貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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7191 イントラスト

東証S
768円
前日比
-12
-1.54%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.5 2.63 3.26 178
時価総額 172億円

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エラン Research Memo(4):独自のノウハウで後発他社をリード


■事業概要

3. 独自のビジネスモデルやノウハウ蓄積で競合優位性
エラン<6099>は、既存の取引関係(病院・介護老人保健施設等と各地域のリネンサプライ業者との取引関係)を活用する共存共栄型ビジネスモデルに加えて、利用者ニーズや採算ラインを見極めながらのプラン設定、行政指導に適合したサービス運営、看護・介護現場への説明・運用や請求・回収業務に関する独自ノウハウの蓄積、特定の系列に属さないオープンなポジションなどを強みとしている。

CSセットのプラン設計については、全国一律の商品構成、料金設定ではなく、複数のプランを用意している。地域や病院・介護老人保健施設等の種類など、それぞれの特性や利用者ニーズに合わせて、採算ラインを見極めながら商品構成品目や料金をカスタマイズしてプラン設定している。カスタマイズにはノウハウの蓄積が必要となる。こうした共存共栄型ビジネスモデルや独自ノウハウの蓄積が同社の競合優位性となっている。


CSセットの契約施設数及び利用者数は増加基調
4. 契約施設数及び利用者数の動向
競合優位性などを背景にCSセットの契約施設(病院・介護老人保健施設等)数及び利用者数は増加基調である。契約施設数は2022年12月期末時点で2,060施設となり、前期末との比較で246施設増加した。2012年12月期末の314施設から10年で6.6倍となり、契約施設のストックが大幅に積み上がっている。なお2022年12月期は、新規契約が290施設、解約が44施設となった。解約率はおおむね2~3%台で推移している。2021年12月期に同一グループ26件の解約が発生したため一時的に3.4%に上昇したが、2022年12月期は2.1%に低下した。月間利用者数は2022年12月で379,614人となり、2021年12月との比較で38,204人増加した。2012年12月の38,269人から10年で9.9倍に拡大した。CSセットの認知度向上、導入施設数の増加、既存契約施設における利用率上昇などにより、月間利用者数は契約施設数の増加を上回る大幅な伸長率となった。


さらなる成長に向けて「困った」を解決する新サービス・新事業の展開を加速
5. 新サービス・新事業の展開
さらなる成長に向けて、同社はCSセットを起点に周辺サービスも展開している。住まい・医療・介護・在宅支援・予防未病・終活など、入院前・入院中・退院後の全てのステージでの「困った」を解決するプラットフォームの創造を目指し、より付加価値の高い新サービス・新事業の展開を加速する方針だ。

2018年9月にサービス開始した「CSセットR」はイントラスト<7191>と業務提携して共同開発した。CSセットとイントラストの連帯保証人代行サービスを組み合わせた入院費用保証付き入院セットである。病院に入院する際には入院費用の連帯保証人を求められるが、独身世帯の増加などにより連帯保証人の用意に苦労する患者も多い。「CSセットR」を利用すればイントラストが連帯保証人を代行するため、入院患者の入院準備にかかる手間と心理的負担を軽減することが可能になる。病院においても、事務職員の入院手続き時の労力軽減や入院費の未回収リスクの低減が図れるメリットがある。さらに入院保証会社にとっても、医療費用保証サービスの認知度向上・普及、利用者拡大というメリットが生まれる。新しい「WIN-WIN-WIN」のサービスと言える。

2019年4月にサービス開始した「CSセットLC」は(株)日本総険と業務提携して共同開発した。CSセット利用患者に起因する損害事故(備品破損、職員・入院患者への怪我など)を補償するサービスが自動付帯された入院セットである。

「CSセットR」「CSセットLC」については、新規顧客開拓時の提案初期段階に標準サービスとして組み入れて、2021年12月期第2四半期頃から本格的に営業展開を開始し普及期に入った。2022年12月期末時点の累計契約施設数は「CSセットR」が前期末比48施設増加の149施設、「CSセットLC」が40施設増加の123施設となった。なお外国人旅行者向けCSセット(前払決済)については、コロナ禍の影響で外国人の入国が制限されているためサービス開始を延期している。

またCSセットの付加価値向上に向けて、2020年3月に医療従事者向け白衣等を企画・製造・販売するクラシコと資本業務提携し、2021年11月にオリジナル患者衣「リフテ」を導入した。肌触りとデザインを工夫し、柔らかい着心地と工業洗濯耐性を両立させた患者衣である。2021年12月期に1施設、2022年12月期に7施設に導入した。2023年中には約3種類のラインナップに増やし、要望に合わせて選べるようにする予定だ。

入退院・入退所の困りごとの無料相談窓口「キクミミ」サービスは、医療機関や老人福祉施設では対応が難しい「保険外」分野に特化し、相談内容に応じて提携先に送客する。今後の展開に向けて、これまでの相談を集計・分析し、実装サービスを整理・再検討する方針だ。2021年12月期には退院直後の「困った」の解消を狙いとして「退院セット」を開発した。

電子カルテ「エラン カルテット」については、2022年12月期にラインナップを追加して3種類から選択可能になった。さらに「電子カルテ+CSセット+α」によって事業展開し、CSセットの新規契約や契約延長につながるシナジーを目指す。

なお子会社の琉球エランが展開する予定の沖縄新事業(事業内容は未公表)については、コロナ禍による活動制限の影響で事業化が遅れているが、2022年4月には新しい生活様式に役立つコンテンツを一元化したWebアプリ「がんじゅーパス」を開発している。「がんじゅー(沖縄の方言で健康や頑丈の意味)」な道(path)と、その道を通る通行証(pass)をかけて名付けた沖縄発の健康パスである。今後は状況を見ながら準備を進める方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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