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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─創造的破壊もたらす核心技術「ChatGPT」関連に注目!

株式アドバイザー 北浜流一郎

創造的破壊もたらす核心技術「ChatGPT」関連に注目!

●米国金融危機の落ち着きを待つところだが……

 3月21~22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅は、予想通り0.25%継続だった。

 これだけでも株式市場は歓迎高となっても良さそうなのだが、実際はそうはなっていない。利上げ停止を願っていたのか。だとすると、それは欲張り過ぎだろう。

 シリコンバレーバンクが経営破綻し(持ち株会社だったSVBファイナンシャルグループ<SIVB>も破綻)、他行にそれが波及したからといって、簡単に金利を引き下げるわけにいかないのは当然だ。インフレ率を考えれば0.25%の利上げはやむを得ない選択であるのに、市場の反応は「No(ノー)」であり、これには正直失望したが市場の懸念も理解できないわけではない。

 足もとでもカリフォルニア州ビバリーヒルズを本拠とする米地銀パシフィック・ウェスタン・バンク(パックウェスト)が、投資会社アトラスSPパートナーズから14億ドル(約1850億円)を調達したと明らかにした。

 ということは、直前まで危機的状況にあったということ。同行は昨年末比で預金の20%(69億ドル)が流出し、うち約49億ドルがベンチャー・バンキング部門というのだ。預金水準は「安定している」とのことで、目先の危機は乗り切ったようではあるが、今後立ち直れるかは不透明だ。

 そのため、23日の米国市場では、銀行株は上値が重い展開となった。NYダウナスダックS&P500の主要3指数が上昇したというのに、主力銀行株は終盤に下げてしまったのだ。

 これはパックウェストに続く銀行があるのではないか、との懸念によるものと見てよく、当面、銀行株には近寄り難くなってしまった。

 おかげで国内銀行株も上昇しづらくなっており、金融危機に対する警戒感が薄らぐのを待たざるを得ないところだ。

 今後、米連邦準備制度理事会(FRB)は金利の上げ幅を縮めていくことになると見てよく、それが東京市場にはマイナスに働く恐れがあることも頭に入れておきたい。

 米金利の上げ幅縮小は、ドル安・円高要因となる。現在の東京市場は円の上昇に極めて弱く、円が少しでも上がると全体はすぐに騰勢を失い、上がれないか、下げてしまう。

●ネット界のイノベーションに目を向ける

 特に主力株がそうなるので、ここでは主力株を避けて、ネット界のイノベーションに目を向けたい。それは……具体的には「ChatGPT(チャットGPT)」になる。

 実は私も、このところ「ChatGPT」に夢中になっている。使い方を模索している段階なのだが、ゲーム感覚で十分楽しめるため、つい夜更かしをしてしまうほどだ。

 「芭蕉の有名な俳句を3つ教えて」などと尋ねると、芭蕉ではなく別人の短歌が紹介され、夜中に一人で笑ったりしているが、「バフェットの投資法のポイントを教えて」とか、「ピーター・リンチの投資法のポイントを教えて」などと聞くと、たちどころに適切な回答が返ってくる。それを私はブログに転載したり、テスト的な利用ぶりを紹介したりなどしているが、すでにビジネス分野で活用しつつある企業も多い。

 そこで、ここで改めて関連株に注目だ。具体的には、まずはユーザーローカル <3984> [東証P]になる。この会社はすでにチャットAIシステムを企業に提供し始めているが、なんといっても強みとなるのは、 チャットボットにChatGPT開発元の米OpenAI社の人工知能による回答自動生成機能を提供していること。これにより今後もサービス提供の拡大は必至。株価も続伸が見込める。

 旅館、ホテルなどの予約システム構築に強いtripla <5136> [東証G]は、3月13日に2023年10月期第1四半期(22年11月-23年1月)決算を発表。経常利益の対通期計画の進捗率が20%にとどまったことで、株価は急落してしまったが、同社もAIチャットボットシステムを提供しているため、今後認知が広がるにつれ、株価も持ち直す可能性は高い。

 いまは株価が下げてしまい、戻るのに少々時間がかかりそうだが、pluszero <5132> [東証G]もAI対話システムの構築と提供に注力しており、収益の柱に育つと見てよいだろう。

 ChatGPTは文字での利用がメインだが、今後は音声利用も増加してくると見てよい。となると、音声認識と文字化に強いアドバンスト・メディア <3773> [東証G]の出番になる。株価は押し目を入れて反発し始めたところであり、見逃さないようにしたい。

 最後にChatGPT関連から離れて、ベトナムで太陽光発電パネル製造の好調が続くAbalance <3856> [東証S]に注目したい。

2023年3月24日 記


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