益率7.0%を超え、コロナ禍からの回復途中で厳しい状況のなか順調に推移しており、2024年12月期の到達目標である「売上高成長率(年平均成長率)5%以上、営業利益7%、ROIC7.5%以上」は十分期待できる。

(1) コア事業
「素材を活かす」「キャンディならではの機能性」を軸とする商品開発方針を継続し、AIやIoTの活用による工場のスマートファクトリー化で生産性の向上や生産体制の強化、新商品開発と新ブランド育成によるシェア拡大により、国内キャンディNo.1シェアを確固たるものとし、2030年には売上高300億円※1を目指す。

(2) グローバル事業
既存ブランドと海外戦略商品を中心に展開し、グローバル人材の拡充、戦略パートナーとの事業提携、世界戦略商品の開発により、海外売上高比率25%以上※1を目指す。対象地域として、中国及び米国への進出を本格化させる。カンロクオリティを海外に展開し、世界の人々の笑顔あふれる健やかな生活に貢献する。

(3) デジタルコマース事業
ECや直営店専用の高付加価値商品を展開し、デジタルプラットフォームを構築し、Web上のコンテンツ・CRM※2の強化により、消費者とのコミュニケーションを深化することで、デジタル売上高比率5%以上※1、キャンディメーカー純粋想起率※3 30%※1を目指す。

(4) フューチャーデザイン事業
既存事業の枠にとらわれない、新機軸の商品や事業を創造し、Well-beingを実感できる健やかな生活をサポートする。新商品やサービス創造のために社内組織を立ち上げ、フードテック等のスタートアップ企業や研究機関との提携、M&Aなどにより事業全体の売上高比率5%以上※1を目指す。

※1 同社の長期ビジョン「Kanro Vision 2030」における数値目標。
※2 Customer Relationship Management の略で、顧客と円滑な関係を図り、長期的な関係を構築し、継続的な商品販売につなげていく手法のこと。
※3 商品において、消費者が思い浮かぶブランド名が自社ブランドである確率のこと。


3.具体的な取り組み
2022年下期において、コア事業では、「Z世代との共創による商品開発」、デジタルコマース事業では、「4つの方向性の事業展開」、グローバル事業では、「中国向け専用ブランドの販売」、フューチャーデザイン事業では、「SDGsへの取組みを事業に~9月から「ヒトツブカンロ earth」でエコライン商品を発売」といった具体的な取り組みに着手した。この新規3事業で売上高成長率CAGR30%以上という目標を掲げている。

(1) Z世代との共創による商品開発(コア事業)
コア事業では、2022年8月よりキャンディとZ世代との新たな共創プロジェクト「Z世代 飴の原体験共創プロジェクト」を発足。キャンディ購買金額が低いZ世代の現役高校生と取り組むことで、新しい市場開拓の一旦とし、新たなキャンディのコアバリューの「気づき」を発見し、キャンディ市場の活性化を狙う。現役女子高生と共同開発した商品を 2023 年 5 月に発売を予定している。

(2) 下記の4つの方向性で事業を展開(デジタルコマース事業)
デジタルコマース事業では、ヒトツブカンロ、新サービスの提供、機能性や素材を活かした商品の開発、キャンディのもつ可能性の提案といった4つの方向性で事業を推進している。直営店舗である「ヒトツブカンロ」を中心に事業基盤を築き、ECサイト「Kanro POCKeT」専用商品やサービスを提供する。

(a) ヒトツブカンロ
「ヒトからヒトへつながるヒトツブ」をコンセプトにお土産、ギフトに最適な商品を販売する直営店「ヒトツブカンロ」を展開する。「ヒトツブカンロ」では、一般流通商品に比べれば小ロット生産でパッケージデザインにも注力し、こだわったワンランク上の商品を直接顧客に販売することで、直接同社のこだわりや価値観、商品の特性を伝えることができるため、顧客と直接コミュニケーションがとれ、CRMの向上にもつながる。外側はパリッと、中はしっとりとした次世代食感のグミ「グミッツェル」は、5年をかけて開発し、2012年の販売以来、累計約1,300万枚を販売している。東京駅のお土産ランキングでは毎回上位に入り、見た目や味だけでなく、「音」を楽しめるグミとして人気を博している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均